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心砕けて 九
「たいしたご執心ぶりだね」
バルバラが呆れたような顔になる。それでも手は休むことなくアベルを刺激しつづける。
「さぁ、そろそろいくかい? 俺がこっちから押してやるから、公爵、あんたが受けとめてやるがいい」
「そうだな」
「じゃ、いくぞ」
「あっ……! や、やめっ!」
バルバラは手の動きを速め、公爵はいっそう身をかがめ、アベルの茎を口腔でつつみこむ。
前と後ろを同時に責められ、アベルはうろたえた。
「ひっ……、いや、いやだぁ……!」
白い肌の上で縄がよじれる。前後から受けるすさまじい刺激に心身が追いつけないでいるアベルは子どものようで、オルティスの胸はしめつけられる。
「や、やめ、やめ! 待って、ああ、待ってくれ!」
首を横に振り、涙を流しながら、全身で嫌がってはみても、逃れることはできず、恐ろしい暴行を享受するしかない。
「はぁ……! ああっ、やっ、いやっ、ああっ、も、もう! もう、駄目だぁ……!」
オルティスは、その瞬間、目をつむっていた。
夜を引き裂くような声が天幕内にひびきわたる。
全身でもだえぬき、魂がちぎれるような泣き声をあげた果てに、アベルは弾けた。
いやだぁぁぁー!
数秒の沈黙と静止のはてに、やがてアベルの身体は折れるようにくずれた。バルバラが支えなければ倒れていたろう。公爵の方は体勢を変えるのに少し手間取ったのだ。
「おや、だらしないな。これぐらいのことで」
頬をたたいて起こそうとするバルバラを、公爵はやんわりと止める。
「もういい。今夜はこのまま寝かせておけ」
公爵の顔には満足と、滅多に見せない慈悲の情がにじんでおり、オルティスを仰天させた。
アベルは朝までのひとときのまどろみをゆるされ、夜は更けていく。
バルバラが呆れたような顔になる。それでも手は休むことなくアベルを刺激しつづける。
「さぁ、そろそろいくかい? 俺がこっちから押してやるから、公爵、あんたが受けとめてやるがいい」
「そうだな」
「じゃ、いくぞ」
「あっ……! や、やめっ!」
バルバラは手の動きを速め、公爵はいっそう身をかがめ、アベルの茎を口腔でつつみこむ。
前と後ろを同時に責められ、アベルはうろたえた。
「ひっ……、いや、いやだぁ……!」
白い肌の上で縄がよじれる。前後から受けるすさまじい刺激に心身が追いつけないでいるアベルは子どものようで、オルティスの胸はしめつけられる。
「や、やめ、やめ! 待って、ああ、待ってくれ!」
首を横に振り、涙を流しながら、全身で嫌がってはみても、逃れることはできず、恐ろしい暴行を享受するしかない。
「はぁ……! ああっ、やっ、いやっ、ああっ、も、もう! もう、駄目だぁ……!」
オルティスは、その瞬間、目をつむっていた。
夜を引き裂くような声が天幕内にひびきわたる。
全身でもだえぬき、魂がちぎれるような泣き声をあげた果てに、アベルは弾けた。
いやだぁぁぁー!
数秒の沈黙と静止のはてに、やがてアベルの身体は折れるようにくずれた。バルバラが支えなければ倒れていたろう。公爵の方は体勢を変えるのに少し手間取ったのだ。
「おや、だらしないな。これぐらいのことで」
頬をたたいて起こそうとするバルバラを、公爵はやんわりと止める。
「もういい。今夜はこのまま寝かせておけ」
公爵の顔には満足と、滅多に見せない慈悲の情がにじんでおり、オルティスを仰天させた。
アベルは朝までのひとときのまどろみをゆるされ、夜は更けていく。
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