王を恨んだ妃 第1章~復讐~

木継 槐

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邪悪な世と不審な王室

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あさげが届く声で俺はふと我に返った。
ヨンもその声にびくりと体を強ばらせた。

燕は武術に長けていても、根は女だ。どんなに男のなりをしても、死が目の前にあると言ったら緊張もするのだろう。

俺は平然とした声であさげの声に応えた。
すると、昨日までがっちりと閉じられていた扉はすんなりと外から開けられた。

俺はこれが最後の食事となるのかと息を吐いた。

「何を情けのない面構えをしている。」
「……ッ!?」

頭上から聞こえてきた図々しそうな聞き覚えのある声に、俺は顔を上げた。

そこには、ファンが俺のあさげを持って立っていた。

「……煌様……ッ、なぜこちらに……。」
後ろを見ると扉は既に閉ざされる瞬間だった。

「そなたがやけに早く果てたゆえ、「ッ!?」俺がわざわざ持ってきてやった迄だ。」

果てたッ!?……いや、まずやった覚えもない。
そしてあまりに大きな声に俺は口をあんぐりと開けるしかなかった。

「どうした。これが聞こえればお前の昨日の行いはすべてなかったことになろう。」

こいつは声量を落とすと...俺の失態をあざ笑うがごとく口角を上げた。
「……御慈悲でも与えていただいたつもりですか?白々しい……。」

謝那シャイナ様……ッ」
俺の悪態に謝那はこれ以上は危険と思ったのか俺の福の裾を引っ張り首を横に降った。

「ほう……側付きは、状況がよくわかるようだな。」
「状況ですと?所詮死ぬ運命となった私にこれ以上、何を理解しろと言うのですか?」

「なんだ……理解はしていたのか。雄猿ではなく人間なのだな。」
「なッ……。」

俺が声に詰まると、煌は鼻で一笑いするとあさげを俺の前に置いた。

「食え。」
「……死ぬ者に食わせても勿体ないと思いませんか。」

「お前が死ぬか生きるかは俺が決めることだ。お前ごときに権限などやってない。」
「ッ……。」

ぐううううぅぅ...

つい腹に力が入ると、腹の虫が勢い良く部屋中にこだました。

「フッ、腹が減ってはこれからに耐えられんだろう。今のうちに食らっておけ。」

「……。」
「餌付けされたいか?」

煌は俺の前から匙をとって飯をすくい始めた。

「ッけ、結構です。」

慌てて遮ると、すくった飯を俺の口にぐいっと突っ込むと、さぞ満足そうに俺の部屋から出ていった。

「……謝那様だけでもお食べになってください。」
燕は俺の体が心配なのか、飯の上に菜ものを必死に乗っけてくれた。

「……すまぬ、燕…。……すまぬ……妹よ……。」
「……謝那様……。」

自ずと涙が滴り落ちて、飯を湿らせた。


掻き込むように済ませた飯のあと、王の死が部屋にも届いた。

俺と燕は平然とした顔で王の部屋に向かった。
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