悪役令嬢が人生最後の瞬間まで笑う為の奮闘物語~王国編~

柴澤 絆

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~第一章~

19話

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そしてお母様の葬儀の日。


お母様と小さい時から仲良くしていたと言うエスリト公爵家のご当主様とその奥様が一番にかけつけてくれ、父に一言何かを言ってから、お兄様と私に話しかけてくれた。


父は一応最初からいてくれるようで、挨拶などお母様の為に来て下さった方々を持て成してくれてはいる。

それをしなければここにいる意味がないし、公爵家の者としての対応としては普通だ....
もし出来なかったら本当にこの家に泥を塗る事になるのでそっこくタヌカが裏につれて行く手筈ではあったが大丈夫なようだ。






エスリト公爵夫人が泣いてしまい、それを支えながらエスリト公爵様とこちらに歩いてくる。
その姿を見て、本来ならこう言う姿が夫婦のあるべき姿なんだなぁと思った.....


「ラスウィータ様、ルフレーラ様、この度はご愁傷様でございました。
ルフレーラ様にはお初にお目にかかります。エスリト公爵夫人のスティーナと申します。


わたくしも旦那様もタヴィア様には良くして貰っていましたの。本当にこれから寂しくなりますわ。」


「そうだね、僕とタヴィアさんは昔からの幼馴染と言うものでね....

小さい頃からよく一緒に遊んだし、お互い結婚してラス君が産まれた時なんかは僕とスティーナに一番に見せてくれてね

あの人はあまり関心がないようだと心配していたのだけれど、タヴィアさんがしっかり君達をここまで立派に育て上げたんだね.....ルフレーラちゃんが産まれた時にはすぐに会いに行くからと言っていたのだけれど体調があまりよろしくないと聞いていたから無理をさせないようにこちらに来るのを遠慮していたんだ。

迷わずこれば良かったと今では後悔してるよ.....すまなかったね、大変な時にあまり力になれなくて.....」



お二人は本当にお母様と仲が良かったんだなぁと思い、お兄様の事も小さい時から可愛がってくれているみたいで、私達の事を本当に心配してくれていたみたい、これから困ったことがあればすぐに言ってくれと言って下さった。

お兄様に抱っこされていた私をお二人が交代で抱っこしてくれて、お母様の面影がある私を見て可愛い可愛いと言いながら涙を流されていた。

エスリト公爵様があの人と言っていたのは父の事だろう。
内情を知っている人も中にはいるようで、あまりいい印象はないようだ。

それでも来て下さる方々はお母様を本当に慕ってくださっている方が多く、お兄様も思い出話を聞くたびに少し涙ぐんでおられた。




そしてつつがなく葬儀も終わり埋葬となった。
最後の最後まで残って下さっていたエスリト公爵様と奥様はずっと私達に寄り添って下さっていた。

父が隣にいるより本当に心強く安心してお母様をお見送りすることができた。



お兄様もさすがに耐えられなかった様子で、私を抱きしめながら小さな声でお母様と言いながら泣いてしまい、それを見ていた参列していた人たちも泣いてしまい。それでもお兄様がしっかり最後のあいさつをされた時は、タヴィア様は本当に立派なご子息を育てられたのですね、とみんなに言って貰えてた。


私もお兄様を本当に立派な人だと思い、お母様のお別れの際には私はこれからお兄様を支えて行きますと誓ったのだった




全て終わり、エスリト公爵ご夫妻は私達を心配し後ろ髪を引かれながらも領地に戻って行かれた。




そして私たちはお母様の遺書を持ったタヌカの前に集まっている。
執務室で、きちんとお母様の知り合いの弁護士様が遺言執行人として来ていたのはびっくりしたが、これはお母様が生前に用意していたものらしい。


そして、正式に親族宛ての遺言書がタヌカから伝えられた....


まず家督はお兄様の成人をもって譲渡となりそれまでは次期後継者としてこの家を任せると言うもの....

これはお母様とお兄様の間でもうすでに交わされていたのでもうみんな知っていたが、正式に決まったと言うことなのだろう。

父に付いては、私の成人をもって公爵家に対する政略結婚の時に交わされた約束が果たされたものとし、公爵領の一部を譲渡するかわりに、婚姻関係もその時をもって終了とする。その際約束を守ってくれた恩義もあるので遺族年金をネルノイの死まで払い続ける。と言うものだった.....


要するに貴族社会でやっていくには親と言う大人の存在が大切になってくるので、お兄さまが公爵位を譲り受け私が成人をむかえたら用済みなので、離婚をするがこれまでの恩義を果たすため住む場所とお金は用意するから二度と公爵家に関わるな、と言う事だ。

そして、父に対する遺言の中で追記もあり、要約すると離婚に対する文句があろうがなかろうがこれは法で守られた遺言書であり王家にも同じ内容を送っている為、どのような事があっても改変は不可とする。
そして、父の実家との約束も果たしたものとし、ネルノイ個人との約束が一部守られていないため、このような措置をとると言う事が書かれていた。


きっとこれをきいたネルノイがキレて暴れると思ったから弁護士様までつけて法的に執行されるものにしたのだろう。


これで、お兄様の公爵位継承日を境に好き勝手する事もできなくなるし、私の成人後は公爵家とは血もつながらないのでまったく関係ないものとなるようにとなっているのだろう!

