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第十二章
腕(かいな)の中のリリアーナ 76 「しまったあぁあああ!! 触れたかったのにいぃいいい!!」
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その日の夜――
「いらっしゃ~い、あっ、ラザファムさん、いつもの席ですね?」
「いや、今日は人目につかない席がいいな」
「なぜだ? 私はそのいつもの席で構わないぞ?」
「あら、こちらさん上品で男前! お友達も一緒なら、いつもの席のほうが窓際で通りも見渡せていいじゃないですか。こちらになりま~す♪」
席に着きながらラザファムに、連れの男が話しかける。
「どうした? 渋い顔をして」
「貴方はご自分の立場を自覚していますか?」
「ああ、自覚しているから変装をしてきたんじゃないか」
もうお分かりだとは思うが、ルイス王子がお忍びでラザファムと夜の町に繰り出してきたのだ。
「これが噂に聞く大衆酒場か……」
興味深そうに店の中を見回すルイスは、ブラウンの鬘に眼鏡をかけて、服装もチョイ金持ち風庶民を装っている。本人は普通の庶民風が良かったのだが、即座にラザファムに却下された。
どう装っても、上流階級に属する雰囲気は隠せない。今のチョイ金持ち風だって浮いているのだ。多分周りは貴族が変装していると思っているだろう。
まあ、要は王子とバレさえしなければいいのだ。
「はい、おまちどうさま!」
先ほど案内をしてくれた赤毛の可愛い看板娘が、エールとおつまみを運んできた。ジョッキを音を立ててかち合わせ、すぐに喉を潤す。
「あ~、うまい!! ところでお付きの方々はどうしたんです? 外で待っているんですか?」
「ん? 帰したぞ」
ぶっ!! と口からエールを吹き出す。
「何をやっているんですか!!ご自分の立場を本当に分かってるんですか!?」
「抜かりない。父上が心配して、密偵として使っている手練れの者を私につけてくれた。いざとなったら助けてくれる筈だ。それに、こんな時ぐらいは警護抜きでのんびりと飲みたいからな」
「それならいいのですが……」
「ラザファムも優秀じゃないか。何かあったらそいつが出てこなくても、君が片付けてくれるさ、頼りにしているぞ」
「はぁ……」
確かに抜かりがない。上に立つ者としても褒め上手だし、優秀ではあるのだが……
「それより見たか!? 今日のサファイア姫のあの姿……いつもはあれだけ強気なのに、私の胸に凭れかかって、小柄な身を震わせて、潤んだ蒼い瞳で、私を、私を……!」
「あー、はいはい声を落として下さい」
何でサファイア姫に関してだけは、こんなに残念なんだろう……
「まだぬくもりも残っているぞ、決めた! 私はもう、金輪際風呂には入らない! このぬくもりを断固死守する!!」
「いや、入りましょうよ。嫌われますよ」
「ただ惜しいのは……」
「人の話聞いてますか?」
「半袖を着ていなかったことだ。着ていたら、彼女の肌が直接触れて……いかん、鼻血出る」
「それ、サファイア様の前で絶対に言わないで下さいね。嫌われますから」
「もう、嫌われてるさ……」
トーンダウンしたルイスがしょんぼりとした様子で続けた。
「頬に触れようとしたら、目を瞑ってあんなに嫌そうに……」
「それ、本気で言ってます?」
「冗談でこれだけ落ち込んでいると思うのか?」
「普段はあれだけ人の心の裏まで読むのに、女というものが、いや、サファイア様を分かってませんねぇ」
「どういう事だ?」
「サファイア様は、嫌ではありませんでした。寧ろ触れられたい……と思ったんじゃないかな」
「そんな馬鹿な……! じゃあ、あの反応は?」
「男慣れしていないだけですよ」
「なん……だと?」
「普段言い寄ってきても、一刀両断でバッサバッサ切り捨てるから、今日みたいな経験がないし、どうしたらいいか分からなかったんですよ」
「まずい、可愛すぎるぞ……待てよ、という事は私はあそこで……」
ラザファムがこんがりと焼けた豚肉を頬張りながら頷く。
「触れるべきでしたね」
「しまったあぁあああ!! 触れたかったのにいぃいいい!!」」
のたうち苦しんでいるルイスの横で、大いに飲み食いをするラザファム。今日はルイスの奢りなのだ。たんと食べなければ。
「ヅラずれてますよ。でも、却ってあれで良かったかな。紳士的で印象が良かったと思います。株が上がりましたね」
「そうか……?」
鬘を直しながら溜息を吐いたルイスが、思い直したように顔を上げた。
「そうだな、前向きに考えよう。男慣れしていないという事は……男性に誘われていない=ライバルが少ないという事だ」
「ライバル自体は多いですよ?」
「なん……だと?」
