六花台本置き場

ハルジオン

「ブリキのじょうろで上から水を流して
虹をつくってみたの。」

と私は背の高い白い花のような君へ
自慢をしてみた。でも君は朧(おぼろ)
みたいに儚い存在で記憶が掠れていく。

そんなことを覚えててくれるだろうか。
でも私はあなたがいる限り伝え続けるね。

だって、私は生きている意味を忘れそうな時や自分の価値を忘れそうな時に傍にいてくれるんだもの。綺麗な白い花のようなあなた、
風に揺られるハルジオンのようなあなたに
何回忘れても何回でも、私はあなたに
何気ないことでもなんでも伝えるね。

今日も消えそうで、でもしっかり立っている君へ。消えそうで、でも優しい顔の君へ。
私は虹を作った話をまたするね。

またゆらゆらと白い花のように聞いていてね。明日は何を話そうかな。