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~第一章~
15話
しおりを挟むあの日からしばらくたった....
忙しい日々を送る公爵家はあの日以来、てんてこまいだ!
お兄様の顔の腫れは収まったもののまだ痛そうな色をしていて最近やっと普通の食事を捕れるようになってきたようで、少しずつではあるが回復してきている!
私も時々...と言うかお兄様がお部屋で出来る執務を開始されたあたりから暇を見つけては呼び出しされるようになってしまった!!
最近本当にシスコンを拗らしてしまっているお兄様は、一度私が部屋に行ったらなかなか離してくれなくなりそのたびにルーシーが私に必要な物を移動させるので毎回大変な事になっている!怪我をさせてしまった事を気にしているのかタヌカがワガママを聞くせいで私とルーシーが巻き添えをくらってしまっている。
まぁお兄様のワガママなんて私を部屋に呼んで欲しいくらいなものなのだけれど、それでも私とルーシーは多い時は一日になんども部屋を行き来する事があり本当に疲れる......
そのおかげで夜お兄様のお部屋でいる時はそのまま寝落ちしてしまう事が多くなって気づけば朝、なんて事しょっちゅうだ!これは絶対お兄様の策略なのよ!!
自分が部屋を出してもらえなくなって私の部屋に来ることができず居座り添い寝が出来なくなったからって私を自分の部屋に呼んで寝かしてしまおう作戦なのよ!!
分かってんだからね!
それでも、とても可愛がってくれて、私の事を天才だ!と言うお兄様が最近お勉強を教えてくれるから私にとっても利点があるのだ!!
ベッドに一緒に座り背中に沢山のふわふわクッションを置いてくれて、とても分かりやすく領地の色々な所を地図を使って教えてくれたり、自警団からいつも来てくれてお兄様に剣術の授業をしてくれる方にも紹介してもらえた!
公爵家のご当主タヴィア様が領民の為に自警団もしっかり運営して下さっているのでこの領地は平和なんですよ、と
副団長様が誇らしげに話してくれるので、お母様の事をそんな風に言われてとても嬉しくなったのを思い出す。
そして謎だった事がもう一つとけた!!!
今までお母様が私に色々買ってくださったり、お兄様にはウサギのぬいぐるみをプレゼントしてもらったりとしていたのだがお二人ともとても忙しいにいつ買い物に行ってるの?っと疑問だったのだが、実は商人と言われる方が直接色んな物を持ってきてくれてその中から気に入った物を買うのが貴族社会では普通なようだ!!!
転生前の乙女ゲームでも商人はいたが、あれはアイテムを買うためのゲームの仕様だと思っていたのでわざわざ来てくれるっと言う事にびっくりした!
公爵家が代々使っている商会はいくつもあるらしいのだがよく使うのがディローサ商会と言う所で、お兄様の様子を聞いて心配してくださった商会の主のトムソンさんと言う方が来てくれた。
その時たまたまお兄様の部屋に居た事で分かった事だ!
貴族と言うのは基本買い物をする時はこのように商人を呼んで買い物するんだよーっと言うお兄様に、贅沢か!!っと心の中でツッコんだものの、よくよく考えると町に買い物に行く際上位の貴族なら護衛や使用人を沢山つれて行かないといけないから面倒なんだと気付いた。
それなら仕方ないか、と思ってお兄様がトムソンさんを紹介してくれて、色々説明をしてくれているのを黙って聞く。
商会はこうして色んな自分たちが持っているお店から、依頼された内容に合った物を持ってきてくれる、そして新しい商品をこちら側が提示すれば、商会で商品化して売り出してもくれると言うのだ!
実際あのレラリーヌと言う名前がついたイチゴもこの商会を通して、欲しいと言ってくれる貴族の家に販売しているみたいだ。
沢山色々な事を教えてくれる中で改めて勉強になったこともある!
それぞれの領地には名産品と呼ばれる品があり、うちの公爵領はワインだ!
