完璧過ぎってどういうこと?

turarin

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マリーのやり直し3

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その日からマリーも、アルバートも変わった。

実はピーターも変わった。言うまでもなく、恋煩いである。元々、容姿端麗で、文武両道、成績も優秀なマリーは気になっていたのだが、あの涙にやられてしまったのだ。残念なことに、2人とも公爵家の嫡男、嫡女。ピーターの恋心は胸の奥深くに秘められた。

マリーは伯爵家の執務室で疲れ果てて死ぬ自分を思った。あれは無いと。子どもの頃からずっと努力してきて、挙句、婚約者と妹、母に裏切られ、心労で父は亡くなり、結婚した夫はクズだった。何から変えようか…

まず、公爵家の執務室で、不幸な人生を振り返りながら、死ぬのはお断り。
父には、父だけには愛された人生だった。だから、勇気を持って、自分の思っていることを伝えることにした。ある夜、父の執務室を、訪ねた。

「お父様、お話ししたいことがあるんです。」

「マリーか、珍しいな、こんな時間に。
どうしたんだ?」

「お父様、私、公爵家を継ぎたくありません。結婚もしたくないし、文官にでもなって、自由に生きたいんです。 
養子を取るか、アリサに婿を迎えて公爵家を継がせてください。」

ヘンリーは長い沈黙の後、漸く口を開いた。

「本気でそう思っているのか?」

「ずっと、公爵家を継ぐためにがんばってきました。 でも、もう苦しいんです。」

「愛する人と結婚したいし、家族とも仲良く過ごしたい。」

やっとのことでそう言うと、前回の人生が思い浮かんで、涙があふれた…これからアルバートと妹は私を裏切る。それに協力する母…愛されていなかった自分…
家族のせいで苦しんで早逝する父、夫の愛人…
………絶対に嫌だ!!!

気がついたら、号泣していたらしい。父に抱きかかえられて、大声で泣いていた。あの時以来、涙のタガが外れている。
父の胸が温かくて、背中をさする父の手が嬉しくて、ますます涙は止まらなかった。
何年ぶりに父に抱きしめられたのだろう。

そして、父は言ったのだ。
「辛かったんだな。悪かった。」

マリーは、ずっと言いたくて言えなかったことを、心を込めて言った。
「お父様、大好き。」

またまた涙が出た。だって、前は言えなかったから。ごめんなさい。お父様。私のせいで苦しませて。

それは、声には出せなかった。 

「ありがとう。マリー、でも、当たり前だ。私だって、お前が大好きだからな。」

ああ、最高だ。やり直しの人生。

ものすごく根拠は薄かったのに、我慢できなくて思いっ切り泣いちゃったら、聞いてくれたお父様。本当に大好き。

こんどは嬉しくて、なかなか涙が止められないマリーである。

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