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10節 親心、子心
第162話 あんたにはわからない
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「まずハ……ムスメカラ!!!!」
私は目の前の澱みを突き飛ばして、その叫びが聞こえた方向を見る。
とかげ座の堕ち星がうつ伏せので倒れている深紅色の鎧、すずちゃんの上に乗っている。
……すずちゃん大ピンチじゃん!?
助けに行こうとした瞬間、まー君が「由衣《ゆい》」と私の名前を呼んだ。
多分、まー君の考えてることは分かる。
なので私は「まー君お願い!残りは任せて!」とすぐに言葉を返す。
私の言葉を聞いてすぐに、まー君はとかげ座に向かって走り出した。
まー君が行った方が確実だからね。
適材適所……だっけ?
私はそんなことを考えながら、残り3体の澱みと向かい合う。
私も早く追いかけないと。
まずは澱みと距離を詰めて、右手に持っている杖で1体を思いっきり叩く。
その間に飛び掛かってくる2体の澱みを避けてから、蹴って、叩く。
すると3体の澱みが順番に消滅していく。
澱みはこれで全部。
早くまー君とすずちゃんに合流しないと。
私は辺りを見回して2人を探す。
だけどもう、堕ち星の姿は見当たらなかった。
……逃げられたのかな。
そしてすずちゃんは星鎧を纏ったまま、既に広場から出る階段を上っていた。
そのとき。
広場の階段の上に、藍斗《あいと》君が現れたのが見えた。
もしかして……バレたの?
そう思いながらとりあえず、私はすずちゃんの後ろへと移動する。
まー君はどこか行っちゃったし。
……多分、警察に電話してるんだと思う。
そして私が移動するのと同じタイミングで、すずちゃんのお父さんとお母さんが藍斗君の後ろにやってきた。
「……何。私があなたの姉だって証拠でもあるの」
「自分の姉かどうかぐらい雰囲気でわかるって。
それに、夏休み以降の姉ちゃんの変化の原因がこれなら……納得いくし」
「ほ……本当にすずほちゃんなの!?」
「またこんな危ないことを……何でそんなことばっかりするんだ!」
すずちゃんは、言葉を発さない。
その代わりに、自分の両手をぎゅって握っているのが見えた。
でも、広場にはすずちゃんのお父さんの「答えなさい!」という怒ってる声が響いた。
「誰に言われてるんだ!誰に強制されてるんだ!」
「そうよすずほちゃん!そんな可愛くない鎧なんて脱いで、可愛いすずほちゃんのお顔を見せて?」
すずちゃんのお母さんがそう言いながら、すずちゃんの前まで下りてきた。
そして、右手を両手で握った。
すると、すずちゃんは左手でプレートを抜き取った。
深紅色の鎧が紺色と深紅色の光と成って弾けて、消滅していく。
そして制服姿の女子高校生に戻ったすずちゃんは、お母さんの手を振り払った。
「そういう過保護すぎるところが嫌いなの!!私がやりたい事何でもかんでもダメダメダメダメ言って!!女の子なんだから可愛くしなさいって言って!
私は!あんた達の人形じゃない!!」
今度は広場に、すずちゃんの悲痛な叫び声が響いた。
そんなすずちゃんの頬には、涙が伝っているのが見えた。
☆☆☆
駅前の広場の戦いからだいたい……2時間後ぐらい?
私は今、ちーちゃんと一緒にすずちゃんの家のすずちゃんの部屋でまー君とすずちゃんが戻ってくるのを待っています。
あのすずちゃんの叫びの後、堕ち星が逃げたことを確認して警察に電話したまー君が戻ってきた。
「堕ち星に成った人はすずちゃんのお父さんの同僚らしい」という情報と一緒に。
そして「鈴保さんを引き込んだのは俺です。そのため、責任は俺にあります」と言った。
私達は警察と話した後、星座の力や澱みや堕ち星について説明するのもあって、すずちゃんの家にお邪魔することになった。
でも、私とちーちゃんは参加しなくていいと言われて……今待っている状態です。
というか思ったんだけど……すずちゃんもお嬢様だよ!?
だってとっても家が大きいんだよ!私の家よりも全然広いよ!
……いや、私の家だって狭いわけじゃないよ?
でもすずちゃんの家……邸宅街にあるんだもん。絶対お嬢様だよ。
あとさっきから気になってるんだけど、部屋に見覚えのあるキャラのぬいぐるみが置いてあるんだよね。
すずちゃんからそんな話聞いたことないけど……好きなのかな?
