私はビーストだと気がついた時

紙面挿花

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それでも私は令嬢である

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何故私がオーガなのか、何時も頭の中を巡っている。叔父に何故私はオーガなのかを叔父に尋ねたが、叔父は悲しげな顔で応えることができなくて済まないと謝るばかりである。なので、早々に諦めた。

10歳を過ぎる頃。叔父が家庭教師を呼んで来た。
基本的なマナーや知識は家の使用人から教わっており、親の貴族としての責務や仕事については叔父や家令などから教わる予定であったので、何故呼ぶのか聞くと

「君は貴族の御令嬢だ。その為の知識と礼節を身に付けなさい。」

しかし、私の姿を見たら飛んで逃げるに違いないので、難しいのではないかと私はそう思った。
やはり、思った通りに数人がビビり散らかし、逃げた。ほら見た事かと、去っていく家庭教師の後ろ姿を眺めていた。そんな中、珍しく私にビビりながらも家庭教師をやってのける強者がいた。
その人物は本の物語にに出てくるようなキツイ顔つきの夫人であった。彼女は少し震えた声で、それでもハッキリとした口調で私に挨拶をして、令嬢としての知識等を教えてきた。

「夫人、よく私の家庭教師をしてくれますね」

ある程度慣れた頃に、私は彼女に質問した。

「そうですね、最初は怖かったのですが、家族の事で金銭的な問題で後先がなかったので」
「つまり、お金を優先したって事ね」
「誠に申し訳ないのですが、そうですね」
「まぁ、我が家はそれなりに持っているから気にしないわ」
「ですが、そのおかげでオーガの令嬢に見事に家庭教師として務めた事に箔が付きましたわ」
「なかなかの事を言いますわね」

彼女は、私の姿に慣れてきたのか、もう震えた声はしていなった。

暫くして、貴族の令嬢として最初のお茶会が王城で開催される招待状が来るのである。私宛のものが来たのだが、内容を見てやはりと思った。
私宛の内容にはお茶会の開催について書かれてはいるものの、私の容姿から他の令嬢が怖がるので、どうか休んでは貰えないかという頼み事と休んだ事への埋め合わせきちんとするという内容であった。それを読んだ後、私は淡々と傍付きの侍女にその事についての了承の返事をする為の手紙を用意して貰った。

分かってはいるものの、辛いものである。

お茶会開催当日の日、叔父が見かねて家庭教師と共に小さなお茶会を開いてくれた事に少しだけ泣いた。
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