それは知っていたのだが、このワイン作りの為のいい土壌の畑が沢山あり土地自体がもともと豊かで、なおかつ広大で気候にも恵まれたからワインの元となるブドウ園がうまくいき名産となったと言う事もきけた。
昔から仲が良く交流していると言われてる別の公爵家では製糸産業が盛んな所があって時々うちで作った良い出来のワインをおすそ分けするとレース編みの扇子や綺麗な絹の手袋がお母様に届くのだそうだ!
その糸もこのディローサ商会に言えば手に入るみたいで、なんか何でも屋みたいだなぁっと思っているとその自覚はあるようで、自分たちは商品になり必要とされるものなら何でも用意すると自慢げに言っていた。
お兄様の部屋に頻繁に出入りするようになって気付いたのだが、なんか此処に居たほうがいつもより勉強になるんじゃないか?と思ったがこれはお兄様の怪我が原因で成り立っていると考えるとやはり、いつもどうりでいいや。と思う.....
お兄様が痛い思いをしなければならないなら自分で学べるまであともう少しなのだから待てばいいのだと......
そんなこんなで、知識量も増えて来て今後の役に立つ事を考えているとふと思う
確かに私はこの世界に産まれ直してきて、転生前の記憶を持っていたからお兄様と仲良くしておこうと思ったのだけれど、そもそもお兄様と何故あの乙女ゲームでは仲良くなかったのだろうか.....
あのゲームではお母様のタヴィアは名前だけしか出てこない存在で、兄妹仲も悪かった....
悪かったと言うか関係をあまり持っていなかったようだったと言うのが正しい。
それでも、お母様の性格的に私たちは小さい時から仲良く育てようとしてる感じだったので、関係を持っていなかったあのゲームの内容と矛盾する......
確かに兄妹の関係があまりになかった為に見捨てられると言う事を知っていたから出来るだけお兄様に赤ちゃんが出来る最大の媚の売り方をしてきたとは思う!!!!
媚を売ると言うのはお兄様に失礼だが、あの時は必死だったのだ!
赤ちゃんなりに会いに来てくれたら出来るだけ笑うようにし、指をにぎにぎしたり、ハイハイが出来るようになったころにはお兄様が歩く後ろをついて行ったりと出来うるだけの努力はしてきた!!!
だからこそ思うのだ。
お兄様は最初から私を可愛いといってかまっていた気がする。
産まれた時は頭では分かっていても指を握る程度の事しかしてないのだから、ゲームのシナリオでは詳しく書かれていなかった事だから分からないが、兄妹の仲が悪くなる意味が分からないのです。
これから何かあるのかなっと思う事はあっても、今のお兄様が私との関係を避ける様な事をするとは思えないし.....
ここで生活をし、日々を過ごしているとあのゲームのシナリオどうりにはならないと言うことなのか、それとも何か回避できるようなきっかけがあるのか。
きっかけがあるとすれば今はお母様の病気を一日でも早くなんとかしてあげたい。
辛そうにしているお母様をみると幼児の自分を本当に恨めしく思う。
もし幼児でなくても何もできないかもしれないがそれでも、何とかしてあげたいと思ってしまう.....
この世界での医療はまだ発展途上のような状態で、機械を使った診断や治療などないようだ..
だから今のお母様をどうにも出来ないと言う事なのだろう......
お医者様の処方する薬で痛みを緩和し息苦しさや熱をさげ、あとはお母様自身の回復力にかけるしかないような状態になってしまっている。
今私の出来ることはどうかお母様が治るようにと願う事くらいなのだ.......
そうやって考え事する私を突然お兄様が抱き上げ膝の上にのせてくる!
どうしたのかと思った私がお兄様の顔を覗き込むと、おでこをスリスリしながら兄様を構っておくれーと情けない声を出している............
以前のお勉強会で貰った領地の地図を見ながら考え事をした私があまりにもお兄様の事を構わないから拗ねてしまったようだ....
おでこスリスリをしかえしてお兄様のご機嫌をとりながら思う。
こんな穏やかな日々が続けばいいのになぁと。
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