短編集

周防

文字の大きさ
39 / 92
スキヤキ

しおりを挟む







「準備出来ました? 」


 小松原はタオル一枚で戻って来た。
 こいつはわざとやっているのかどうかすら分からないが、そんな事をされても
 俺達は平然としていた。
 
 
 何故ならもう決まっていたからだ。
 この後の全てのプランは決まっていた。
 だからこんなタイミングでどうなる事もない。
 
 
 何にだって様式美というものがあるのだ。
 がっついたりはしない、そんな不作法は許されない。
 じっくりと、ねっとりと、しっかりと味わい尽くすのだ。
 
 
「嗚呼、準備は万端だ。もう我慢出来ん! 」


「先輩? ちょっと、何をして……ああ、もう。仕様がない人だな」


 先輩はすぐに小松原を押し倒してしまった。
 相変わらずの力技、そして滑らかな手の動き。
 そしてすぐに始まってしまう。
 
 
「お前が悪いんだぞ小松原。覚悟しろ」


 そうして荒々しく動く先輩は獣のようだ。
 まったく、後でちゃんと躾けてあげないといけないようだなと思いながらも
 他人がやっているのを見るのは意外と嫌いではないのだ俺は。
 
 
 グラスにワインを注ぎ、グラスを回す。
 まずは芳醇な香りを楽しむのだ。
 噎せ返るような強い刺激臭がツンっとした。
 
 
 一口、含んだワインを転がし、弄び、楽しんでから飲み干す。
 喉を液体が通って行くのが解る。
 そして一瞬で腹の底辺りが熱をもつのだ。
 
 
 一通り楽しんだ俺もそろそろいい感じになって来た。
 メインディッシュを頂こうではないか!
 
 
 自分が好きなものを好きなように好きなだけ頂く。
 嗚呼、なんて素晴らしいんだ。
 もっと、もっと、もっとと欲しくなってしまう。


 今日はまだまだ楽しめる。
 だってこんなに大好きなものがあるのだから、味わい尽くしたい。
 最後の一滴まで楽しみたいのだ俺は。
 
 
 
 
 嗚呼、今日のスキヤキは最高だ











しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

処理中です...