「貴方みたいに”サファイア姫に叱られたい、なじられたい” という輩が結構いるんです。俺の主、小柄な上に、クリッとしたアーモンド型の目で、髪も金髪でフワフワしていて、一見小動物のように愛らしいじゃないですか? ”こんな可愛らしい姫君の口から、罵詈雑言が!?” ってギャップがまた、堪らないらしいです」
「俺以外に彼女の良さを分かる奴がそんなに……」
ルイスが拳を握り締めて、湧きあがる嫉妬心にワナワナと震え始めた。
「本人分かってませんけどね。舞踏会でダンスの申し込みが殺到していても”あれは社交辞令みたいなものよ”って、歯牙にもかけませんから」
「サファイア姫を狙っているのはどこのどいつだ?」
「えーと、まずブラーゼン伯爵の……駄目です! 何メモろうとしているんですか!? まさか抹殺する気じゃないでしょうね!? チッ、って……舌打ちなんかしないで下さい!!」
ラザファムがメモ帳ごと取り上げてビリビリに破き、ポケットに突っ込んだ。
「本当に油断も隙もないんですから」
恨めしそうにポケットを見ているルイスを無視して、ラザファムはとっとと話題を変えた。
「それにしても、ルイス様はモテ要素で溢れていて、嫌でも女性が群がってきたでしょうに、女心が分からないなんて意外ですね」
「女性は苦手だ」
「ああ、ロリコ……失礼、今まで少女以外は興味がなかったんでしたっけ?」
「少女も……実際には手を出した事はない」
「えっ、だってリリアーナ様や、かつては部屋に少女の姿絵も溢れていたんでしょう?」
「少女は見ていて愛らしいし、苦手じゃないだけで、姿絵で溢れていたのは縁談を断る口実になるからだ。リリアーナ姫について言えば、惹かれたのは事実だ。同じ立場で近いものを感じたのと、天使のように清らかで、このまま育てれば理想の女性になると思えたから」
「そうだったんですか……」
最近よく話すようになって、何となくは感じていた。それよりもルイスの淡々とした口調が、どこか寂しげで気になった。
「………サファイア様のどこに惹かれたんですか? ”優しい”って言いますけど、優しい女性なら他にいくらでもいますよ?」
「それは……」
ルイスが途中で話すのをやめて、ラザファムの背後に注目した。
「どうしたんで…」
「危な…」
ドゴオォッ!! と男の身体がラザファムを直撃する。酔っ払いの喧嘩であった。
「おまえらぁぁあああ!!」
制裁を加え……もとい仲裁する為にラザファムは立ち上がる。
「ふむ、やはり頼りになる奴だ……」
ルイスは高みの見物としゃれ込んで、カレイのから揚げに舌鼓を打った。
「いらっしゃ~い、あっ、ラザファムさん、いつもの席ですね?」
「いや、今日は人目につかない席がいいな」
「なぜだ? 私はそのいつもの席で構わないぞ?」
「あら、こちらさん上品で男前! お友達も一緒なら、いつもの席のほうが窓際で通りも見渡せていいじゃないですか。こちらになりま~す♪」
席に着きながらラザファムに、連れの男が話しかける。
「どうした? 渋い顔をして」
「貴方はご自分の立場を自覚していますか?」
「ああ、自覚しているから変装をしてきたんじゃないか」
もうお分かりだとは思うが、ルイス王子がお忍びでラザファムと夜の町に繰り出してきたのだ。
「これが噂に聞く大衆酒場か……」
興味深そうに店の中を見回すルイスは、ブラウンの鬘に眼鏡をかけて、服装もチョイ金持ち風庶民を装っている。本人は普通の庶民風が良かったのだが、即座にラザファムに却下された。
どう装っても、上流階級に属する雰囲気は隠せない。今のチョイ金持ち風だって浮いているのだ。多分周りは貴族が変装していると思っているだろう。
まあ、要は王子とバレさえしなければいいのだ。
「はい、おまちどうさま!」
先ほど案内をしてくれた赤毛の可愛い看板娘が、エールとおつまみを運んできた。ジョッキを音を立ててかち合わせ、すぐに喉を潤す。
「あ~、うまい!! ところでお付きの方々はどうしたんです? 外で待っているんですか?」
「ん? 帰したぞ」
ぶっ!! と口からエールを吹き出す。
「何をやっているんですか!!ご自分の立場を本当に分かってるんですか!?」
「抜かりない。父上が心配して、密偵として使っている手練れの者を私につけてくれた。いざとなったら助けてくれる筈だ。それに、こんな時ぐらいは警護抜きでのんびりと飲みたいからな」
「それならいいのですが……」
「ラザファムも優秀じゃないか。何かあったらそいつが出てこなくても、君が片付けてくれるさ、頼りにしているぞ」
「はぁ……」
確かに抜かりがない。上に立つ者としても褒め上手だし、優秀ではあるのだが……
「それより見たか!? 今日のサファイア姫のあの姿……いつもはあれだけ強気なのに、私の胸に凭れかかって、小柄な身を震わせて、潤んだ蒼い瞳で、私を、私を……!」