他にも私も好きなキャラクターもある。
私もあのキャラ、可愛いくて好きなんだよね。
気になるし、あとで落ち着いたら聞いてみよっと。
待ってるのが日まで色々考えている私。
でも口には出さないから、部屋の中は凄く静か。
だけど突然、スマホを見ていたちーちゃんが「……遅くない?」と呟いた。
「30分は経ったよね?」
「確かに結構待ってるよね……。
すずちゃん……大丈夫かな」
「鈴保《すずほ》もだけど、真聡《まさと》も心配」
「……まー君も最近、なんか変だもんね」
まー君は最近変。
文化祭の後ぐらいから何か私達と距離取ってるし、澱みが出たことを私達に隠してたし。
4月ほどじゃないんだけど……でもやっぱり気になる。
そのとき。
下から誰かの叫び声が聞こえた。
2人で「何!?」と驚いていると、今度は階段を上ってくる足音が聞こえてくる。
私達がいるすずちゃんの部屋は2階、すずちゃん達がいるリビングは1階。
……終わったのかな?
そう考えてる間に、部屋の扉が勢いよく開いた。
「帰って!!!」
戻ってきたすずちゃんは凄く怒っていた。
その目には、また涙があった。
そして私達はそのまま部屋から追い出されそうになる。
何があったか聞こうとするけれど、すずちゃんは「うるさい!!!帰って!!!」としか言ってくれない。
そこにまー君が「さっきも言っただろ」という言葉と一緒に現れた。
「由衣と智陽《ちはる》は俺が結界を張りに戻ってくるまでは居てもらうと」
「うるさい!!ついてこないでよ!!
……あんたには、わからないでしょ。親にやりたい事反対されて、制限されて、親の考えや趣味を押し付けられる私の気持ちが!!
親がいない、あんたには!!!」
その瞬間、部屋の空気が凍り付いた。
流石の私でも分かった。
すずちゃんが何でそんなに怒ってるのかは私にはわからない。
もしかしたら、まー君がすずちゃんに嫌なことを言ったのかもしれない。
でもすずちゃんは今、言ってはいけないことを言った。
私はまー君の味方をしたかった。
でも、すずちゃんの敵にもなりたくなかった。
どうしたらいいかわからなくて言葉が出ない。
悩んでいるうちに、まー君が「……そうだな」と呟いた。
「親がもういない俺にはお前の気持ちはわからない。
……だがな。親がいなくなったら、お節介も2度と焼いてもらえない。自分の想いだって、2度と届くことはない。
……それだけは、忘れるな」
「うるさい!!!ほっといってよ!!!」
そう叫びながらすずちゃんは私とちーちゃんを部屋から追い出して、扉を閉めてしまった。
何もできなかった私は、閉まってしまった扉を見ることしかできなかった。
……何て言えばよかったのかな。
すると、またまー君が静かに口を開いた。
「……俺は一度結界を張るための物を取ってくる。
……もし堕ち星が出たら時間稼ぎを頼む。すぐに戻ってくる」
その言葉の後、まー君は階段を下りて行った。
結局私は、すずちゃんにもまー君にも。
何も言えなかった。
私は目の前の澱みを突き飛ばして、その叫びが聞こえた方向を見る。
とかげ座の堕ち星がうつ伏せので倒れている深紅色の鎧、すずちゃんの上に乗っている。
……すずちゃん大ピンチじゃん!?
助けに行こうとした瞬間、まー君が「由衣《ゆい》」と私の名前を呼んだ。
多分、まー君の考えてることは分かる。
なので私は「まー君お願い!残りは任せて!」とすぐに言葉を返す。
私の言葉を聞いてすぐに、まー君はとかげ座に向かって走り出した。
まー君が行った方が確実だからね。
適材適所……だっけ?
私はそんなことを考えながら、残り3体の澱みと向かい合う。
私も早く追いかけないと。
まずは澱みと距離を詰めて、右手に持っている杖で1体を思いっきり叩く。
その間に飛び掛かってくる2体の澱みを避けてから、蹴って、叩く。
すると3体の澱みが順番に消滅していく。
澱みはこれで全部。
早くまー君とすずちゃんに合流しないと。
私は辺りを見回して2人を探す。
だけどもう、堕ち星の姿は見当たらなかった。
……逃げられたのかな。
そしてすずちゃんは星鎧を纏ったまま、既に広場から出る階段を上っていた。
そのとき。
広場の階段の上に、藍斗《あいと》君が現れたのが見えた。
もしかして……バレたの?
そう思いながらとりあえず、私はすずちゃんの後ろへと移動する。
まー君はどこか行っちゃったし。
……多分、警察に電話してるんだと思う。
そして私が移動するのと同じタイミングで、すずちゃんのお父さんとお母さんが藍斗君の後ろにやってきた。
「……何。私があなたの姉だって証拠でもあるの」
「自分の姉かどうかぐらい雰囲気でわかるって。
それに、夏休み以降の姉ちゃんの変化の原因がこれなら……納得いくし」
「ほ……本当にすずほちゃんなの!?」
「またこんな危ないことを……何でそんなことばっかりするんだ!」
すずちゃんは、言葉を発さない。
その代わりに、自分の両手をぎゅって握っているのが見えた。
でも、広場にはすずちゃんのお父さんの「答えなさい!」という怒ってる声が響いた。
「誰に言われてるんだ!誰に強制されてるんだ!」
「そうよすずほちゃん!そんな可愛くない鎧なんて脱いで、可愛いすずほちゃんのお顔を見せて?」
すずちゃんのお母さんがそう言いながら、すずちゃんの前まで下りてきた。
そして、右手を両手で握った。
すると、すずちゃんは左手でプレートを抜き取った。
深紅色の鎧が紺色と深紅色の光と成って弾けて、消滅していく。
そして制服姿の女子高校生に戻ったすずちゃんは、お母さんの手を振り払った。
「そういう過保護すぎるところが嫌いなの!!私がやりたい事何でもかんでもダメダメダメダメ言って!!女の子なんだから可愛くしなさいって言って!
