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訪問者 八
つい先ほどは幼げで天真爛漫にもおもえた少女のような女性が、絹紐を手にした途端に、百歳を経た魔女のように見える。
「ああ、この白い肌には、さぞ赤い縄が映えるだろうね」
「は、はなせ!」
アベルの声はふるえていた。
公爵やドミンゴのような常軌を越した男たちのいたぶりにさんざん責められた身ではあるが、バルバラという女からは、また異様な妖気のようなものが立ちのぼってきて、アベルを怯えさせるのだろう。
アベルのみならず、オルティスも思わず身じろいでいた。
「じっとしていろよ」
ほぼ半裸の伯爵に命令するこの女はいったい何者なのだろう。
「はなせ! さ、さわるな!」
腕をとられたアベルは頬を赤くして怒りをあらわにした。
ここ数日、公爵やドミンゴにひどい目にあわされつづけ、もはや屈辱や怒りを感じる心も麻痺して魂がこわれかけたのではないかと、オルティスが危ぶむほどに朦朧としていたのが嘘のようで、持ちまえの気骨をとりもどし、必死に抗戦するアベルは、いっそ頼もしく思えた。
「私にさわるな!」
いかにバルバラが男性的にふるまってはみせても、女の腕ではアベルを抑えきれない。疲弊しているとはいえ、アベルは帝国に名を知られた騎士であり、武芸一般に秀でた一流の戦士でもあるのだ。
「こら、暴れるな」
割って入った公爵は、アベルの腕をとらえ、後ろ手にして抵抗を封じた。
「やれやれ、とんだじゃじゃ馬さんだね」
苦笑するバルバラの様子は、本当に男のようだ。
「おまえといい勝負だな、バルバラ」
「はなせ! さわるな、下種……、下郎!」
「ふふふふふ。さぁ、おいたの罰だよ、じゃじゃ馬さん。覚悟はいいかい? おまえの白い美しい身体に、縄の衣をまとわせてやるよ」
「よ、よせ!」
アベルは哀れにも背後に立つ公爵に両手をねじあげられ、なす術もない。
「これは、邪魔だね」
かろうじてアベルの身体にまとわりついていた下衣を、無造作にバルバラが剥ぎ取る。
「うっ……」
一瞬、オルティスは息を飲んでいた。
もう幾たびとなく全裸に剝かれ、裸以上に恥ずかしい格好を強いられたというのに、アベルは羞恥の情感というものを決してうしなわない。
「ああ、この白い肌には、さぞ赤い縄が映えるだろうね」
「は、はなせ!」
アベルの声はふるえていた。
公爵やドミンゴのような常軌を越した男たちのいたぶりにさんざん責められた身ではあるが、バルバラという女からは、また異様な妖気のようなものが立ちのぼってきて、アベルを怯えさせるのだろう。
アベルのみならず、オルティスも思わず身じろいでいた。
「じっとしていろよ」
ほぼ半裸の伯爵に命令するこの女はいったい何者なのだろう。
「はなせ! さ、さわるな!」
腕をとられたアベルは頬を赤くして怒りをあらわにした。
ここ数日、公爵やドミンゴにひどい目にあわされつづけ、もはや屈辱や怒りを感じる心も麻痺して魂がこわれかけたのではないかと、オルティスが危ぶむほどに朦朧としていたのが嘘のようで、持ちまえの気骨をとりもどし、必死に抗戦するアベルは、いっそ頼もしく思えた。
「私にさわるな!」
いかにバルバラが男性的にふるまってはみせても、女の腕ではアベルを抑えきれない。疲弊しているとはいえ、アベルは帝国に名を知られた騎士であり、武芸一般に秀でた一流の戦士でもあるのだ。
「こら、暴れるな」
割って入った公爵は、アベルの腕をとらえ、後ろ手にして抵抗を封じた。
「やれやれ、とんだじゃじゃ馬さんだね」
苦笑するバルバラの様子は、本当に男のようだ。
「おまえといい勝負だな、バルバラ」
「はなせ! さわるな、下種……、下郎!」
「ふふふふふ。さぁ、おいたの罰だよ、じゃじゃ馬さん。覚悟はいいかい? おまえの白い美しい身体に、縄の衣をまとわせてやるよ」
「よ、よせ!」
アベルは哀れにも背後に立つ公爵に両手をねじあげられ、なす術もない。
「これは、邪魔だね」
かろうじてアベルの身体にまとわりついていた下衣を、無造作にバルバラが剥ぎ取る。
「うっ……」
一瞬、オルティスは息を飲んでいた。
もう幾たびとなく全裸に剝かれ、裸以上に恥ずかしい格好を強いられたというのに、アベルは羞恥の情感というものを決してうしなわない。
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