悪役令嬢に転生したけど死亡エンド不可避?絶対に生き抜いてやる!

星華

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第一章幼少期編

これからのことを考えます。

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お母様の肖像画を見て、全てを思い出した元アラフォー未亡人で、現悪役令嬢のレティシアは自室でこれからの事を考えていた。

ーーローランドルートが消えた今
出来る事と言えば攻略対象達と出会わない事か、今のうちに誰かを攻略するか?
でもヒロインが誰を選ぶのかが解らない……

この世界にハーレムエンドは無い、必ず誰か1人を選ばなければクリア出来ない。

ーー学園に入学しないという選択は出来ない……学園には、貴族ならば必ず入学
しなければならないと法律で決まっている。
ヒロインが入学してくるのは
16歳、今は8歳まだ時間はある
でも何か忘れている様な……

考えあぐねていると、コンコンと
扉がノックされセバスチャンが入って来た。

「お嬢様、ジェイド殿下とフリードリヒ様
アスラン様が明日、お見舞いに参られたいと
ご連絡がありましたが如何致しましょう?」

「ジェイド殿下にフリードリヒ様…
アスラン様…?…っ!!」

ーー思い出した!なんでこんなに大事な
事を忘れていたなんて!!

レティシアが寝込むキッカケとなった事件。
それは、攻略対象である三人と屋敷の外れに
ある森で遊んでいた時に、ジェイドの命を
狙う暗殺者達に襲われ4人共捕まり
最初にジェイドが殺されそうになった瞬間に
レティシアの魔力が突然、目覚めて暗殺者達に稲妻が落ち全員が戦意喪失した。

騒ぎに気付いた、レティシアの父達がすぐに
助けに来て暗殺者達は捕まったが、突然目覚めた魔力に身体がついていけなかった。
レティシアは倒れ、一時は廃人の様になり
普通の生活が出来る様になるまでに数年かかった。

その姿を見た、攻略対象である三人は
一番弱い立場のレティシアに救われ何も出来なかった自分に苛立ち強くなろうと決心した。そして同時にこの事が、トラウマとなりレティシアに対して負い目を感じ、三人とも腫れ物に触る様な扱いになり幼馴染とは名ばかりというギクシャクした関係になってしまった。

レティシアは、なんとか以前のような関係に
戻りたいと健気に努力をするが
関係は改善する事無く悲しい結末を迎える。

ーー辛い辛い辛い!レティシア不憫な子!!
命懸けで助けたのに何も報われない!!
何?製作者に嫌われてたの?
とにかく!廃人ルートを免れた今は
絶好のチャンス!

「セバスチャン!わたくしは大丈夫ですわ
元気な姿をお見せして、安心して頂きたいのでぜひ御三方をお招きして下さい!」

「かしこまりました……お嬢様。
くれぐれもご無理だけはなさいません様に」

「えぇ、ありがとうセバスチャン」

セバスチャンは無駄の無い美しい所作で
一礼して部屋を出て行った。
その夜、レティシアが目覚めたと聞き
父と寄宿学校に通う兄が急いで帰って来た。

《レティ!!》

いつもは紳士らしく優しく穏やかな2人が
バタバタと走り、レティシアの部屋の扉を
バンっと開け放ち急いで駆け寄り、2人はレティシアを抱きしめた。

「お…お父様…お兄様…ご心配をおかけして
申し訳ありません…あの…ちょっと苦しい
で…す」

「レティシア…レティシア!私の可愛い娘
お前まで失ってしまうかと…あぁ…」

「レティ…身体は大丈夫か?本当に良かった…」

前世を思い出したと同時に、今のレティシアの記憶も蘇った。

父のルカスはこの国の敏腕宰相で、短く艶やかに整えられたプラチナブロンドに切れ長の青い瞳の端正な顔立ちを持つ、蕩ける様なバリトンボイスの持ち主。
ご婦人方に絶大な人気を誇り
後妻に収まろうと、猛烈なアプローチを
かける令嬢が後を絶たない。

兄のアレクセイは、父がそのまま子供になり
柔和さを加えた様な美しい容姿で
寄宿学校では、アイドル的な人気を集めて
生徒会長を務めている。

「全く、無事だったから良かった物を
あの馬鹿王子達のせいでレティに何かあれば
私が自ら手を下してやる」

「えぇ、あの馬鹿息子達が二度とレティに
近づかない様に何処かに留学させますか?
そしてそのまま……」

「おぉ、良い考えだな。早速、明日……」

何やら不穏な空気になり、ハッと思い出した
天使の様に美しい容姿の父と兄は
その下に王家も恐れぬ悪魔を飼っている
のだった。

「お……お待ち下さい。お父様、お兄様。
わたくしはこの通り無事です!
元はと言えば、わたくしも悪いのです。
だから殿下達には何もしないで下さいませ」

必死の形相で頼みこむと、何とか
怒りを納めて優しい2人に戻ってくれた。
明日の三人の訪問も難色を示されたが、なんとか許して貰えた。
氷の様な微笑みで反対されて、死ぬ程
恐ろしかったが本当に死んでしまうよりかは
良い、いのちだいじ。

「とにかく、レティは一時はとても危険な
状態だったのだから暫くは療養する事
解ったねレティ?」

「はい……お父様」

怒涛の一日が過ぎてベッドに入る。
母親に生き写しのレティシアは、大恋愛の末に結ばれた父にとって、目の中に入れても痛くない程に溺愛している。
兄もまた、母を知らない妹を不憫に思ってか
物凄く過保護である。
前世では天涯孤独の身の上だったから
多少過保護であっても、愛されていると
実感でき、幸せを感じていた。

ーーあれ待てよ?
あの父にしてあの兄だ。
もしかしてレティシアと攻略対象が
ギクシャクしたのって、父と兄のせいも
あったんじゃ……
だめだ、考え無い様にしよう。
レティシアはまだ8歳。これからなんとか
三人との信頼関係を作れるはず。
そして、明日は元気な姿を見せて、トラウマを回避しなくては!
頑張らなくちゃ、はぁ、はぁ。
あれ?なんだか身体が、だるい……
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