そして親権のおかげで今はここに居られるのだと言う事も改めて父に思い知らせたのだろうと私は予測する。



お母様は最後まで私達の事を思い後見人を付けれなかった事も悔やんでいたのだろう。
そして、この文書を見ると子供が育てばポイなのだと言う事も分かって私は内心ほくそ笑んでしまう。

今まで好き勝手してた報いだわ!!!!!


そして最後に私に対する遺言書には、女の子も自分の身を立てれる時代なので、無理に他家との婚姻の為に自分を犠牲にする必要はないと、自分のいいと思った生き方をしなさいと言うことだった。


まぁ婚姻に対する文はお兄様にも同じように宛てられていたが要するに私の二の前にならんでいいから好きに生きなさい!!!とそう言うことなのだろう!


お兄様には自分の思う、良いお嫁様が見つかれば身を固めなさいと書かれていた。

これは自分の失敗を子供に同じ思いをしてほしくないと言う思いと父がかってにどこかに嫁がせたり、逆に婚姻話を進められないようにと言う事なんだろう!



何処までも裏をかけば私達には手出しをさせない!そう言うお母様の強い意志が感じられる。

お父様はずっと言いたい事があるかのようにタヌカを睨みつけているが、王家にも同じ内容が送られていると言うのは公爵家と王家との文書であり、いくら文句を言っても変わらないと言う事を分かったからだろう。


そして最後に使用人の事に対する事で締めくくられていた。

今この公爵家で雇っているすべての使用人の解雇の有無の決定権を次期当主だけのものとする。

そう書かれて終わっていた。



最後の最後にお母様は最大のプレゼントを残してくれたのだ。


もし、この遺言書があったとしても、使用人を総入れ替えされて執務が成り立たなくなるし、お父様の息のかかったものなら私たちの事をおざなりにしたりされる事もあるだろうけど、この一文によってアウェーなのはお前だけだ!!!!と父に叩ききけたのだろう!!!

お母様はお兄様に対する非道をここですべて返したのだろう!!!

しかもこれをもって親権しか持たないただのごくつぶし扱いされたも同然で、表にでることももうあまりないだろうとみんなを安心させたのだった。



ここにすべての遺言を伝えられ、法の下執行となりましたので、この遺言の破棄や改変を認めず破った際には裁かれる処置があることを王宮認定弁護士がここに宣言しました。

そう言って終わったのだが私は、もちろん事タヌカ以外のみんなが驚いた事が最後に言われた.......


王宮認定弁護士!?
それって王族が何かしでかした時に裁く際に、被害者側の弁護士を務める事が出来る凄い人じゃなかったっけ!?

そんなすごい方がお母様の友人だったなんてびっくりだわ!!


お父様はもうこの部屋にいる事が嫌になったのだろう、しばらく俺の部屋に誰もちかずけるな!っと怒鳴った後出て行かれた......

こんなすごい人のいる前でもあんな行動をとるなんて公爵家の恥だわ......


そんな事を思っていると、タヴィア様が言っていたよりすさまじい人ですねーっとさっきまでのキリっとしたあのクールなイケメンどこ行った?っと思うほど気の抜けた話し方になり顔も心なしかゆるくなってニコニコしている。

なんだこいつ.....

すごいおもしろそうなの来たじゃんかー!!!

しかも一応公爵家の人間をすさまじい人呼ばわりしちゃったよこの人!!めっちゃおもしろい!

お兄様も笑っちゃってるじゃん!!

しかもさっきから私を抱っこしようと手をさりげなく伸ばしてくるのをお兄様にこちらもさりげなく拒否られて、何かしらの攻防戦が始まっている!



なんだかお母様の遺言書のおかげてすごい空気が和んでるきがする.......


この人どんなお母様の知り合いなんだろうと疑問だったのだが。

やっと私を抱っこさせて貰えた弁護士様がご機嫌になり可愛い可愛いを連呼し、なんだか私をすごい褒めてくれるのだが、どうやら子供が好きなようでまだ自分の子供がいない為こうやって小さい子供を抱っこすると癒されるのだとか。。


そんなこんなで一緒に座ってお茶をする事になりお母様との関係を説明してくれる事になった。


どうもお母様が通ってらした、貴族や優秀な者が行く学園での後輩でお母様にとてもよくして貰ったのだとか。

そこから卒業してもお母様が父と結婚するまでずっとお茶飲み仲間だったのだとか。
しかもこのお茶会のメンバーは沢山いて、今でも手紙などでやり取りをしたりお互いの領地の名産を送り合ったり近況報告会はしていたのだと言っていた。


お母様が自分の体調がもう良くならないと分かった時にこの方に連絡をしたのだと聞き、それなら最後まで僕はお役にたとうと動いたんです、とすこし悲しそうだけど嬉しそうに話してくれた。






そんな雰囲気の中もう疲れが限界だったのだろう。
私は初めて会った人の腕の中で爆睡をかましてしまったのであった..........








その姿を見てお兄様が大変悔しがり、自分が抱っこしたいが動かしたら可哀想と謎の葛藤の末、我慢したと言うのを私は知らず、弁護士様が帰るまでしばらく寝てしまう事になるのだった.......






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