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しおりを挟む21時、外はざあざあ降りの雨だった。
室内は暗く、どこか遠くで雨音が聞こえる。ひどい頭痛がするのはこの雨のせいだろうか、と甘森は思った。息苦しさに寝返りを打とうとしたが、どうにも体を動かすことができない。寝ぼけ眼で自分の体を確認するように視線を向ければ、何かが自分の体を押さえ込むようにしているのが見えた。ぼんやりした視界の中で蠢くそれが何であるかを認識するよりも先に、体に走る妙な感覚に甘森は吐息を漏らす。
「んっ、……ぅ」
さわさわと優しく肌を撫でられているような感覚はまどろみのなかでは気持ちがよく、自分が裸であることに気付くまで時間がかかった。
「は、……?なに、どういう……」
自分の姿を認識した甘森の意識は急激に覚醒した。とっさに腕や足を動かそうとするが、どこかに縛り付けるように拘束されていて、ろくな抵抗にはならない。甘森のその行動に彼が起きたことに気づいたのか、甘森の上に抱きつくように乗っていた男……一橋は、甘森の顔を見て微笑みを浮かべた。
「あ、甘森さん、おはようございます」
「はあ……?」
困惑した声を零す甘森に対して一橋は上機嫌な様子で言葉を続ける。
「甘森さん、寒くないですか?風邪引くといけないから、一応エアコンはつけてるんですけど」
一橋はそう言いながら甘森の胸を大きな掌で撫でた。骨張った指が甘森の乳首を掠めると、わかりやすくビクリと体を震わせる。その様子を見て目を細める一橋に、甘森はぞっとした。気持ち悪いと確かに思っているのに、触れられると生まれるのは不快感だけではないことに甘森は気付き始めている。そして一橋がもっと自分にひどいことをするつもりなのだと、予感していた。
「おいっ、なんだよこれ……なんで、お前がこんな……」
一橋に対して酷い態度を取っていた自覚のある甘森だが、気の弱い一橋がこうして自分に何か危害を加えるとは思っていなかったので面食らってしまう。そしてこの頭痛は一橋に殴られ気を失った時のものだと思い至った。甘森のそんな戸惑いを孕んだ問いかけには答えず、一橋は甘森の胸の突起を人差し指と親指でギュッと強く摘んだ。
「あぁっ!?」
急な刺激に間抜けな声を出してしまったことを恥じる暇もなく、一橋は甘森のもう一方の突起を口に含んだ。ぴちゃ……と乳首を撫でるように舌全体で愛撫されると、甘森の背中にゾワゾワとした感覚が走った。これを続けさせてはいけないと思い、甘森は体を捻って逃げようとするが拘束された体ではままならず一橋の動きを止めるには至らない。
「あー……甘森さんの乳首、ピンクで可愛い。バイトの時から思ってましたけど、甘森さんって乳首感じやすいですよね?ずっと……こうして触ってみたかったんです」
捲し立てるようにそう言った一橋は、甘森のピンと立った乳首を指で擦り合わせるようにして摘みながら乳輪に舌を這わせる。一橋の執拗な触れ方に甘森の体はだんだんと快感を拾い始めていた。乳首をきゅっと指で潰されると腰が勝手に跳ね、温かな一橋の舌で乳首全体を押しつぶすように舐められれば甘い声が口から出てしまう。手で口を押さえようと思っても拘束されていて叶わず、歯を食いしばって耐えようとするが触れられると快楽に体から力が抜けてしまって口を開けてしまう。
「ん……っ♡」
堪えられないように喘ぐ甘森の顔を、逃さないとでも言うかのように一橋はずっと見ていた。獲物を捕らえるようなその視線は、胸の突起をどう触ってどう舐めたら甘森が気持ち良くなるのか、観察しているようでもあった。
「っあ♡んう……っ♡」
「乳首の側面を……円を描くように舐められるのが好きなんですね、甘森さんは。もう勃起してますよ」
「あ、ち……違……ぅ♡俺、そんな……そんな、っあぁ♡」
甘森は何度も首を振って一橋の言葉を否定したが、体は正直なもので甘森のペニスからだらだらと垂れ流れたカウパーが自身の腹や太腿を汚していた。一橋は撫でるような優しい手つきで甘森のペニスを右手で包み込み、甘森の乳首を舐める動作を止めてじっと甘森の顔を見る。
「これ……どうしましょうか?」
「っ、は……?何、どういう意味……」
絶え間なく続く愛撫から解放された甘森は乱れた息を整えながら、試すような微笑みを浮かべる一橋の顔を眉を潜めてまじまじと見返した。どうもこうもない、早く解放しろと言いたいところだったが、話の通じない相手だとわかっているから妙なことを言えば逆上するかもしれないと甘森は警戒していた。だからといって相手に都合の良いような言葉を吐くことができるわけではないのだが。
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