私はビーストだと気がついた時

紙面挿花

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私はビースト

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気がつくと私の姿は人でない事が分かった。
人の肌とは違う赤みのあるゴツゴツとした皮膚と黒い鋭い爪。でっぷりとした体つきにボサボサの髪の毛と角、更に顔は三白眼と大きな口とそこからはみ出る牙。

ーオーガ

人ならざるもの。怪物のそれである。
生まれつきなのか、それとも後天的に呪いか病気でなったのか、記憶が曖昧である。
ただ分かるのは、私は貴族の娘であり、両親は既に他界している。私の周りに居るのは使用人のみである。彼らは淡々と私の世話をしてくれる。

「やあ」

それと、両親のいない私の後見人となってくれる叔父が時折やってくる。それ以外の人とはあまり交流した事がない。
まぁ、理由は言わずもがな、私の姿に皆ビビり散らかすのである。興味本位出やってきた近隣の子どもや外部の行商人など腰を抜かして命乞いをするのである。

「失礼ね、貴方より料理人が作った鹿肉の煮込みのほうが美味しいわ」

そう言ってその場を去って不貞腐れているのを使用人が宥める。それが何時もの日常である。
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