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第二章
騎士団小隊長ヨウカの剣 第二章
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女性を医者へと預けた後、ヨウカは騎士団長に報告する。
「申し訳ありません」
首を垂れるヨウカ。
「いや、仕方ないさ。しかし、これ程の大規模の捜査にも関わらず、犯人はどうやって……」
それ聞き、表情を曇らせる。
「あ、違うぞ、ヨウカ。お前のせいではない。何でもかんでも自分で抱え込むな」
「はい……」
結局、何も取っ掛かりも得られないまま、自身の宿舎へと帰ることになった。
宿舎の目前にして、入り口付近で壁を背に立っている男が一人。ユートだ。
「ユート……」
小さく呟くが、次の言葉が出てこなかった。
仕方なしに、ユートの横を通り過ぎようとした時。
「いつまでそんな顔してんじゃねぇ」
振り返り、ユートを見る。
「お前、色々と抱え込み過ぎだ」
「それ、騎士団長にも言われた」
苦笑するヨウカ。
「だったら自覚しろ」
ユートは壁に預けていた身体を起こし、ヨウカの前へと近づいて来る。
「確かに、事件を解決できないのは俺だって悔しい。でも、そんな顔してても仕方ねぇだろ」
それを聞いて、再びうつむく。
「俺だってできれば今すぐにでも事件を解決したい。でも、それが無理だってんなら、今できることをやるしかないだろ」
「今……できること……」
「そうだ。事件の捜査だけが騎士ってわけじゃねぇだろ」
ヨウカは考えた。
自分が騎士になったきっかけの出来事を。
「ふふっ」
先程の固い表情が嘘のように、柔らかい笑みを見せる。
「そうね。こんなの私らしくないよね!」
「ああ、全く似合わないね。この国が滅ぶかと思ったぜ」
「何よ、それ! 私が大人しくしてるのが、そんなにおかしいわけ?」
「ああ、おかしい。めちゃくちゃな」
ヨウカのことをからかうユートだったが、その空気は柔らかいものとなっていた。
「ありがと。今日はよく眠れそうだわ」
「ああ。感謝しやがれ」
ふふっ、と笑って、宿舎へと入って行った。
「申し訳ありません」
首を垂れるヨウカ。
「いや、仕方ないさ。しかし、これ程の大規模の捜査にも関わらず、犯人はどうやって……」
それ聞き、表情を曇らせる。
「あ、違うぞ、ヨウカ。お前のせいではない。何でもかんでも自分で抱え込むな」
「はい……」
結局、何も取っ掛かりも得られないまま、自身の宿舎へと帰ることになった。
宿舎の目前にして、入り口付近で壁を背に立っている男が一人。ユートだ。
「ユート……」
小さく呟くが、次の言葉が出てこなかった。
仕方なしに、ユートの横を通り過ぎようとした時。
「いつまでそんな顔してんじゃねぇ」
振り返り、ユートを見る。
「お前、色々と抱え込み過ぎだ」
「それ、騎士団長にも言われた」
苦笑するヨウカ。
「だったら自覚しろ」
ユートは壁に預けていた身体を起こし、ヨウカの前へと近づいて来る。
「確かに、事件を解決できないのは俺だって悔しい。でも、そんな顔してても仕方ねぇだろ」
それを聞いて、再びうつむく。
「俺だってできれば今すぐにでも事件を解決したい。でも、それが無理だってんなら、今できることをやるしかないだろ」
「今……できること……」
「そうだ。事件の捜査だけが騎士ってわけじゃねぇだろ」
ヨウカは考えた。
自分が騎士になったきっかけの出来事を。
「ふふっ」
先程の固い表情が嘘のように、柔らかい笑みを見せる。
「そうね。こんなの私らしくないよね!」
「ああ、全く似合わないね。この国が滅ぶかと思ったぜ」
「何よ、それ! 私が大人しくしてるのが、そんなにおかしいわけ?」
「ああ、おかしい。めちゃくちゃな」
ヨウカのことをからかうユートだったが、その空気は柔らかいものとなっていた。
「ありがと。今日はよく眠れそうだわ」
「ああ。感謝しやがれ」
ふふっ、と笑って、宿舎へと入って行った。
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