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5.光と闇
猫も歩けば
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落とし穴ならず、落とし箱にはまってようやく抜け出した。
ガリガリと爪を駆使して自分の身長以上の壁を乗り越えられた。
今更になって思うけど、猫ってジャンプ力凄かったから跳べばよかったのでは……?
まぁ、ひとまずはおいといて。
クロの姿が見えない……。
本当に俺を置いて行ってしまったのか……。
どうしよう。
こんな何処なのかも分からない所でひとり、やっていける自信無いんだけど!?
最後にクロが歩いて行った方角に向かって歩けば追いつけるのかもしれない。
一縷の希望に縋って、行動を起こしてみる。
相変わらず、商店はどこも賑やかだなぁ。
周りを見渡しながらクロを探すが、黒猫の姿はどこにも見当たらない。
だんだんと焦りと不安が大きくなってくる。
少し走ってみたけれど、すぐに身体が疲れてしまう。
あれ、おかしいな……。
確かに、総の家を飛び出してから、ずっと走ったり登り下りをしていた。
だから、疲れていてもおかしい所なんてないんだけど。
なぜか、身体からどんどんと力が抜けて行く。
足を踏み出す一歩がとても重たい。
もしかして、猫の姿から元の人間の姿に戻る兆候なのか……?
や、そうだとしたら、ヤバいっ!!
ここで、元に戻ったら大変な事に。
意識してなかったけれど、今は何も着てない状態。
つまり、元に戻ったら道端で全裸になってしまうっ!!
通報されてしまえば、保護者呼び出し、そして、総の家に逆戻りじゃん!?
折角の苦労が水の泡だし、何より俺がとても大きな恥をさらしてしまう。
全裸男なんてレッテルは貼られたくない。
というわけで、なんとか、ふらふらになりながらも力を振り絞って人目につかない路地裏を見つけて入り込んだ。
はぁっ……はぁっ……
疲れたなんてもんじゃない。
もう、立てないくらい。
足もガクガクと震えてきた。
(あー……、ちょっとダメかも。
休憩しなきゃー。)
パタン……。
もう腰が上がらなくて、ペタンと、地面に座り込んでしまう。
前足も同様に前に伸ばして、顎をその上に乗せる。
身体がふにゃふにゃだぁー。
脱力して伸びきっている。
陽射しの照っているところは暑いくらいだったが、路地裏は陰になっていて、石畳の床が冷たくて気持ちいい。
(ふぅー……)
目も閉じて、休息のために要らぬことは考えない。
今だけは、嫌なことは全部忘れて、思考も止めよう。
頭もボーッとしてきて、寝ちゃいそうだ。
街の喧騒に混じって、微かに聴こえてくる波の音は、奈緒の緊張をほぐしリラックスさせる。
(海かぁ……最近行ってなかったなぁ)
夏休みに総と海で遊んだ記憶がフラッシュバックする。
当時の楽しい気分のまま夢に浸ってると、誰かに頭を撫でられている感覚がした。
懐くようにグルグルと喉を鳴らしてしまう。
(あぁー、きもちぃー……。
もーちょっと、横も。
うぅー、そこそこー。)
「……っ!?」
(はっ!?うっかりしてたっ。
目を覚ませ、自分!)
目の前には何者かの気配。
いつでも逃げれるように、咄嗟に厳戒態勢をとるんだっ!
ーーーそれはザラザラと湿っていてーーー
ガリガリと爪を駆使して自分の身長以上の壁を乗り越えられた。
今更になって思うけど、猫ってジャンプ力凄かったから跳べばよかったのでは……?
まぁ、ひとまずはおいといて。
クロの姿が見えない……。
本当に俺を置いて行ってしまったのか……。
どうしよう。
こんな何処なのかも分からない所でひとり、やっていける自信無いんだけど!?
最後にクロが歩いて行った方角に向かって歩けば追いつけるのかもしれない。
一縷の希望に縋って、行動を起こしてみる。
相変わらず、商店はどこも賑やかだなぁ。
周りを見渡しながらクロを探すが、黒猫の姿はどこにも見当たらない。
だんだんと焦りと不安が大きくなってくる。
少し走ってみたけれど、すぐに身体が疲れてしまう。
あれ、おかしいな……。
確かに、総の家を飛び出してから、ずっと走ったり登り下りをしていた。
だから、疲れていてもおかしい所なんてないんだけど。
なぜか、身体からどんどんと力が抜けて行く。
足を踏み出す一歩がとても重たい。
もしかして、猫の姿から元の人間の姿に戻る兆候なのか……?
や、そうだとしたら、ヤバいっ!!
ここで、元に戻ったら大変な事に。
意識してなかったけれど、今は何も着てない状態。
つまり、元に戻ったら道端で全裸になってしまうっ!!
通報されてしまえば、保護者呼び出し、そして、総の家に逆戻りじゃん!?
折角の苦労が水の泡だし、何より俺がとても大きな恥をさらしてしまう。
全裸男なんてレッテルは貼られたくない。
というわけで、なんとか、ふらふらになりながらも力を振り絞って人目につかない路地裏を見つけて入り込んだ。
はぁっ……はぁっ……
疲れたなんてもんじゃない。
もう、立てないくらい。
足もガクガクと震えてきた。
(あー……、ちょっとダメかも。
休憩しなきゃー。)
パタン……。
もう腰が上がらなくて、ペタンと、地面に座り込んでしまう。
前足も同様に前に伸ばして、顎をその上に乗せる。
身体がふにゃふにゃだぁー。
脱力して伸びきっている。
陽射しの照っているところは暑いくらいだったが、路地裏は陰になっていて、石畳の床が冷たくて気持ちいい。
(ふぅー……)
目も閉じて、休息のために要らぬことは考えない。
今だけは、嫌なことは全部忘れて、思考も止めよう。
頭もボーッとしてきて、寝ちゃいそうだ。
街の喧騒に混じって、微かに聴こえてくる波の音は、奈緒の緊張をほぐしリラックスさせる。
(海かぁ……最近行ってなかったなぁ)
夏休みに総と海で遊んだ記憶がフラッシュバックする。
当時の楽しい気分のまま夢に浸ってると、誰かに頭を撫でられている感覚がした。
懐くようにグルグルと喉を鳴らしてしまう。
(あぁー、きもちぃー……。
もーちょっと、横も。
うぅー、そこそこー。)
「……っ!?」
(はっ!?うっかりしてたっ。
目を覚ませ、自分!)
目の前には何者かの気配。
いつでも逃げれるように、咄嗟に厳戒態勢をとるんだっ!
ーーーそれはザラザラと湿っていてーーー
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