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探求 学者編
ケース1 ある冒険者の場合 その4
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「ようやく『認定』3つ目だあぁぁぁ!」
俺、リックはあのベテラン冒険者達から駄目出しを食らってから3ヵ月。
強面のおっさん冒険者で、冒険者の街の中でも上位の冒険者であるルドルフさんから指導されて、『認定』試験の勉強に集中して、今日、ついに3つの『認定』を受けることが出来たのだ!
「うるさいよリック! ウチで一番遅かったくせに!」
嬉しさで喜んでいる俺にそう言って水を差すのはアカギだった。
「別にいいだろうが! これでようやく正式なリーダーに戻るんだぜ?」
「あんた……。まだそんなことを引きずってたの?」
「『そんなこと』じゃねー! 『大事なこと』だろうが!」
サボが居なくなってからダンジョンに潜れなくなった俺達パーティーは、この街に来た頃に戻ったように外の依頼をこなしつつ『認定』試験を受けていた。
外の依頼なんて冒険者向けじゃないんだよ! 畑に来る害獣退治なんて村人自身でやってればいいような内容じゃないか!
元々村の狩人の仕事をしていたアカギなら特に気にしないんだろうが、俺の目指す冒険者は『害獣退治』なんてみみっちい依頼はしない。男ならダンジョンに潜って一攫千金だ!
「そう言っておきながら――あたしも含めてだけど――、サボからミカに変わっただけで『おんぶにだっこ』の状態は変わらなかったでしょうが?」
「ぐ、ぎぎ」
アカギにそう言われて、それが事実であるだけに俺は反論できなかった。
サボが居なくなり、俺達がダンジョンに潜れなくなってから、わずか2週間足らずでウチのパーティのミカが冒険者ギルドの『認定』3つを受け取ることが出来たのだ。
まあ、サボが居なくなった時点で『認定』の1つは持っていたから、残り2つを受かったというのが正しいのだろう。
俺はその時1つも持っていなかったのだから、ミカはズルをしている状態だったのだ!
だが外の依頼に比べて、ダンジョンに入ることが出来れば稼ぐ額が増えるのもまた事実だったので、俺達パーティはミカを暫定リーダーとして、ここ最近はダンジョンに潜っていたのだ。だが――
「だけど『1回潜ったら1日休み』なんて方針のミカよりも、俺がリーダーなら毎日だって潜るぞ!? その方が早く稼げるだろ?」
「あんたねぇ……。そんなペースで付き合わされるこっちの事も考えなさいよ」
アカギはそう言うが、ダンジョンに潜れば潜るだけ稼げるんだ!
稼ぎが少なくなってしまったため、以前に泊まっていた宿は泊まれなくなり、これまた街に来たばかりの頃のレベルの宿に現在泊っているのだ。
「ただいま~。ってどうしたの?」
俺が熱く今の現状を語っているとミカが戻ってきた。
「おうミカ。俺もとうとう『認定』3つを貰ったんだ。それで――」
「あ、それはちょうど良かった! あのね、みんなに話があるんだけど」
「お、おう」
俺の話に食い気味にミカが自分の話を被せてくる。
最近のミカはこんな感じだ。前はどこかオドオドしてた性格だったんだが……?
「私達も冒険者として、もっと経験を積むべきだと思ったの。だから――」
おお!? ということは俺が言わなくても更にダンジョンに潜るって――
「遺跡の街に行こうと思うの!」
話に――は?
「そうだな、別の街に向かうってのも悪くないか」
「いいね、最近マンネリって感じだったし」
ロウもガイもミカの言葉に賛成する。
「お、おい? 別の街に行ったらダンジョンはどうするんだよ?」
俺がそう言うと、パーティ全員の視線が集まる。
「え? 向こうにもダンジョンはあるよ?」
「……は? 向こうって、その街にあるのはイセキって場所なんだろ?」
俺がそう言うとパーティ全員が苦笑した。何故だ!?
「~~あー、笑った。向こうにあるのは遺跡型ダンジョンでしょ? 私でも分かったよ?」
一人爆笑していたアカギにそう言われる。
イセキガタダンジョン?
