帝国秘話―落ちた花ー

文月 沙織

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運命の輪

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「どうだ? 気分は?」
 翌朝、すっかり快復したとは言えないが、なんとか持ちなおしたイリカは寝台に身を起こし、飲み物を口にすることができた。
「……最悪だ」
 ため息をはいて器を側のマホガニーの台に置いたイリカの黒い瞳はぼんやりとして、まだどこか眠りの世界をさまよっているようで、今までの強気で傲慢な態度は消え、それがタキトゥスをやや落ちつかなくさせる。
 だが、むろんそんな想いは露とも見せずタキトゥスはいつものように片頬をゆがめて皮肉に笑った。三度も氷風呂を使っても心身ともに精気がみなぎっているのは、さすがに鍛えぬいた帝国一の軍人だけのことはある。
「死にぞこねたな」
 イリカはその言葉にうなずくようにかすかに首をたてにふった。
「……夢を見た」
「夢?」
「故郷の海を泳いでいる夢だった。私は神殿のなかだけで育ったようなものだから、海で泳いだのは幼いころ一度だけなのだが」
 召使たちに見守られ浅瀬で身体を海水につけただけで泳いだとはとても言えないが、それはイリカの人生で一番たのしい思い出だったかもしれない。
「昨夜……、私は寝言でなにか言っていたか?」
「いや、べつに」
 昨夜、タキトゥスと抱きあって眠ったことはまったくおぼえていないようで、タキトゥスはそれを惜しむ一抹のさびしさを感じて内心、苦笑した。
「もう寝ろ。また熱が出るぞ。パリアナを呼んでおくから、ひと眠りしたら何か飲むのだぞ」
 子どもの世話を焼く親のような、信じられないような台詞を口にしている自分に内心あわてたタキトゥスだが、相変わらず感情をおもてに出さず、イリカに背をむけた。

 すこし仮眠をとってからタキトゥスは宮殿に出仕する準備をして、わずかの供をつれて馬で街に出た。
 貴族のように豪奢な輿や馬車を用意し、あまたの供に守られるような重々しいふるまいをタキトゥスは嫌っており、それが彼を、数多くの武勲をたてながらなお宮廷ではほかの貴族から異端視させ、悪くすると孤立化させる最大の原因なのだが、タキトゥスは一向にあらためる気はない。
 高級官吏や貴族や貴族出身の軍人がどれほど、軽々しい、格式を曲げている、宮廷様式を軽視している、帝国の威をおとしめている、軍の規律を乱すなどと、影口をたたこうが、タキトゥスはあくまで己がしたいようにふるまうつもりだった。
 彼のそういった破天荒な行為は、そうであればあるほど庶民の人気をあおり、それがまた他の支配階級の人間から見ると憎たらしく不愉快なものとなり、ディトスなどは折にふれてタキトゥスにそれとなく注意をしたりもしたが、この帝国一の異端児にして革命児は、そう指摘されればいっそう貴族社会の格式に唾を吐くような真似をあえてした。
 宮廷の人間から見ると、ある意味で彼は宮廷一の貪吏ドノヌスや、狂気の皇帝よりも危険な存在なのかもしれない。
 とはいうものの、ひねくれ者のタキトゥスも今日は機嫌がよかった。
 アルゲリアス帝国は夏をむかえはじめ、サファイア色一色に染められた空に君臨する黄金の太陽が下界に蜜をふりまき、行きかう人々は大陸一の都に住む選民の誇りと喜びに皆かがやいている。 通りの両脇には店や屋台がならび、衣類や料理から宝石、武具までありとあらゆるものが売られている。ときに鎖につながれた人間ですら売られるのはこの時代の大都会の暗い光景でもあるが、自由民たちはそんなえらばれなかった人の悲哀になど目もくれず、ただ自分たちの生活をいとなみ、その日そのときの目的をはたすのにせわしない。
 タキトゥスは美しい衣を売っている店に目がむいた。帰りに寄っていこうかとも思う。
(あのサフランに似た白い花の刺繍の入った青い衣、イリカは気に入るだろうか)
 などとつい考えてしまう。思えばイリカを捕虜として、最初に着ていた衣をうばって以来、ろくに着るものすらあたえてこなかったことに今初めて気づいた。屋敷の内では寝室に閉じこめたままなので身体がすけて見えるうすものしか着せていなかった。
 それを思うとひそかな憂いが胸にわく。それは、もしかしたら長年忘れていた良心の痛みなのかもしれないが、タキトゥスはいそいでその憂いを心から閉めだした。だが目はやはりイリカに似合いそうな衣をさがしてしまう。
(あの銀の首飾りはイリカも喜ぶかもしれぬ)
 果物を売っている店が目に入ると、熟れた果実なども病みあがりにはいいかもしれないなどと思ったりする。
(このまま、飼い馴らせないだろうか……)
 そんな考えが浮かんできた。
(信仰を捨てさせ、祖国への愛着を捨てさせ、このままイリカを屋敷に住ませつづけることはできないだろうか)
 その案は、とびきり甘い蜜のようにタキトゥスの胸をとろかし、頭をにぶくさせた。
 戦に負けた異国の王族貴族が勝利者にかこわれることは世に腐るほどある。敗北者は皆それぞれの運命を受けとめて生きているではないか、とも思う。
 パリアナやパリアヌスも、あの通り過ぎた町で聞いた、神殿で石馬によって操をうばわれた巫女たちだとて、そうやって己の運命を受けいれて生きるしかなかったのだから、と想いはめぐる。タキトゥスの死んだ両親だとて、その運命の輪にとりこまれて命を失ったのだ。そうやって世の中はまわっているのだ。
(あの、犬にされた哀れな王女だとて……)
 王女と生まれながら国のためにアルゲリアスに貢がれ、まさしく犬畜生並みのあつかいを受けて生きているではないか。それが彼女の運命なのだからしかたないのだ、とタキトゥスは胸がちくちく痛むのをこらえて、誰に言うわけでもなく自分自身に語るように心のなかでつぶやいた。そうやって必死に自分自身にいいわけしているのかもしれない。
(たしかに随分イリカに非道な真似をしたが、皇帝があの王女にしたほどのことをしたわけではないし、戦で負けた者は、勝った者のものになるものだ……俺の母だとて、負けたがゆえに惨い死に様をさらしたのだし)
 皆そうやって運命を受けいれているのだという論をくりかえした。
 
