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魔窟の夜 十
「くくくく、どうだい、お美しい伯爵様? どんなにお上品ぶったって、しょせん男は、ほら、ここを、こうすると……」
「あっ、ああっ、や、やめろ!」
舌でなぶりあげ、時折、細い指で突く。
バルバラの紅色の唇が開くたびに、そこに紅蓮の小さな地獄がほのかに見えるようだ。
女の口という地獄に、アベルの中心が呑みこまれていく。アベルの魂そのものが、地獄に呑みこまれていくようだ。
オルティスは、世にも恐ろしく、世にも美しいものを見ているようで、複雑な心情に息がつまりそうになった。
「どうだい? 伯爵様、そろそろ降参かい?」
「うう……は、はなせ、下種!」
「ははははは。下種の口や舌はどんなものだい? 気取りかえった貴婦人たちは、絶対こんなことはしてくれないぜ?」
帝国では、夫婦であっても、そういった行為は禁忌とされている。
「侯爵未亡人はしてくれたがな」
おもしろそうに見物していた公爵が口をはさむのを、小憎らしげにバルバラが睨みつける。
「ふん、あんな女のちゃちな技など、娼館できたえぬかれたこのバルバラにかかったら、児戯にひとしいね。ほうら、そうだろう、伯爵様?」
「はあああっ!」
アベルの白い肉体が跳ねたのは、バルバラが右手の指をアベルの後ろ園に伸ばしたせいだ。
「ああっ、あうっ……!」
アベルは後ろ手で縛られた身体のままでのけぞった。
縄によって割られた白い肉が、ぶるぶるとふるえているのが、ひどく生々しく、いやらしく、それでいて匂うように美しいから始末がわるい。オルティスの胸はきしんで痛みをうったえてくる。
人差し指を、やや強引にアベルの後ろにねじこませ、バルバラはにんまりと笑う。
「そんなに感じるのかい、アルベニス伯爵?」
「うう……」
アベルが黄金の髪を振りみだし、苦悶に顔をゆがめても、バルバラは容赦しない。
この女は六歳で、彼女にとっての異教徒の狂信者の男根を口に入れられたときに、慈悲や寛容の心というものを永遠にうしなったのだろう。いや、両親が死んだときだったかもしれない。
「あっ、ああっ、や、やめろ!」
舌でなぶりあげ、時折、細い指で突く。
バルバラの紅色の唇が開くたびに、そこに紅蓮の小さな地獄がほのかに見えるようだ。
女の口という地獄に、アベルの中心が呑みこまれていく。アベルの魂そのものが、地獄に呑みこまれていくようだ。
オルティスは、世にも恐ろしく、世にも美しいものを見ているようで、複雑な心情に息がつまりそうになった。
「どうだい? 伯爵様、そろそろ降参かい?」
「うう……は、はなせ、下種!」
「ははははは。下種の口や舌はどんなものだい? 気取りかえった貴婦人たちは、絶対こんなことはしてくれないぜ?」
帝国では、夫婦であっても、そういった行為は禁忌とされている。
「侯爵未亡人はしてくれたがな」
おもしろそうに見物していた公爵が口をはさむのを、小憎らしげにバルバラが睨みつける。
「ふん、あんな女のちゃちな技など、娼館できたえぬかれたこのバルバラにかかったら、児戯にひとしいね。ほうら、そうだろう、伯爵様?」
「はあああっ!」
アベルの白い肉体が跳ねたのは、バルバラが右手の指をアベルの後ろ園に伸ばしたせいだ。
「ああっ、あうっ……!」
アベルは後ろ手で縛られた身体のままでのけぞった。
縄によって割られた白い肉が、ぶるぶるとふるえているのが、ひどく生々しく、いやらしく、それでいて匂うように美しいから始末がわるい。オルティスの胸はきしんで痛みをうったえてくる。
人差し指を、やや強引にアベルの後ろにねじこませ、バルバラはにんまりと笑う。
「そんなに感じるのかい、アルベニス伯爵?」
「うう……」
アベルが黄金の髪を振りみだし、苦悶に顔をゆがめても、バルバラは容赦しない。
この女は六歳で、彼女にとっての異教徒の狂信者の男根を口に入れられたときに、慈悲や寛容の心というものを永遠にうしなったのだろう。いや、両親が死んだときだったかもしれない。
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