「あー、はいはい声を落として下さい」
何でサファイア姫に関してだけは、こんなに残念なんだろう……
「まだぬくもりも残っているぞ、決めた! 私はもう、金輪際風呂には入らない! このぬくもりを断固死守する!!」
「いや、入りましょうよ。嫌われますよ」
「ただ惜しいのは……」
「人の話聞いてますか?」
「半袖を着ていなかったことだ。着ていたら、彼女の肌が直接触れて……いかん、鼻血出る」
「それ、サファイア様の前で絶対に言わないで下さいね。嫌われますから」
「もう、嫌われてるさ……」
トーンダウンしたルイスがしょんぼりとした様子で続けた。
「頬に触れようとしたら、目を瞑ってあんなに嫌そうに……」
「それ、本気で言ってます?」
「冗談でこれだけ落ち込んでいると思うのか?」
「普段はあれだけ人の心の裏まで読むのに、女というものが、いや、サファイア様を分かってませんねぇ」
「どういう事だ?」
「サファイア様は、嫌ではありませんでした。寧ろ触れられたい……と思ったんじゃないかな」
「そんな馬鹿な……! じゃあ、あの反応は?」
「男慣れしていないだけですよ」
「なん……だと?」
「普段言い寄ってきても、一刀両断でバッサバッサ切り捨てるから、今日みたいな経験がないし、どうしたらいいか分からなかったんですよ」
「まずい、可愛すぎるぞ……待てよ、という事は私はあそこで……」
ラザファムがこんがりと焼けた豚肉を頬張りながら頷く。
「触れるべきでしたね」
「しまったあぁあああ!! 触れたかったのにいぃいいい!!」」
のたうち苦しんでいるルイスの横で、大いに飲み食いをするラザファム。今日はルイスの奢りなのだ。たんと食べなければ。
「ヅラずれてますよ。でも、却ってあれで良かったかな。紳士的で印象が良かったと思います。株が上がりましたね」
「そうか……?」
鬘を直しながら溜息を吐いたルイスが、思い直したように顔を上げた。
「そうだな、前向きに考えよう。男慣れしていないという事は……男性に誘われていない=ライバルが少ないという事だ」
「ライバル自体は多いですよ?」
「なん……だと?」
「貴方みたいに”サファイア姫に叱られたい、なじられたい” という輩が結構いるんです。俺の主、小柄な上に、クリッとしたアーモンド型の目で、髪も金髪でフワフワしていて、一見小動物のように愛らしいじゃないですか? ”こんな可愛らしい姫君の口から、罵詈雑言が!?” ってギャップがまた、堪らないらしいです」
「俺以外に彼女の良さを分かる奴がそんなに……」
ルイスが拳を握り締めて、湧きあがる嫉妬心にワナワナと震え始めた。
「本人分かってませんけどね。舞踏会でダンスの申し込みが殺到していても”あれは社交辞令みたいなものよ”って、歯牙にもかけませんから」
「サファイア姫を狙っているのはどこのどいつだ?」
「えーと、まずブラーゼン伯爵の……駄目です! 何メモろうとしているんですか!? まさか抹殺する気じゃないでしょうね!? チッ、って……舌打ちなんかしないで下さい!!」
ラザファムがメモ帳ごと取り上げてビリビリに破き、ポケットに突っ込んだ。
「本当に油断も隙もないんですから」
恨めしそうにポケットを見ているルイスを無視して、ラザファムはとっとと話題を変えた。
「それにしても、ルイス様はモテ要素で溢れていて、嫌でも女性が群がってきたでしょうに、女心が分からないなんて意外ですね」
「女性は苦手だ」
「ああ、ロリコ……失礼、今まで少女以外は興味がなかったんでしたっけ?」
「少女も……実際には手を出した事はない」
「えっ、だってリリアーナ様や、かつては部屋に少女の姿絵も溢れていたんでしょう?」
「少女は見ていて愛らしいし、苦手じゃないだけで、姿絵で溢れていたのは縁談を断る口実になるからだ。リリアーナ姫について言えば、惹かれたのは事実だ。同じ立場で近いものを感じたのと、天使のように清らかで、このまま育てれば理想の女性になると思えたから」
「そうだったんですか……」
最近よく話すようになって、何となくは感じていた。それよりもルイスの淡々とした口調が、どこか寂しげで気になった。
「………サファイア様のどこに惹かれたんですか? ”優しい”って言いますけど、優しい女性なら他にいくらでもいますよ?」
「それは……」
ルイスが途中で話すのをやめて、ラザファムの背後に注目した。
「どうしたんで…」
「危な…」
ドゴオォッ!! と男の身体がラザファムを直撃する。酔っ払いの喧嘩であった。
「おまえらぁぁあああ!!」
制裁を加え……もとい仲裁する為にラザファムは立ち上がる。
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