 大理石の廊下を歩いていくと、三人の宦官たちが庭でなにやら騒いでいた。
「はやく、はやくかたづけろ」
「これはまた派手に飛び散ったのう」
 下級宦官のお仕着せの黒服が今日にかぎって妙に不吉に見え、タキトゥスは足をとめた。
 陽光がふりかかる庭園では百花が妍を競っているが、むろんタキトゥスは花などに興味はなく、すずの脛当てを帯びた足で、いともかろやかに音をたてずに歩き、宦官たちの後ろに立つと、彼らのむこうにある〝物体〟に目をやった。そして、息をのんだ。
 栗色の髪の束が蛇の死骸のように血にまみれてのたうっていた。
「おや、タキトゥス将軍、いつの間に?」
 いつもなら不快に感じる宦官たちのひからびた声も今は気にならない。
 そこには巨大な柘榴かと思うような赤黒い肉塊があり、どす黒い腐った果汁を思わせるような血がとびちって灰色の石のうえに残酷な絵を描いていたのだ。
 頭部はこなごなだが乳白色の女の裸体は形がのこっていて、いっそう醜悪に思える。
 例の犬にされた哀れな王女のなれの果てだとタキトゥスはやっと気づいた。
「これは……」
「あの王女でございますよ。目をはなした隙に三階の露台から飛びおりたようで。まったく、世話の焼ける」
 ぶつぶつ言いながら宦官たちはせっせとくだけた死体をあつめ籠に無造作にほうりこんでいく。
 なまじ天気がよく空が澄みきり、木々や花々が美しく見えるだけに、その様子は幾多の戦場で酸鼻きわまる修羅場を見てきたタキトゥスでさえぞっとさせた。もはや人の神経など失くしてしまっている異形の人種ともいえる宦官たちへの嫌悪も、いっそうおぞましさを強める。
 庭園を吹きぬける初夏の風をタキトゥスは冷たく感じていた。

