32 / 136
第3章 ~よう
確かめ⑥
しおりを挟む
☆sideシン
オレは情報を整理していた。
<まず、ほぼ確定で言えること。それは>
〔アピスは生きている〕
頭が冷えていく、もうただの人間とは思えない。侮ってはいけないと心に誓ったのだ。
<アピスはグルバンの記憶を覗き見てオレの異能の本質に気付いたはずだ。つまり、ある程度は対策されていると考えていいだろう。オレがリンに会いに来るのを想定していたと考えるなら、やはりおかしい>
こう情報を整理するのも、未だに嫌な予感が消えないからだ。なにかを見落としている。アピスは甘くないと……。そこで閃く。
<アピスならメハに情報を与えるだけだろうか?>
その答えは決まっている。
――sideメハ
色んなゲームをして気晴らしをした。変則ビリヤードや変則バドミントンなど、ここでしかできないゲームをいっぱいした。休憩時にリンが呟いた。
「サッカーならいい?」
私がリンが好きな射的やマジックサバイバルなどを遠ざけていることに気付いて、サッカー程度ならいいのかを聞いているのだ。顔には「無理ならいいよ」と落ち着いた顔つきなのだ……。
「……いいよ」
これが作り笑顔だということもバレバレなのだろうなと心の中で呟いた。
サッカースタジアムに足を運んだ。私たちのサッカーとは超次元サッカーである。ゴールしたら一点なのは変わらないが。竜巻が起きたり、ボールが分身したり、現実ではできないことや派手さが魅力である。
「優嵐」
リンが小さく唱えると、リンを中心に嵐が起こる。風でスタジアムの芝生から小さな砂を巻き上げ、つむじ風を可視化に助力している。繊細な風運びはリンを浮かび上がらせる。周囲には雨が降り注ぐが、リンは風で守られている。威嚇するような雷鳴までもが、意志を持った生き物に見えてくる。だから、リンは名前を付けたのだ。
「はぁはぁ…」
胸が苦しくなる。力が抜け膝立ちになる…。何度も見たリンと優嵐の姿はいつになく神々しく映った。
<私はリンの未来を潰しているのかな?私の選択は間違っていたのかな?>
リンが目の前にいた。優嵐から離れ、辺りの雨も雷も止めて、ただ目の前に座っていた。ぼーっと眺めてしまったが、即座に言葉をかける。
「ご、ごめん。すぐ人とボール用意すr」
「苦しまないで…いいよ」
リンの言葉は壊れ物の私の心にじんわりと、全体に染み渡る。
<でも、これに甘えちゃ!!>
急激に温度が下がる。私が管理してるハズの世界の急変。嵐の前触れは…ずっと感じていた――
オレは情報を整理していた。
<まず、ほぼ確定で言えること。それは>
〔アピスは生きている〕
頭が冷えていく、もうただの人間とは思えない。侮ってはいけないと心に誓ったのだ。
<アピスはグルバンの記憶を覗き見てオレの異能の本質に気付いたはずだ。つまり、ある程度は対策されていると考えていいだろう。オレがリンに会いに来るのを想定していたと考えるなら、やはりおかしい>
こう情報を整理するのも、未だに嫌な予感が消えないからだ。なにかを見落としている。アピスは甘くないと……。そこで閃く。
<アピスならメハに情報を与えるだけだろうか?>
その答えは決まっている。
――sideメハ
色んなゲームをして気晴らしをした。変則ビリヤードや変則バドミントンなど、ここでしかできないゲームをいっぱいした。休憩時にリンが呟いた。
「サッカーならいい?」
私がリンが好きな射的やマジックサバイバルなどを遠ざけていることに気付いて、サッカー程度ならいいのかを聞いているのだ。顔には「無理ならいいよ」と落ち着いた顔つきなのだ……。
「……いいよ」
これが作り笑顔だということもバレバレなのだろうなと心の中で呟いた。
サッカースタジアムに足を運んだ。私たちのサッカーとは超次元サッカーである。ゴールしたら一点なのは変わらないが。竜巻が起きたり、ボールが分身したり、現実ではできないことや派手さが魅力である。
「優嵐」
リンが小さく唱えると、リンを中心に嵐が起こる。風でスタジアムの芝生から小さな砂を巻き上げ、つむじ風を可視化に助力している。繊細な風運びはリンを浮かび上がらせる。周囲には雨が降り注ぐが、リンは風で守られている。威嚇するような雷鳴までもが、意志を持った生き物に見えてくる。だから、リンは名前を付けたのだ。
「はぁはぁ…」
胸が苦しくなる。力が抜け膝立ちになる…。何度も見たリンと優嵐の姿はいつになく神々しく映った。
<私はリンの未来を潰しているのかな?私の選択は間違っていたのかな?>
リンが目の前にいた。優嵐から離れ、辺りの雨も雷も止めて、ただ目の前に座っていた。ぼーっと眺めてしまったが、即座に言葉をかける。
「ご、ごめん。すぐ人とボール用意すr」
「苦しまないで…いいよ」
リンの言葉は壊れ物の私の心にじんわりと、全体に染み渡る。
<でも、これに甘えちゃ!!>
急激に温度が下がる。私が管理してるハズの世界の急変。嵐の前触れは…ずっと感じていた――
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
【改訂版】槍使いのドラゴンテイマー ~邪竜をテイムしたのでついでに魔王も倒しておこうと思う~
こげ丸
ファンタジー
『偶然テイムしたドラゴンは神をも凌駕する邪竜だった』
公開サイト累計1000万pv突破の人気作が改訂版として全編リニューアル!
書籍化作業なみにすべての文章を見直したうえで大幅加筆。
旧版をお読み頂いた方もぜひ改訂版をお楽しみください!
===あらすじ===
異世界にて前世の記憶を取り戻した主人公は、今まで誰も手にしたことのない【ギフト:竜を従えし者】を授かった。
しかしドラゴンをテイムし従えるのは簡単ではなく、たゆまぬ鍛錬を続けていたにもかかわらず、その命を失いかける。
だが……九死に一生を得たそのすぐあと、偶然が重なり、念願のドラゴンテイマーに!
神をも凌駕する力を持つ最強で最凶のドラゴンに、
双子の猫耳獣人や常識を知らないハイエルフの美幼女。
トラブルメーカーの美少女受付嬢までもが加わって、主人公の波乱万丈の物語が始まる!
※以前公開していた旧版とは一部設定や物語の展開などが異なっておりますので改訂版の続きは更新をお待ち下さい
※改訂版の公開方法、ファンタジーカップのエントリーについては運営様に確認し、問題ないであろう方法で公開しております
※小説家になろう様とカクヨム様でも公開しております
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる