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~第一章~
20話
しおりを挟むそんなこんなでしばらく弁護士のお兄さんの腕の中で眠っていた私だが、何故かふわふわしてるなーと眠い目を少し開けると視界がゆらゆらしていてびっくりして起きた!!
だっていつのも目線より明らかに高いし、ゆらゆらしてるし、ルーシーの腕でもお兄様の腕でもない人の腕の中.....
ゆっくり顔を上げると弁護士さんのイケメン笑顔が目の前にあり、すごくびっくりして固まってしまった。
結構寝てしまっていたみたいで、お兄様が私を覗き込んでレーラ疲れてたんだねー僕の所においでーと手を伸ばしてくるので、素直にそちらに行く。
なんだか寂しそうな弁護士さんには申し訳ないが脳内25歳の私からしたら初対面の人に抱っこされて眠るなんて、生き恥晒したに等しいんだからお兄様に行くに決まっている。
お兄様のは、もぉシスコンだと諦めているのでそれはいいのだが、初対面ではきついのだ....
僕もそろそろ報告があるので帰らせて貰いますね。もし何かあればすぐに駆けつけますので連絡を下さい、とあのキリッとした表情に戻りきちんとした挨拶をして帰っていったが、お見送りの際には私の手を握りまた会いにきますねーと言って帰って行った。
かなかな面白いけど変な人だなーと思い、これからまた忙しくなるお兄様と執務室に戻る。
来てくださった方にお礼状を書いたり、王宮に無事全て終わりましたと報告もしなければならないようだ。
まさか、今の代の王妃様とお母様が何故かお知り合いだったらしく最後の言葉まで下さったのだ!!
今日だけでも改めてお母様のお顔の広さにビックリしたし、その優秀さゆえに、早くに家督を継ぐ事になり立派にお勤めを果たされていたのだなと思った一日でもあった。
それとお母様の死で私が疑問だった事が解けた気がするのだ。
以前に考えていた時にはお兄様と私の仲が改善されてあのシナリオからは程遠いほどお互い仲良い兄妹なのだが、私はほぼ何も出来ていないと思っていたのだが......
そう言えばあの時の自分に出来る範囲で精一杯仲良くしようと努力はしていた。
けれどお母様はあのシナリオどうり逝ってしまわれた。
これは抗えない運命なのかとも思ったのだが、多分違う。
私が自ら動くと言う事が重要なのだと気づいた。
お兄様にしていてお母様にしていない事を考えるとその答えにたどり着いたのだ。
お兄様には自ら仲良くなろうとして私は必死になっていた。けれどお母様の事は今の私には何も出来ないと思い、会いに行ったりしていただけだった。
それはそうだろう。幼児の私にお母様の病状を治す手立てなどなく、ただ毎日祈る日々だったのだから.....
と言う事はお母様の未来は最初から変えられない事だったのかと思うと、何とも言えない気持ちになる。
それでもこれからの為に私は精一杯お母様を悲しませる行き方をしないと決めているのだ。
これからは出来る事がどんどん増えて行き、お兄様のお役に立てる事も絶対増えていくのだから。
くよくよして後ろを見ている暇なんて私にはない。
それならば今回分かった事を自分の糧としてやっていくしかないのだから....
最初は首を刎ねられる結果を避ける為色々頑張ろうと自分の為だけにやってきたけれど、今ではそんなのどうでもいい。
この公爵家の為、お兄様の為だけに私は頑張りたいのだから
父もこれで好き勝手出来なくなるだろう。
仕事をしなければお金は入ってこないし、そらならばあの商人の女にも会いに行けず貢いだりもできないから愛想尽かされると思うし...
もし、会いに行ったとしてももぅ困る事もない。
いても居なくてもお兄様のやる事は変わらないし、使用人達には迷惑をかけるが、その程度なら今まで通りやっていける。
あれから食事や、飲み物の要求以外部屋に篭り出てこなくなった父は今頃お母様が宛てた個人の遺言書を見ている頃だろう。
お兄様宛の物には遺言と言うよりかは、これから迷惑を沢山かける事になるが父の暴走はこれで止まるだろうと書いていた。
多分お兄様に手をあげたら何かあると言う事が、父の方に宛てた物には書いてあるのだろう。
安心して自分の家を守って欲しい、その為にお母様の出来る事は全て行ったつもりだとも書かれていた。
困った事があればお母様の友達を頼りなさいとも書かれていて、沢山の名前が書かれている。
この人達はお母様の味方でありこれからはお兄様の味方になってくださる方々なんだとすぐに分かった。
あとは本当に個人的な事なので私は見るのを遠慮した。
そして、私宛の遺言書は6歳まで開けずに取っておく様にと書かれていた。
多分これは文字が読めるようになり、内容を理解出来るようになったら自分で読んでと言う事だろうし、6歳と言うのは初めて貴族の方々に来てもらいお誕生日会と言う名の、お披露目会をする貴族の子供の登竜門みたいな物が行われる歳だからかもしれない。
お兄様のお披露目会もあったみたいだが生まれたての赤ちゃんだった私はノンらに預けられて居た。
お兄様のお誕生日と私のお誕生日はすごく近いので私は不参加となったのだがもし、兄弟がいれば参加する事もできたらいし。
それがお披露目前の年齢でもだそうだ。
まぁこのお披露目会で王宮からやって来ていた国王陛下と王妃様が信頼する家臣の目に入り王宮に帰ったあと報告するので、王子殿下の婚約者に選ばれるのだけれどもその家臣と言うのがまた誰なのか詳しく書かれていなかったのだ!!!
