偏食王子は食用奴隷を師匠にしました

白い靴下の猫

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14☆干しダコリボン

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干しダコの脚を一本切り出して、サフラはとてもかわいくリボンを巻いた。
キルヤ様へのお礼にもっていきたいのだそうで。

もっていくのはいいのだが、立てるようになって数時間で外出しようとするから、私は、そのお使いを替わった。
ちょっとキルヤ様に聞いてみたいこともあったし。

干しダコの脚は、わざわざリボンをかける価値はあったようで、サフラの使いだと言ってそれを見せると、あれよあれよという間にキルヤ様の前まで通してもらえた。

キルヤ様は、お礼の干しダコの脚を見ると、一筋縄じゃ行かないな、といって笑った。

「・・・なぜ、止めなかったんですか?サフラが、私のオーダーメイド装備なんか買うの。サフラの財産なんだから、サフラの装備を買うべきだった」

「おかしくないだろ?女の方が魔物にとって旨いから危険で、あいつはお前が大事。家を売って宝石を買うやつがいるのと一緒だ」

「生活に困っている人間の場合は十分におかしいですよ」

誰も金持ち道楽の話はしていない。

「あはは。まぁ、そうかな。でも、あいつ、本当に切羽詰まらないと、頼ってこないからさ。家とか、配給権とか、捨てる気になったなら反対しないよ。俺が頼られやすくなるだろ?」

「サフラが好きで、頼られたい訳です?」

キルヤはちょっといたずら気味の顔で、にやっと笑った。

「面白いやつは好きだからな。食用奴隷にまでこうなるくらいだし?」

「こうっていわれましてもね・・」

「サフラがもっとチビの頃、仲良しなピクシーがいてさ、スタンピード厄災の時、真っ先にそいつを助けに行った。人間が大変な時に妖精優先かって、大バッシングになって、未だにサイコパス扱い」

「・・・。私も、その時のピクシーみたい、ですか?」

「師匠にしてまで食用奴隷を連れて来るんじゃ、世間的には同じだろ。バッシングじゃすまないんじゃない?おまけに俺の影までついて凌げんの?」

「?」

「あー、サフラ、説明してないのか。俺が加勢する=王族の種候補=バックが無ければ暗殺対象、な?」

「!?そうなるって知っていて、なんで、加勢なんて・・」
    
「俺が頼られやすくなるだろ?」

「あんた!」

思わずつかみかかりそうになって、キルヤ様が戯れとしか言いようのない間合いで剣を抜く。

まぁ、奴隷が有力貴族につかみかかりそうになった段階で、切り捨てられても文句は言えないと思うが、あきらかに、動きが、誘っている。
私にも剣を抜いて見せろと挑発している。

自分の間合いになるまで下がってから、鞘ごと剣をかまえた。
キルヤは、まっすぐに突いてきた。

室内だし、本人の身に着けている物も、部屋の装飾も高そうだったので、怪我も装飾品の破損もないように、しかも音がなるべく響かないように細心の注意で相手の剣をはじく。

他人に踏み込まれたら、絶対悪者は私だから、部屋の外の人間の注意をひきたくはない。

キルヤは2~3回、上段からや、接近して剣を繰り出して来たが、私がなるべく音を立てないようにと弾いているのが偶然じゃないと確認して、剣を収めた。

「うわぁ、お前も充分可愛くないわ。剣が使えるんだな。んで、抜いたらサフラの立場がまずくなるかも、とか考える頭もある、と」

そりゃまぁ、選手だったし、19だったし。

「はぁ、まぁ」

「で、お前こそ、サフラが好きなの?」

「・・・そうですね」

「あいつも?」

「家族愛という意味であれば、耳から垂れる程かと」

キルヤ様は、変わり者め、と、口を動かしたと思う。

「サフラに、俺の妹が嫌なら、不妊手術をしろと言え。暗殺者連中はそれで退く。最悪お前が俺の嫁に来てもいい」

「・・・伝えます」

不妊手術だぁ?可愛いサフラに、絶対、そんなことはさせないけどね!
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