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仇花開花 一
「皆様、お気づきかしら? A伯爵は、今夜もいけない喜びにひたっていらっしゃるわ」
どっと、客席がわく。
観客たちの視線の針に全身を刺され、アベルが呻いている声が聞こえてきそうだ。
エンリケはいてもたってもいられぬ心持ちになってきた。
(本当に、俺はどうかしている)
自分でも自分の気持ちがわからなくなってくる。ここ数日、いつも心の半分がどこかへ行ってしまっているようなのだ。
どこへ行っているのか……。アベルのもとへと飛んでいってしまっているのだ。それを自覚して、いっそう戸惑う。
まるで、自分はアベルに恋しているようではないか。
考えただけで、救いのなさにぞっとする。
そんなことを思っているあいだに、アグスティナはつぎの責めに入っていた。
宦官がさしだした小瓶を、手にとり、おもむろにかかげる。
小瓶の中身はおそらく上等の香油なのだろう。
優雅な手つきで、小瓶をかたむけ、中身をしたたらせる。
雨雫のような油は、一滴、二滴と、アベルの、強引にかかげあげられた秘部へとしたたる。
びくびくと、青白く映える肌が香油を弾く。
ふるえる身体は、蜜に濡れた花弁を思わせ、見ている者たちの背をぞくりとさせる。
たっぷりと濡らされた身体は、無理やりに、また引きずり起こされ、立たされる。
「あっ……ああ」
アベルが恥ずかしそうに両足を擦りあわせるが、どうにもならない。
どっと、油がしたたり、白い太腿や脛にもながれていく。
公爵はすべて見ている。すべては彼の指示なのだ。エンリケはどす黒い塊を無理やり飲みくだしたような苦しさと不快さに喘いだ。
「さぁ、伯爵には、これで遊んでもらいましょうか?」
アグスティナが得意げに振りかざしたのは、先ほどアイーシャが使ったのと同じような道具だった。形はほぼ同じものだが、今回は黒檀である。卑猥な見た目と、黒い光沢は妙に生々しく、不気味さにあふれている。
「くくくく。ああいうので楽しめる女はよほどの好き者だぞ」
近くの男が笑う。
「〝A伯爵〟はどうなのかしらね?」
どっと、客席がわく。
観客たちの視線の針に全身を刺され、アベルが呻いている声が聞こえてきそうだ。
エンリケはいてもたってもいられぬ心持ちになってきた。
(本当に、俺はどうかしている)
自分でも自分の気持ちがわからなくなってくる。ここ数日、いつも心の半分がどこかへ行ってしまっているようなのだ。
どこへ行っているのか……。アベルのもとへと飛んでいってしまっているのだ。それを自覚して、いっそう戸惑う。
まるで、自分はアベルに恋しているようではないか。
考えただけで、救いのなさにぞっとする。
そんなことを思っているあいだに、アグスティナはつぎの責めに入っていた。
宦官がさしだした小瓶を、手にとり、おもむろにかかげる。
小瓶の中身はおそらく上等の香油なのだろう。
優雅な手つきで、小瓶をかたむけ、中身をしたたらせる。
雨雫のような油は、一滴、二滴と、アベルの、強引にかかげあげられた秘部へとしたたる。
びくびくと、青白く映える肌が香油を弾く。
ふるえる身体は、蜜に濡れた花弁を思わせ、見ている者たちの背をぞくりとさせる。
たっぷりと濡らされた身体は、無理やりに、また引きずり起こされ、立たされる。
「あっ……ああ」
アベルが恥ずかしそうに両足を擦りあわせるが、どうにもならない。
どっと、油がしたたり、白い太腿や脛にもながれていく。
公爵はすべて見ている。すべては彼の指示なのだ。エンリケはどす黒い塊を無理やり飲みくだしたような苦しさと不快さに喘いだ。
「さぁ、伯爵には、これで遊んでもらいましょうか?」
アグスティナが得意げに振りかざしたのは、先ほどアイーシャが使ったのと同じような道具だった。形はほぼ同じものだが、今回は黒檀である。卑猥な見た目と、黒い光沢は妙に生々しく、不気味さにあふれている。
「くくくく。ああいうので楽しめる女はよほどの好き者だぞ」
近くの男が笑う。
「〝A伯爵〟はどうなのかしらね?」
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