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心砕けて 三
執拗なバルバラの攻撃に耐えきれなくなったのか、アベルは額に汗を光らせながら、どうにか言葉を吐いた。
もとめた答えを聞いたバルバラは、眉間に皺をよせる。
「冗談言うなよ。グラリオン王一人だというのか? つまらない嘘を言うなら、ほら、こうだぜ」
にんまり笑って、残虐な魔女は指で男を破壊する技をつかう。
「はぁぁぁっ!」
縛られた身体が跳ねる。アベルは全身でふるえた。
「ち、ちがう、嘘じゃない! 本当だ!」
アベルの必死の口調に、さすがにバルバラも、怪訝な顔になる。
「まさか、本当に? グラリオンの後宮は乱れたところだというが、そこで奴隷として過ごして、国王一人だけだったというのか?」
「まぁ、珠や道具、卵、木馬を数に入れなかったら、そうなるだろうな」
公爵の声はぶっきらぼうだが、逆に真実味があり、つい、オルティスも伏せがちだった目をあげ、アベルを見つめてしまう。
「信じられないな」
尚うたがわしそうな顔をしながら、バルバラは指を動かすようにした。
「ひっ、……よ、よせ! もう、やめろぉ!」
繊細で狭い園は、指一本の動きによって荒らされてしまうのだ。
悔しげに、切なげに、前かがみになっているアベルは首を横に振りつづける。そのつど、汗に濡れた白い項が蝋燭の灯りを弾き、薄暗い天幕にほのかな銀の火花が散る。
珠、道具、卵、木馬……。
先ほどの公爵の言葉がオルティスの耳を打ち、いっそう身体が熱くなった。否応なしに想像してしまい、その淫虐さと淫靡さにオルティスは胸がつまりそうだ。
目の前でふるえている、この期におよんでも気品をうしなわない白い肌が、そんな過酷な経験をしてきたとはとうてい思えない。
「ああ……! も、もう……! やめ、やめ!」
白い頬を赤く染めて、苦しそうに身をよじり、アベルがうったえる。
「ふうん。王一人とはいえ、かなり開発されたようだな。見ろよ、俺の指につられて……ほら、こんなに」
「はぁぁぁっ……!」
絶望をふくんだ苦くも甘い悲鳴が漏れてくる。鼓膜に毒を混ぜた蜜をそそがれたようで、オルティスはたまらなくなった。
もとめた答えを聞いたバルバラは、眉間に皺をよせる。
「冗談言うなよ。グラリオン王一人だというのか? つまらない嘘を言うなら、ほら、こうだぜ」
にんまり笑って、残虐な魔女は指で男を破壊する技をつかう。
「はぁぁぁっ!」
縛られた身体が跳ねる。アベルは全身でふるえた。
「ち、ちがう、嘘じゃない! 本当だ!」
アベルの必死の口調に、さすがにバルバラも、怪訝な顔になる。
「まさか、本当に? グラリオンの後宮は乱れたところだというが、そこで奴隷として過ごして、国王一人だけだったというのか?」
「まぁ、珠や道具、卵、木馬を数に入れなかったら、そうなるだろうな」
公爵の声はぶっきらぼうだが、逆に真実味があり、つい、オルティスも伏せがちだった目をあげ、アベルを見つめてしまう。
「信じられないな」
尚うたがわしそうな顔をしながら、バルバラは指を動かすようにした。
「ひっ、……よ、よせ! もう、やめろぉ!」
繊細で狭い園は、指一本の動きによって荒らされてしまうのだ。
悔しげに、切なげに、前かがみになっているアベルは首を横に振りつづける。そのつど、汗に濡れた白い項が蝋燭の灯りを弾き、薄暗い天幕にほのかな銀の火花が散る。
珠、道具、卵、木馬……。
先ほどの公爵の言葉がオルティスの耳を打ち、いっそう身体が熱くなった。否応なしに想像してしまい、その淫虐さと淫靡さにオルティスは胸がつまりそうだ。
目の前でふるえている、この期におよんでも気品をうしなわない白い肌が、そんな過酷な経験をしてきたとはとうてい思えない。
「ああ……! も、もう……! やめ、やめ!」
白い頬を赤く染めて、苦しそうに身をよじり、アベルがうったえる。
「ふうん。王一人とはいえ、かなり開発されたようだな。見ろよ、俺の指につられて……ほら、こんなに」
「はぁぁぁっ……!」
絶望をふくんだ苦くも甘い悲鳴が漏れてくる。鼓膜に毒を混ぜた蜜をそそがれたようで、オルティスはたまらなくなった。
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