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異形の娼婦 十一
公爵の目は、あらたに苛める相手を見つけた悪童を思わせる。
オルティスは、胸の内から込み上げてくる苦いものをおさえこむような気持ちで、必死に平静をよそおい、低くつぶやいた。
「公爵、おゆるしください」
きっと自分は卑屈な顔をしているのだろうと思いつつ、どうにか笑みを浮かべた。
情けないとは思うが、オルティスは貴族ではない。誇りや自尊心のために死ぬことも、将来を失うこともできない。
「へぇ? おまえ、オルティスというのかい?」
バルバラの若草色の瞳が、オルティスに向かってくる。揶揄のなかにも、本当に驚いたような響きがあった。
興味深そうにバルバラの瞳が光る。
オルティスはバルバラという異形の娼婦の関心が、自分に寄せられていることに恐懼した。
「オルティス、おまえの洗礼名は?」
問われて、内心はらはらした。地味な自分に、なぜこんな女が興味を持つのか不思議だ。
「は、あの……ナシオと申します」
娼婦とはいえ、公爵の愛人である。オルティスは精一杯、慇懃にこたえた。
「へぇ……、ナシオ=オルティスかい」
バルバラは値踏みするような目でオルティスを凝視してくる。居心地の悪さについ目を逸らした。
「おや、バルバラは今度はオルティスに興味があるのか?」
なぶるような公爵の言葉にオルティスは心底ぞっとした。
「くくくくく。まあね。だが、今は、俺やっぱり伯爵と遊んでみたいな。まずは俺の自由にさせてくれよ」
「ああ、いいとも。好きなように遊ぶがいい」
全身を白蠟のように白く脆くこわばらせて、アベルは不自由な身体で佇立したままだ。
「さぁ、おいで、お姫様。今夜はたっぷり可愛がってやるよ」
男女、身分ともに逆転した言葉をはき、バルバラはアベルの白い胸に手をのばす。
「さ、さわるな!」
アベルは慌てて後退るが、すぐにバルバラの両手に身体をとらえられてしまう。
「う……」
おもしろそうに、白い薄い胸に触れ、その感触を楽しむようにバルバラは目を細めた。
オルティスは、胸の内から込み上げてくる苦いものをおさえこむような気持ちで、必死に平静をよそおい、低くつぶやいた。
「公爵、おゆるしください」
きっと自分は卑屈な顔をしているのだろうと思いつつ、どうにか笑みを浮かべた。
情けないとは思うが、オルティスは貴族ではない。誇りや自尊心のために死ぬことも、将来を失うこともできない。
「へぇ? おまえ、オルティスというのかい?」
バルバラの若草色の瞳が、オルティスに向かってくる。揶揄のなかにも、本当に驚いたような響きがあった。
興味深そうにバルバラの瞳が光る。
オルティスはバルバラという異形の娼婦の関心が、自分に寄せられていることに恐懼した。
「オルティス、おまえの洗礼名は?」
問われて、内心はらはらした。地味な自分に、なぜこんな女が興味を持つのか不思議だ。
「は、あの……ナシオと申します」
娼婦とはいえ、公爵の愛人である。オルティスは精一杯、慇懃にこたえた。
「へぇ……、ナシオ=オルティスかい」
バルバラは値踏みするような目でオルティスを凝視してくる。居心地の悪さについ目を逸らした。
「おや、バルバラは今度はオルティスに興味があるのか?」
なぶるような公爵の言葉にオルティスは心底ぞっとした。
「くくくくく。まあね。だが、今は、俺やっぱり伯爵と遊んでみたいな。まずは俺の自由にさせてくれよ」
「ああ、いいとも。好きなように遊ぶがいい」
全身を白蠟のように白く脆くこわばらせて、アベルは不自由な身体で佇立したままだ。
「さぁ、おいで、お姫様。今夜はたっぷり可愛がってやるよ」
男女、身分ともに逆転した言葉をはき、バルバラはアベルの白い胸に手をのばす。
「さ、さわるな!」
アベルは慌てて後退るが、すぐにバルバラの両手に身体をとらえられてしまう。
「う……」
おもしろそうに、白い薄い胸に触れ、その感触を楽しむようにバルバラは目を細めた。
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