本当にルフレーラの事に関する情報があのシナリオでは全然分からない!!
ただ、もし王子殿下の婚約者に選ばれる事があったとしても、ヒロインを虐めたり、嫌がらせをしなければ良いだけの話!!
その虐めるポイントも知っているしやり方も知っている私にはこんなの回避するのは楽勝なのだけれど、一応は気をつけないと。
人の婚約者を堂々と学校でかっぱらっていく女なのだ!
ゲームでは性格の良いヒロインを虐める悪役令嬢とかすごい言われ方をしていたけれど、よく考えてみなよ!
王族が関わる婚姻に政略とかマジ可哀想じゃん!自由にさせてあげなよ!何いちいち王子様にガミガミ言ってんの!?みたいなスタンスで割り込んできたくせにちょーーーっと嫌がらせされただけで、私めっちゃ虐められて嫌な思いしましたーってチクって最後には首切りまでしてしまう女だよ?!
私が虐めなくても、よくある自分で自分を的な事をするくらい軽くやらかしてくれると思うのよ!!
だってゲームをしていた時に心の優しいとか攻略対象に言われていたけど、いざ私が首切りされるとなると可愛そうだけど王子様に嫌な思いさせたものねとか、あれだけ学校で色々してしまったのだからとか言って止めもしなかったよね?!
いやいや、ノートに落書きや、陰口。婚約者にあんた結婚相手いるんだから他の女はべらせてたら王子殿下としての評価下がってしまうよ!この国のルールでしょ?!と言ってただけだよね?!
それだけで嫌な思いさせたとか、落書きで学校中を巻き込んで大騒ぎにさせたみたいな言い方してたけど、それ首切りに値する事?!
もぉヒロインの事となると転生前の記憶のせいで頭に血がのぼるわ!
しかも一応シナリオ的には家族に見捨てられていたとしても、一応公爵家だよ?!そんな下級の貴族の令嬢にいじめをしたからとか、婚約者に正論言ったからって首切りなんて処罰ありえないでしょ?!
それに婚約破棄現場には国王陛下も王妃様も登場してなくて次の日には首切りだよ?!裁判とかあるでしょう?!とツッコミどころ満載なシナリオだったのだけれど、本当にヒロインと攻略対象に関してのゲーム性は作り込まれていて、面白かったんだよねーこのゲーム。
だから細かい所まで覚えていたのだけど、悪役令嬢に転生したらあまり意味をもたないわこれ。
とにかく私はもぉ学園に行かなければ良いんじゃないかとかそんな事を思っていたが、一応義務教育的な制度なので絶対何年かはこの国の子供ならば通わなければならないし、私は公爵家の娘なので必然的にあの学園に通わなくてはならない。
まぁ最後まで居たければ結構勉強を長く出来る機関でもあるから文句は言えないなあ。
お兄様はもしかしたら家督を継ぐので許可が出たら免除になるかもしれないけど、ほんとうちの公爵家くらい複雑な家庭環境でないと免除なんて許されないからなー。
私は後継者でもなんでもないから拒否はできないし。
あ、でも一応親族宛の遺言書にはお兄様が何かあれば私が引き継ぐと言う物もあったけど、そんな事あれは全力で回避するし学園に行かなくてはならなそうだ.....
あとは王妃になるつもりもないので無茶な事やって手っ取り早く王家の方から婚約破棄してもらうしかないな。
それも早いうちに.....
殺されない程度で公爵家にも居続けられ、なおかつ余り大事にならない事だ。
そんなの見つからないわ。
ノートに落書き程度で首切りよ.....
王子殿下の態度を改めさせても首切りよ......
そんなの何にもできないじゃないのよ。
お兄様がなんだか幼児に似つかわしくないほど眉間にシワお寄せ本を見ているフリをして考え込んでる私に、お腹すいたの?お昼少なかったもんねーと全然見当違いの事を言い、早めの夕食にしようかとタヌカに相談していたが私にはそんな事は全く聴こえておらず気づいたらまた執務室での食事をとる事になっていたなんて全然知らないのであった。
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