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スキヤキ
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しおりを挟む「準備出来ました? 」
小松原はタオル一枚で戻って来た。
こいつはわざとやっているのかどうかすら分からないが、そんな事をされても
俺達は平然としていた。
何故ならもう決まっていたからだ。
この後の全てのプランは決まっていた。
だからこんなタイミングでどうなる事もない。
何にだって様式美というものがあるのだ。
がっついたりはしない、そんな不作法は許されない。
じっくりと、ねっとりと、しっかりと味わい尽くすのだ。
「嗚呼、準備は万端だ。もう我慢出来ん! 」
「先輩? ちょっと、何をして……ああ、もう。仕様がない人だな」
先輩はすぐに小松原を押し倒してしまった。
相変わらずの力技、そして滑らかな手の動き。
そしてすぐに始まってしまう。
「お前が悪いんだぞ小松原。覚悟しろ」
そうして荒々しく動く先輩は獣のようだ。
まったく、後でちゃんと躾けてあげないといけないようだなと思いながらも
他人がやっているのを見るのは意外と嫌いではないのだ俺は。
グラスにワインを注ぎ、グラスを回す。
まずは芳醇な香りを楽しむのだ。
噎せ返るような強い刺激臭がツンっとした。
一口、含んだワインを転がし、弄び、楽しんでから飲み干す。
喉を液体が通って行くのが解る。
そして一瞬で腹の底辺りが熱をもつのだ。
一通り楽しんだ俺もそろそろいい感じになって来た。
メインディッシュを頂こうではないか!
自分が好きなものを好きなように好きなだけ頂く。
嗚呼、なんて素晴らしいんだ。
もっと、もっと、もっとと欲しくなってしまう。
今日はまだまだ楽しめる。
だってこんなに大好きなものがあるのだから、味わい尽くしたい。
最後の一滴まで楽しみたいのだ俺は。
嗚呼、今日のスキヤキは最高だ
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