マジメ御曹司を腐の沼に引き摺り込んだつもりが恋に堕ちていました

田沢みん

文字の大きさ
47 / 56

46、天女の堕落 side透 (1) *

しおりを挟む

 結納の席に現れた彼女は息を呑むほどの美しさで、その場にいた全員が「ほおっ……」と見惚れていた。
 座卓を挟んだこの距離がもどかしい。

ーー俺のなのに、どうして触れられないんだ。

 抱きたい……と思った。

 あの貞淑そうに見せている赤い鎧を剥ぎ取って、淫乱でいやらしい素顔を暴きたい。
 声が嗄れるまで啼かせて、「もっと」と強請ねだる様を見たい。

 乱れるヨーコを想像しただけで、ズクンと下半身が痛くなった。
 アメリカに帰るまで我慢するなんて、絶対に無理だ。
 結納が終わったら絶対に抱く……そう決めた。


『俺たちでお祖母さんを送って来るよ』

 タクシーを呼んだから付き添う必要なんて無かったけれど、それを口実にヨーコを連れ出した。
 だってあのまま残っていたら、いつまで経っても2人きりにはなれそうにない。

『あら、だったら振袖から着替えて行けば?』
『いや、せっかく綺麗だから、このままで』

ーー余計な事を言ってくれるなよ。このままがいいに決まってるだろ!俺が脱がせたいんだよ!

 すぐにヨーコが使っている客間に入り、壁に掛けてあったワンピースと箱に入ったままの新品のヒールを紙袋に入れて持ち出した。
 指輪を買いに行った時についでに買って来たやつだ。
 次に2階の自分の部屋に行って、避妊具の箱も紙袋に放り込む。
 これで準備はオッケー。

 ヨーコのお祖母さんを家まで送り届けたら、漸く2人の時間が始まった。

 ホテルに入り、着物ごと彼女を抱きしめたら、後はもう止まらなかった。

 だって仕方ないだろう?
 着物の合わせから手を突っ込むのも、前をはだけさせて淫らな格好をさせるのも、帯を解くのも、男のロマンなんだ。
 興奮するに決まってる。


 帯の解き方は知っていた。
 昔から母親が着物を着るときに、「ここを押さえていろ」だの「そっち側を持っていろ」だの言って手伝わされていたから。
 あの時は面倒だと思っていたけれど、今となっては覚えておいて良かったと思う。
 何事も経験だ。

 散々イかせて乱した後で帯を解き、開いた着物の上に彼女を横たえたら……あまりにも淫らで、なのにひどく神聖で、目を離すことが出来なかった。

ーー綺麗だ……。


 赤い着物に桜色の襦袢。大きく広がった布地の上で、陶器のように白い肌を惜し気もなく曝け出し、蕩けるような表情で、無防備に身体を開いている。

 まさしく空から降って来た天女……。

 これが自分のものなのだと思うと、ブルッと身震いがした。

 だけど天女は羽衣だけを残して天に舞い戻って行くのだと相場が決まっている。

ーーそんな事させるか!

 彼女は俺のものだ。身も心も何処にもやらない。 逃さない。

 他の男にも、他のどの世界にも、彼女を奪われて堪るものか!


 その美しい姿から一瞬たりとも視線を逸らさず、膝立ちでカチャカチャとベルトを外す。指先が震えた。
 ブルンと飛び出した漲りは、既に限界ギリギリまで膨張し、硬くなっている。先走りの量も半端ない。

 当然だ。1週間……1週間も彼女を抱いていない。
 同じ屋根の下にいながら、その豊満な胸の柔らかさを堪能することも、甘くて官能的な蜜を味わう事も出来なかったんだ。

 だから……。

『ナマでするよ。そのままのヨーコを感じさせて』


ーー俺の天女を地上に引き留める!

 ズンッ!

「キャーーーッ!……ああっ…」

 躊躇なく一気に奥まで突き刺すと、ヨーコが喜びと苦痛の声を上げた。

 これは天女を地上に引き留めておくためのくさびだ。

 まだだ……もっと、もっと奥まで、もっと深く……!

ーーヨーコをナマで感じたい……孕ませたい!

 激しく強く、何度も彼女を貫いた。
しおりを挟む
感想 166

あなたにおすすめの小説

清貧秘書はガラスの靴をぶん投げる

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「お前、頬を叩いた詫びに婚約者になれ」 上司で社長の彪夏と秘書の清子はお似合いのふたりだと社内でも評判。 御曹司でイケメンの彪夏は女子の憧れの的。 清子はどこぞのご令嬢と噂され、男女問わず視線を集めていた。 ……しかし。 清子には誰もが知らない、秘密があったのです――。 それは。 大家族のド貧乏! 上は高校生、下は生まれたばかりの五人弟妹。 おっとりして頼りにならない義母。 そして父は常に行方不明。 そんな家族を支えるべく、奮闘している清子ですが。 とうとう、彪夏に貧乏がバレたまではよかったけれど。 子持ちと間違われてついひっぱたいてしまい、償いに婚約者のフリをする羽目に。 しかも貧乏バラすと言われたら断れない。 どうなる、清子!? 河守清子 かわもりさやこ 25歳 LCCチェリーエアライン 社長付秘書 清楚なお嬢様風な見た目 会社でもそんな感じで振る舞っている 努力家で頑張り屋 自分がしっかりしないといけないと常に気を張っている 甘えベタ × 御子神彪夏 みこがみひゅうが 33歳 LCCチェリーエアライン 社長 日本二大航空会社桜花航空社長の息子 軽くパーマをかけた掻き上げビジネスショート 黒メタルツーポイント眼鏡 細身のイケメン 物腰が柔らかく好青年 実際は俺様 気に入った人間はとにかくかまい倒す 清子はいつまで、貧乏を隠し通せるのか!? ※河守家※ 父 祥平 放浪の画家。ほぼ家にいない 母 真由 のんびり屋 長男 健太(高一・16歳)服作りが趣味 次男 巧(高一・15歳)弁護士になるのが目標 三男 真(小五・10歳)サッカー少年 四男 望(保育園年中・5歳)飛行機大好き 次女 美妃(保育園児・五ヶ月)未知数

ハメられ婚〜最低な元彼とでき婚しますか?〜

鳴宮鶉子
恋愛
久しぶりに会った元彼のアイツと一夜の過ちで赤ちゃんができてしまった。どうしよう……。

苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 当たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏  24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 恋愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』 ***** 表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

【完結】エリート産業医はウブな彼女を溺愛する。

花澤凛
恋愛
第17回 恋愛小説大賞 奨励賞受賞 皆さまのおかげで賞をいただくことになりました。 ありがとうございます。 今好きな人がいます。 相手は殿上人の千秋柾哉先生。 仕事上の関係で気まずくなるぐらいなら眺めているままでよかった。 それなのに千秋先生からまさかの告白…?! 「俺と付き合ってくれませんか」    どうしよう。うそ。え?本当に? 「結構はじめから可愛いなあって思ってた」 「なんとか自分のものにできないかなって」 「果穂。名前で呼んで」 「今日から俺のもの、ね?」 福原果穂26歳:OL:人事労務部 × 千秋柾哉33歳:産業医(名門外科医家系御曹司出身)

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

溺愛社長の欲求からは逃れられない

鳴宮鶉子
恋愛
溺愛社長の欲求からは逃れられない

処理中です...