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しおりを挟む「ね、甘森さん……キスさせてくれたら“これ”、扱いてあげます」
一橋はとろけるような声色で甘森の耳元にそう囁きながら、甘森のペニスの亀頭を触れるか触れないかという優しすぎる力加減の指先で包むように撫でた。他人に触らせたことのない敏感な部分に触れられて、甘森は思わず息を呑む。そんな甘森の反応を見て、一橋は甘森の耳元で嬉しそうに笑い声をあげた。
明らかに馬鹿にされている、そう感じた甘森は思いのままに一橋に言葉をぶつけてしまった。
「お前に触られるくらいなら、死んだ方がマシ」
こんなことを言えば本当に殺されてしまうかもしれない。そう頭ではわかっていたが、甘森の悪い癖はそう簡単には直らない。
「はは……そっか、そうですよね」
甘森の言葉にしばらく固まっていた一橋だが、ふと甘森から少し上体を離すと眉を下げた寂しそうな、それでいて広角の上がった皮肉げな表情を浮かべてそう言って甘森を見下ろした。ペニスは勃起したままではあるが体内に走る快感がようやく落ち着いた甘森は、今度は頭痛に苛まれて眩しげに目を細めて一橋を見上げていた。
「甘森さんは俺に触られたくないし、俺にキスされたくもないんだ。そっか……はは」
独り言のようにそう呟く一橋を何かおぞましいものを見るような表情で見上げながら、甘森はどうにか逃げられないかと視線を室内へ向けた。どうやらここは甘森の自室ではないようで、見慣れた狭いワンルームよりもずっと広い部屋にいるようだった。寝るためだけの部屋なのか、甘森が拘束されているベッド脇に小さな棚があるくらいで、他には何も見当たらない。おそらくベッドフレームに縄か何かで拘束されているのだろうと思ったところで、不意に甘森の視界に影がさした。
「でも、甘森さんが嫌がっても、俺がしたかったらしちゃえばいいんですよね」
「は……?」
困惑するような声を上げた直後、食べてしまいそうな勢いで一橋が唇を重ね、そのまま口内へと舌を入り込ませた。逃げる算段をつけていたこともあり咄嗟の一橋の行動に反応できず、甘森はされるがままに口内を一橋の舌に荒らされてしまう。歯の表面を一本一本舐められ、そのまま歯の間を掻き分けるように入ってきた舌に上顎を舐められたところでようやく何をされたのか理解をした甘森は「んん~!」と喉で異議を唱えたが、当然一橋に気にしていない。むしろ嫌がる様子を見せる甘森に笑みさえ見せた一橋は、奥に引っ込んだ甘森の舌をすくうようにして舌と舌を絡ませた。
「ん、ぶ……っ」
粘膜同士が絡む音がやけに大きく脳に響くのが気持ち悪く、甘森は吐き気を覚えたが一橋はそんなことはお構いなしに甘森の口内を蹂躙し続ける。逃げようと舌を喉の奥に引っ込めようとしても、かえって一橋の舌を奥まで受け止めることになり呼吸も苦しくなるのですぐに止めた。いっそ舌に思い切り噛みついてやろうとも考えたが、ざらりとした舌の表面同士を擦り付けるようにされると麻痺したかのように体に力が入らなくなってしまう。聞くに耐えない弱々しい喘ぎ声が鼻から抜けていくのが、どうしようもなく惨めだと甘森は冷静に自分を観察した。
「ん゛ぉ……んんっ、ぅ……っは、ん゛ん……」
このまま本当に食べられてしまいそうだと甘森は思った。それほどまでに一橋の舌は執拗に甘森の舌を嬲り続け、時折角度を変えるようにして吐息が漏れる程度に唇を離すが、それでもすぐに再び深く唇を重ねられた。まつげがぶつかりそうなほどの至近距離で目が合うと、一橋は甘森を捕食するかのように舌の動きを激しくした。甘森は一橋の舌から逃れたくて、彼の舌を押し返すようにしてみたり舌を左右に動かしてどうにか負担を減らそうとしたが、それが一橋の愛撫を受け入れているような動きになっているとは露にも思わなかった。
「ん、ん……ぅ、ん゛ん゛っ!?」
長く深いキスにもようやく少し慣れて呼吸もどうにか落ち着いてきた頃、一橋はおもむろに甘森の胸を掌全体で撫でるようにして触れた。立ったままの乳首が一橋の掌に擦れて余計な快感を拾ってしまい、甘森はその甘い疼きに無意識のうちに腰をうねらせた。その反応を見て一橋は喉の奥を鳴らして笑った。一橋は甘森に逃げることは許さないとでも言いたげにわざと、ぬちゃぬちゃとした舌の粘膜の絡んだ音を立ててキスしながら甘森の淡く色づいた乳首の先端を爪でカリカリと小刻みに弾いていじめた。
「ぁん゛、んん゛~~っ、っ!」
息苦しさに呻く甘森の声には甘さがあり、乳首を強く弾くたびに鼻にかかった高い声が出るので、一橋はそれを面白がるように何度も繰り返した。頭が白くなるような快感に、甘森は思わず腰を一橋のジーンズに押し付けるようにして動かしてしまう。拘束されているため大して動けはしないが、腰を小さく上下に揺らすような動きでもペニスがジーンズに少し擦れて気持ちが良かった。
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