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征服者の夢 六
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体格の劣った望が、背後から自分より大きな男を犯している図は、傍目には異様で奇妙なものだろう。
だが、それは同時にひどく官能的で、美少年が美青年を犯すというかなり倒錯的な物語のような妖しさに満ちて、見る者がいれば圧倒されずにいられない。
勇や雨沼が見れば、さぞ喜んだろうが、望は彼らを興じらせるために香寺を抱くのは嫌だった。
好き者を興奮させるためではなく、望自身が香寺を抱き、悦びを得たいのだ。
「先生、息を吐いて……、ゆっくりと」
「む、無理だ……。も、もう、止めて……」
「大丈夫。……大丈夫だから」
自分でも意外に思うほどやさしい声が出る。そのことが嬉しい。
めりめりと、身体が香寺のなかに入っていく。
望はしばし瞑目した。
(気持ちいい……)
激しい満足感に全身が満たされていく。
だが、まだすべてを得ていない。
「先生……。もう、いいかい? 動くからね」
「だ、駄目だ……。や、やめて……やめろ」
畳の上につっぷしていた香寺が頭をもたげ、必死に訴える。
「も、もう……」
「いくよ」
「ああっ!」
望は腰を打ち付けた。
香寺の苦しげな声が室に響きつづける。
「はぁっ、ああっ、……ああっ、も、もぉ、だめだ……、だめ!」
まったく相反する気持ちで二人は繋がっていた。ひとつに溶け合った箇所から快楽の火種が生まれ、くすぶり、めらめらと燃え、やがて炎と変じた。
「はぁっ……! ああ!」
香寺は無理な体勢で、膝立ちになって逃れようとした。だが、身体の連結はほどけず、徒労と終る。
「こら!」
望が、お仕置きとばかり、香寺の臀部を右手ではたく。
「まだ逆らうんだな。悪い人だ。後であらためてお仕置きだな」
「ううっ……」
教え子に尻を打たれるという屈辱にふるえる香寺の背は、被虐美に輝いている。望は股間から快感の波があふれ、全身が浸されていく錯覚に、雄たけびをあげそうになった。
だが、それは同時にひどく官能的で、美少年が美青年を犯すというかなり倒錯的な物語のような妖しさに満ちて、見る者がいれば圧倒されずにいられない。
勇や雨沼が見れば、さぞ喜んだろうが、望は彼らを興じらせるために香寺を抱くのは嫌だった。
好き者を興奮させるためではなく、望自身が香寺を抱き、悦びを得たいのだ。
「先生、息を吐いて……、ゆっくりと」
「む、無理だ……。も、もう、止めて……」
「大丈夫。……大丈夫だから」
自分でも意外に思うほどやさしい声が出る。そのことが嬉しい。
めりめりと、身体が香寺のなかに入っていく。
望はしばし瞑目した。
(気持ちいい……)
激しい満足感に全身が満たされていく。
だが、まだすべてを得ていない。
「先生……。もう、いいかい? 動くからね」
「だ、駄目だ……。や、やめて……やめろ」
畳の上につっぷしていた香寺が頭をもたげ、必死に訴える。
「も、もう……」
「いくよ」
「ああっ!」
望は腰を打ち付けた。
香寺の苦しげな声が室に響きつづける。
「はぁっ、ああっ、……ああっ、も、もぉ、だめだ……、だめ!」
まったく相反する気持ちで二人は繋がっていた。ひとつに溶け合った箇所から快楽の火種が生まれ、くすぶり、めらめらと燃え、やがて炎と変じた。
「はぁっ……! ああ!」
香寺は無理な体勢で、膝立ちになって逃れようとした。だが、身体の連結はほどけず、徒労と終る。
「こら!」
望が、お仕置きとばかり、香寺の臀部を右手ではたく。
「まだ逆らうんだな。悪い人だ。後であらためてお仕置きだな」
「ううっ……」
教え子に尻を打たれるという屈辱にふるえる香寺の背は、被虐美に輝いている。望は股間から快感の波があふれ、全身が浸されていく錯覚に、雄たけびをあげそうになった。
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