「タキトゥス、久しぶりだな」
 孔雀石マラカイトをけずった粉であわく緑色に染めた瞼が、淫らな退廃の影をゼノビアスにあたえている。タキトゥスは宦官たちに感じた嫌悪とはまたちがう嫌気いやけを彼に感じてしまう。いわゆる同類嫌悪というものである。 
「あの犬娘が勝手に死んでしまいおってな。退屈しておるのだ」
「それは……」
 お気の毒に、とはさすがに言えない。
 思えばあの娘の名前すら覚えていなかったことが、悔恨にも似た苦い痛みをタキトゥスにもたらした。
 そんなタキトゥスの心の内など知るはずもなく、足を組んで上質の皮のサンダルをぶらつかせているゼノビアス皇帝の様子はいかにも気に入りの玩具をこわして拗ねてしまった幼児のようで、タキトゥスは背に虫唾がはしった。
 皇帝は最初はもったいぶるようにゆっくりと振っていた足を、やがていらいらとせわしなくふり、金の眉をしかめる。彼はどちからといえば母親の面立ちを受けついでおり、すっきりとした鼻梁はととのっているのだが、父皇帝のように赤毛でなかったことが亡き皇帝の不満と疑惑を買った。
 先帝は生涯彼を息子とも皇太子ともみとめぬまま世を去ったが、後継者問題でもめるような正統な血筋の兄弟がいなかったことがゼノビアスにとっては幸運だった。
「さっそく使者をつかわしてな、あたらしい人質をおくるように伝えておいた」
 勿論おもてむきは病死と知らせるだろうが、やがて噂は属国へもとどくかもしれない。そうなったらどうなるか、この狂人皇帝は考えたことがあるのだろうか。アルゲリアスの富と無敵の軍隊を過信しているのかもしれない。
(自分では一度も戦場に出たことなぞないくせに)
 もし属国が姫君の悲惨な死に怒り、捨て身の覚悟で蜂起すれば、それを平定させるためにまたタキトゥスたち軍人が、得た手柄のほとんどを貴族たちにうばわれるのを覚悟のうえで辺境の地へおもむかねばならない。
 片膝をついて礼をとってひかえながら大理石の床を見つめると、なめらかな石床がタキトゥスの不満げな顔をうつしだしている。
「タキトゥス」
 一瞬、己の不満顔を見られたかとタキトゥスは背に汗をかいた。
「はっ」
「そなたの屋敷には美しい捕虜がおるそうではないか? さきの戦でイカラスよりつれてまいったという」
 タキトゥスは無言で玉座の狂人を見上げた。
「今度は雄犬も飼ってみたい。ぜひ、連れてまいれ」
 ゼノビアスの赤く塗った唇がほころんで、その残酷な言葉を告げた瞬間、タキトゥスは頭上から昨夜の氷水より冷たい水が降ってきたような気がした。 
「しかし、おもしろくないものじゃ。一匹では寂しかろうとせっかく狩猟犬の雄をつれてきてやったのに、あのわがまま娘は嫌がりおってな。逃げだして露台からとびおりてしまった」
 言葉を失ったタキトゥスのかわりに、別の声が割りこんできた。
「まことにもって残念なことでございましたな、陛下」
 突然ドノヌスの巨体が緋色の垂幕のむこうの奥室からころがり出てきた。
 よくよくこの男は他人の行動を影から盗み見するのが好きなようだが、今はふたりの会話の内容のあまりの冷酷さとおぞましさに怒ることも忘れて、タキトゥスは背をこわばらせた。
 黄金と大理石と七色の繻子しゅすや絹の帳でいろどられ夏日にかがやく宮殿でタキトゥスひとりは寒風を吹きつけられた気分になり、その骨も凍える寒さのなかで、不意に昨夜あじわったイリカの柔肌がたまらなく恋しくなった。
 すぐにでも屋敷に駆けもどってイリカを抱きしめたい。そんなことを思っている自分にタキトゥスはまたあわてた。
「陛下、あたらしい雌犬がくるまでのあいだはイカラスの土産ものが陛下のご無聊をお慰めするでしょうに」
「おお、そうじゃ。それを早速つれてまいれ。どうしたのじゃ? タキトゥス」
 こわばった表情で無言のままひかえているタキトゥスを、皇帝はけげんな目つきで見つめる。それがまた流し目をおくっているような、酒場の下級娼婦が男に媚を売るような、どことなく淫靡なものを感じさせる仕草で、タキトゥスは内心辟易せずにおれない。
 この皇帝には幾分女性的なところがあり、それは文化の爛熟した帝国では許容される範囲のものであったし、なにより皇帝のことゆえ人々は許容するしかなかったが、ゼノビアスが全身からかもしだす妙になまめいた雰囲気や、病的な加虐趣味や残酷行為は、どうしても家臣に悪影響をあたえる。
 一国の政府の頂点に立つ人間が正義感も道徳心もまるで持ち合わせていないのだから、いやがおうにも風紀は乱れ、宮殿じゅうがどろどろとした魔風に染められ、まっとうな神経の者はとてもいられない。ますます貪欲な貪吏貪官たんりたんかんがふえ、ゼノビアスと嗜好の合った者たちばかりが取り立てられ出世していく世のなかになってしまった。
 タキトゥスも己がけっして清廉の士ではないことを自覚している。むしろこの国の淫風や今の時代の蛮風のなかを率先して駆け抜けて生きてきたし、これからも戦士として流血を生業なりわいとして生きていくつもりであり、敵の返り血をかてとして都政で生きぬくつもりだ。それしか自分には他に道がないことも知っている。
それでも、ふっと妙に味気ないような、寂しいような気持ちにおちいるときがある。
(こんな生き方をしたかったのだろうか、俺は……? これが俺の望み……か?)
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