黄金郷の白昼夢

文月 沙織

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禁じられた夜 五

 淫らに濡れて光るアベルの太腿を見るドミンゴの目は、増加する欲望に煮えたぎっているようだ。浅ましい、と内心でオルティスは吐き捨てたが、自分の目もアベルの太腿に向かっていることに気づかない。
「いや、拭くのは俺がする。ドミンゴ、おまえは御主人をしっかりおさえていろ」
 バルトラ公爵は下僕の仕事をこのんで、喜々として手拭を取った。
「は……」
 公爵の命を拒絶することなでできるわけもなく、ドミンゴは言われるままにアベルの背に向かう。
「い、いやだ、来るな! 下種! さわるな!」
 疲れ切っていた身体のどこにこれほどの力がのこっていたのかとオルティスがふしぎに思うほどに、アベルは最後まで諦めようとしない。背後から腕をまわされ、おさえこまれても、まるで聞き分けない幼児のようにもがきぬく。
 その姿はひどくいじらしくて、またオルティスの胸を痛くさせるのだ。
「こら、暴れるな。ほら、紐をほどいてやるぞ。……ああ、可哀想に赤くなっているな」
「うう……」
 白い肌に黒光りする革の紐は、蝋燭の薄明かりに照らされて、ひどく淫靡な雰囲気を放っている。オルティスは身体が熱くなってきたのを自覚した。
「よしよし、じっとしていろよ」
「ああ!」
 ドミンゴに背後をとられているアベルは、今度はバルトラ公爵と向かいあうかたちになっている。
 膝を割られ、太腿をひろげさせられているので、覆うものがなくなった下半身は剝きだしだ。オルティスは目を伏せねばと思いつつ、やはりうかがうように、晒された禁忌の場所をのぞかずにいられない。
 革紐をくくりつけられている股間の中心――。
 初々しい茎も、黄金の繊毛もまる見えだ。
 アベルの若さの象徴がこの異様な狼藉にふるえていた。
 薄闇のなか、白い身体の中心であるそこだけが、小さな炎が燃えているように浮きだって見える。
 器用な手つきで、公爵が紐をほどいていく。
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