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62 やっと見つけた
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「エリザベス!!」
「え?」
天から声が降ってきた。
エリカとラファエル、他の騎士達も一斉に空を見上げる。ラファエルが二階にいるオズワルドを見つけ、驚愕して叫んだ。
「オズワルド様! おやめください!!」
オズワルドは手摺りを乗り越え、飛び降りようとしていた。日本とは違い、西洋の二階は高いのである。
二階を警備していた騎士や兵士も騒ぎに気付き、すぐさま駆け付けてきて止めようとした。
しかしオズワルドは怯むことなく、伸びてきた騎士の手を振り切って、手摺りから飛び降りてしまう。
下は草地であったが、途中で木の枝に引っかかり、ズザザザザアーーー! と凄まじい音をさせて着地した。
「大丈夫ですか!」
「オズワルド様!!」
中庭にいた騎士たちが駆け寄るなか、それらには目もくれず、エリカのもとへ走り寄る。
”まずい!”とエリカは立ち上がり、逃げの体勢に入ったが、オズワルドの顔を見て動きを止めた。
「血が……、枝で切ったのですね。なんて無茶を……!」
彼の頬は切れ、血が流れている。
エリカは伸ばしかけた手を、ハッと気づいて引っ込めようとした。オズワルドはすかさずその手を掴み、神に祈るように額に押し当てた。
「やっと……、やっと見つけた。エリザベス。二度と離さない――」
「え?」
天から声が降ってきた。
エリカとラファエル、他の騎士達も一斉に空を見上げる。ラファエルが二階にいるオズワルドを見つけ、驚愕して叫んだ。
「オズワルド様! おやめください!!」
オズワルドは手摺りを乗り越え、飛び降りようとしていた。日本とは違い、西洋の二階は高いのである。
二階を警備していた騎士や兵士も騒ぎに気付き、すぐさま駆け付けてきて止めようとした。
しかしオズワルドは怯むことなく、伸びてきた騎士の手を振り切って、手摺りから飛び降りてしまう。
下は草地であったが、途中で木の枝に引っかかり、ズザザザザアーーー! と凄まじい音をさせて着地した。
「大丈夫ですか!」
「オズワルド様!!」
中庭にいた騎士たちが駆け寄るなか、それらには目もくれず、エリカのもとへ走り寄る。
”まずい!”とエリカは立ち上がり、逃げの体勢に入ったが、オズワルドの顔を見て動きを止めた。
「血が……、枝で切ったのですね。なんて無茶を……!」
彼の頬は切れ、血が流れている。
エリカは伸ばしかけた手を、ハッと気づいて引っ込めようとした。オズワルドはすかさずその手を掴み、神に祈るように額に押し当てた。
「やっと……、やっと見つけた。エリザベス。二度と離さない――」
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