昭和幻想鬼譚

文月 沙織

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秘密 三

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 だが、それよりもさらに奇妙で納得がいかないのは……。
「まぁ、望様もいつかは知らなければならないことでしょう……。ええ、あの記事をご覧になったら、わかりますでしょうけれど、私たちは、本当に姉妹なのです」
 都の目は諦めをふくんでいた。
「それも、最初はあたしの方が姉だったのよ。でも、そのころからあたしの方が若く見えるので姉妹を交代したんですのよ」
 ほほほほ……、と望には理解できない話を、さも楽しそうに玉琴は語りつづける。
「まぁ、もともと姉と妹といっても、あたしたちは双子でしたのよ」
 たしかに、二人は似ているところがある。双子というのは成長すると瓜二つというわけではなくなることもあると聞く。
 明治末期のころの写真の玉琴は、今見てもほとんど変わりがない。それはどういうわけなのか。
 いや、それよりも望をもっとも驚愕させたのは……。
「ええ、いっしょに映っていた旦那様でしょう? 美男子でございましょう?」
 そう。芸者二人を両隣りに座らせて人力車に乗っていた和装の若い〝旦那〟が映っていたのだ。
「あれは……、まさか……」
 望の背はこわばった。
「ほほほほ。お察しのとおり、仁様でございますよ」
 玉琴は、ほとんど誇らしげな顔になっている。

 望は頭がくらくらしてきた。

〝贄〟というのは、一族存亡と繁栄のために犠牲になる者のことでございます。
 この相馬の家には、そういった役割を担わせられる者が必要なのです。
 贄に選ばれた者は、相馬家を守るために生きねばならないのです……。
 永遠に。死ぬこともなく……。

 人間が永遠に生きることなどできるわけがない、という望に、都は淡々と語った。
「できるのでございますよ。わたくしたちのような存在は昔からいましたわ。この国だけではなく、大陸にも西洋にも。そういった異種――彼らから見て――の存在は、やれ化け物だ妖怪だ、吸血鬼だなどと言われて忌み嫌われておりますが」
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