92 / 184
淫虐遊戯 八
閉じられたままの瞼から、銀の滴をとめどなく流しつづけ、解かれることのない戒めを痛々しげに白い肉に食い込ませたまま、アベルの全身が哀切感をほとぼしらせる。
白い肉体から、銀色の光がはなたれているようだ。
貶められ、傷つけられて泣くアベルの姿は、神々しいほどに美しく、オルティスの胸を裂かんばかりにいじらしい。
オルティスは内心ため息をはいた。
花は落ちた。だが、花は散らない。枯れもしない。落ちて泥に染まっても、花は花なのだ。
オルティスはほとんど感動していた。
泥土のうえに落ちた純白の花は汚れても、いや、汚れてなお、いっそう輝いているのだ。
「どうだい、伯爵様、淫売の舌は? 悪くないだろう?」
アベルの放ったものを平然と嚥下したバルバラは、さも意地悪気に訊く。
アベルはこたえない。
憎い相手のまえで弱さをさらけだしたあとでは、アベルの憎しみに燃える瞳も、どこか揺らいでいる。
「けれど、随分がんばったね、伯爵様。もっとあっさり根を上げるかと思ったけれど」
バルバラの手がアベルの右頬を撫でる。
「さ、さわるな!」
「おやおや、まだ聞き分けよくはなれないようだね。もう一回して欲しいのかい?」
普通の男なら喜んだかもしれないが、アベルにとってその言葉は鞭の一打ちだった。
身体をひるませ、気強かった瞳に怯えを浮かべている。いままで受けた辱しめのなかでも、バルバラの舌責めはかなりこたえたようだ。
「くくくくく。可愛いな。冗談だよ。俺もさすがに疲れたからね。今度は……」
「あっ……!」
アベルの頬を撫でていたバルバラの手が、腰へと向かう。
向かいあうかたちで臀部をなで、笑いながらバルバラは指を相手の後ろ園にしのばせた。
「はぁ……!」
いや、いや、とアベルが身をよじるが、そんな仕草にも、どことなく柔らかな雰囲気を感じさせる。
白い肉体から、銀色の光がはなたれているようだ。
貶められ、傷つけられて泣くアベルの姿は、神々しいほどに美しく、オルティスの胸を裂かんばかりにいじらしい。
オルティスは内心ため息をはいた。
花は落ちた。だが、花は散らない。枯れもしない。落ちて泥に染まっても、花は花なのだ。
オルティスはほとんど感動していた。
泥土のうえに落ちた純白の花は汚れても、いや、汚れてなお、いっそう輝いているのだ。
「どうだい、伯爵様、淫売の舌は? 悪くないだろう?」
アベルの放ったものを平然と嚥下したバルバラは、さも意地悪気に訊く。
アベルはこたえない。
憎い相手のまえで弱さをさらけだしたあとでは、アベルの憎しみに燃える瞳も、どこか揺らいでいる。
「けれど、随分がんばったね、伯爵様。もっとあっさり根を上げるかと思ったけれど」
バルバラの手がアベルの右頬を撫でる。
「さ、さわるな!」
「おやおや、まだ聞き分けよくはなれないようだね。もう一回して欲しいのかい?」
普通の男なら喜んだかもしれないが、アベルにとってその言葉は鞭の一打ちだった。
身体をひるませ、気強かった瞳に怯えを浮かべている。いままで受けた辱しめのなかでも、バルバラの舌責めはかなりこたえたようだ。
「くくくくく。可愛いな。冗談だよ。俺もさすがに疲れたからね。今度は……」
「あっ……!」
アベルの頬を撫でていたバルバラの手が、腰へと向かう。
向かいあうかたちで臀部をなで、笑いながらバルバラは指を相手の後ろ園にしのばせた。
「はぁ……!」
いや、いや、とアベルが身をよじるが、そんな仕草にも、どことなく柔らかな雰囲気を感じさせる。
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。