「それじゃあ旅の準備をして遺跡の街レダに向かうってことでいい?」
それからあれよあれよと準備が進むと、俺達パーティは冒険者の街を離れて、遺跡の街に向かう乗合馬車に乗っていた。
……あれ? そういえば俺がリーダーに戻る話はどうなった?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
まだまだリック君には登場してもらいますよ~
何せ彼はまだ若いのでw
俺、リックはあのベテラン冒険者達から駄目出しを食らってから3ヵ月。
強面のおっさん冒険者で、冒険者の街の中でも上位の冒険者であるルドルフさんから指導されて、『認定』試験の勉強に集中して、今日、ついに3つの『認定』を受けることが出来たのだ!
「うるさいよリック! ウチで一番遅かったくせに!」
嬉しさで喜んでいる俺にそう言って水を差すのはアカギだった。
「別にいいだろうが! これでようやく正式なリーダーに戻るんだぜ?」
「あんた……。まだそんなことを引きずってたの?」
「『そんなこと』じゃねー! 『大事なこと』だろうが!」
サボが居なくなってからダンジョンに潜れなくなった俺達パーティーは、この街に来た頃に戻ったように外の依頼をこなしつつ『認定』試験を受けていた。
外の依頼なんて冒険者向けじゃないんだよ! 畑に来る害獣退治なんて村人自身でやってればいいような内容じゃないか!
元々村の狩人の仕事をしていたアカギなら特に気にしないんだろうが、俺の目指す冒険者は『害獣退治』なんてみみっちい依頼はしない。男ならダンジョンに潜って一攫千金だ!
「そう言っておきながら――あたしも含めてだけど――、サボからミカに変わっただけで『おんぶにだっこ』の状態は変わらなかったでしょうが?」
「ぐ、ぎぎ」
アカギにそう言われて、それが事実であるだけに俺は反論できなかった。
サボが居なくなり、俺達がダンジョンに潜れなくなってから、わずか2週間足らずでウチのパーティのミカが冒険者ギルドの『認定』3つを受け取ることが出来たのだ。
まあ、サボが居なくなった時点で『認定』の1つは持っていたから、残り2つを受かったというのが正しいのだろう。
俺はその時1つも持っていなかったのだから、ミカはズルをしている状態だったのだ!
だが外の依頼に比べて、ダンジョンに入ることが出来れば稼ぐ額が増えるのもまた事実だったので、俺達パーティはミカを暫定リーダーとして、ここ最近はダンジョンに潜っていたのだ。だが――
「だけど『1回潜ったら1日休み』なんて方針のミカよりも、俺がリーダーなら毎日だって潜るぞ!? その方が早く稼げるだろ?」
「あんたねぇ……。そんなペースで付き合わされるこっちの事も考えなさいよ」
アカギはそう言うが、ダンジョンに潜れば潜るだけ稼げるんだ!
稼ぎが少なくなってしまったため、以前に泊まっていた宿は泊まれなくなり、これまた街に来たばかりの頃のレベルの宿に現在泊っているのだ。
「ただいま~。ってどうしたの?」
俺が熱く今の現状を語っているとミカが戻ってきた。
「おうミカ。俺もとうとう『認定』3つを貰ったんだ。それで――」
「あ、それはちょうど良かった! あのね、みんなに話があるんだけど」
「お、おう」
俺の話に食い気味にミカが自分の話を被せてくる。
最近のミカはこんな感じだ。前はどこかオドオドしてた性格だったんだが……?
「私達も冒険者として、もっと経験を積むべきだと思ったの。だから――」
おお!? ということは俺が言わなくても更にダンジョンに潜るって――
「遺跡の街に行こうと思うの!」
話に――は?
「そうだな、別の街に向かうってのも悪くないか」
「いいね、最近マンネリって感じだったし」
ロウもガイもミカの言葉に賛成する。
「お、おい? 別の街に行ったらダンジョンはどうするんだよ?」
俺がそう言うと、パーティ全員の視線が集まる。
「え? 向こうにもダンジョンはあるよ?」
「……は? 向こうって、その街にあるのはイセキって場所なんだろ?」
俺がそう言うとパーティ全員が苦笑した。何故だ!?
「~~あー、笑った。向こうにあるのは遺跡型ダンジョンでしょ? 私でも分かったよ?」
一人爆笑していたアカギにそう言われる。
イセキガタダンジョン?
「それじゃあ旅の準備をして遺跡の街レダに向かうってことでいい?」
それからあれよあれよと準備が進むと、俺達パーティは冒険者の街を離れて、遺跡の街に向かう乗合馬車に乗っていた。
……あれ? そういえば俺がリーダーに戻る話はどうなった?
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まだまだリック君には登場してもらいますよ~
何せ彼はまだ若いのでw
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