昭和幻想鬼譚

文月 沙織

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金襴の新床 四

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 傍目には、それは奇妙な光景だろう。
 細身とはいえ仁は長身で、身体も鍛えてきただけあって、勇ほどにたくましくはないものの、芯を感じさせ、けっして脆弱ではない。
 それがまだ少年の望に襲われ、肉体を開かせられようとしているのだ。
 子どもが大人を犯すという妖しい官能図が座敷で展開していった。
 客たちのひそかな興奮が熱波となって迫ってくる。見知らぬ客人たちの好奇の視線にさらされていることは、望にとっても不本意であり不愉快なことなのだ。
 だが今は仁への長年の欲望と愛着のために、忘れる努力をした。
 望は年上の麗人を犯すことだけに専念した。
 自らも着物の前をはだけ、己を開放しようとした。
「ああ……!」
 さすがに仁は無抵抗でいられなくなったのか、か弱い力で畳の上で逃げようとする。
 逃がさず、とばかりに望は仁の腰を背後から両手で抱き寄せる。
「ああ……、いや、いや……!」
「慌てるでない、それだときついじゃろう。望、濡らしてやれ」
 祖父の言わんとするところを悟るのに数秒考えた。
「おまえが濡らしてやるのじゃ」
 望は躊躇した。だが、意を決したように一度息を吸うと、仁の腰を引き上げるようにして、膝を立たせ、その背後に身をすくめた。
「ああっ!」
 慌てる仁をおさえこみ、仁のふるえる蕾に口を近づけ、おそるおそる舌を伸ばす。
「や、やめ! やめてくれ!」
 仁の声は悲痛ですらあった。
 もはや崇の命令をわすれ、仁は全力で逃げようとした。
「こら! ……仕方ない、勇、手助けしてやれ」
 結局そうなるのかと思うと、望は悔しい。
 勇が近づいてきて、片膝をつく形でふたりのそばに腰をおろし、仁の腰に手をのばす。憎らしいくらいゆっくりとした、余裕にあふれる態度と動きで、望は内心歯ぎしりせずにいられない。
 勇の無骨な手が、仁の白い臀部を抑え、望のしやすいように仕向ける。
「やめ、やめてくれ! 勇、止めて!」
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