私は!あんた達の人形じゃない!!」
今度は広場に、すずちゃんの悲痛な叫び声が響いた。
そんなすずちゃんの頬には、涙が伝っているのが見えた。
☆☆☆
駅前の広場の戦いからだいたい……2時間後ぐらい?
私は今、ちーちゃんと一緒にすずちゃんの家のすずちゃんの部屋でまー君とすずちゃんが戻ってくるのを待っています。
あのすずちゃんの叫びの後、堕ち星が逃げたことを確認して警察に電話したまー君が戻ってきた。
「堕ち星に成った人はすずちゃんのお父さんの同僚らしい」という情報と一緒に。
そして「鈴保さんを引き込んだのは俺です。そのため、責任は俺にあります」と言った。
私達は警察と話した後、星座の力や澱みや堕ち星について説明するのもあって、すずちゃんの家にお邪魔することになった。
でも、私とちーちゃんは参加しなくていいと言われて……今待っている状態です。
というか思ったんだけど……すずちゃんもお嬢様だよ!?
だってとっても家が大きいんだよ!私の家よりも全然広いよ!
……いや、私の家だって狭いわけじゃないよ?
でもすずちゃんの家……邸宅街にあるんだもん。絶対お嬢様だよ。
あとさっきから気になってるんだけど、部屋に見覚えのあるキャラのぬいぐるみが置いてあるんだよね。
すずちゃんからそんな話聞いたことないけど……好きなのかな?
他にも私も好きなキャラクターもある。
私もあのキャラ、可愛いくて好きなんだよね。
気になるし、あとで落ち着いたら聞いてみよっと。
待ってるのが日まで色々考えている私。
でも口には出さないから、部屋の中は凄く静か。
だけど突然、スマホを見ていたちーちゃんが「……遅くない?」と呟いた。
「30分は経ったよね?」
「確かに結構待ってるよね……。
すずちゃん……大丈夫かな」
「鈴保《すずほ》もだけど、真聡《まさと》も心配」
「……まー君も最近、なんか変だもんね」
まー君は最近変。
文化祭の後ぐらいから何か私達と距離取ってるし、澱みが出たことを私達に隠してたし。
4月ほどじゃないんだけど……でもやっぱり気になる。
そのとき。
下から誰かの叫び声が聞こえた。
2人で「何!?」と驚いていると、今度は階段を上ってくる足音が聞こえてくる。
私達がいるすずちゃんの部屋は2階、すずちゃん達がいるリビングは1階。
……終わったのかな?
そう考えてる間に、部屋の扉が勢いよく開いた。
「帰って!!!」
戻ってきたすずちゃんは凄く怒っていた。
その目には、また涙があった。
そして私達はそのまま部屋から追い出されそうになる。
何があったか聞こうとするけれど、すずちゃんは「うるさい!!!帰って!!!」としか言ってくれない。
そこにまー君が「さっきも言っただろ」という言葉と一緒に現れた。
「由衣と智陽《ちはる》は俺が結界を張りに戻ってくるまでは居てもらうと」
「うるさい!!ついてこないでよ!!
……あんたには、わからないでしょ。親にやりたい事反対されて、制限されて、親の考えや趣味を押し付けられる私の気持ちが!!
親がいない、あんたには!!!」
その瞬間、部屋の空気が凍り付いた。
流石の私でも分かった。
すずちゃんが何でそんなに怒ってるのかは私にはわからない。
もしかしたら、まー君がすずちゃんに嫌なことを言ったのかもしれない。
でもすずちゃんは今、言ってはいけないことを言った。
私はまー君の味方をしたかった。
でも、すずちゃんの敵にもなりたくなかった。
どうしたらいいかわからなくて言葉が出ない。
悩んでいるうちに、まー君が「……そうだな」と呟いた。
「親がもういない俺にはお前の気持ちはわからない。
……だがな。親がいなくなったら、お節介も2度と焼いてもらえない。自分の想いだって、2度と届くことはない。
……それだけは、忘れるな」
「うるさい!!!ほっといってよ!!!」
そう叫びながらすずちゃんは私とちーちゃんを部屋から追い出して、扉を閉めてしまった。
何もできなかった私は、閉まってしまった扉を見ることしかできなかった。
……何て言えばよかったのかな。
すると、またまー君が静かに口を開いた。
「……俺は一度結界を張るための物を取ってくる。
……もし堕ち星が出たら時間稼ぎを頼む。すぐに戻ってくる」
その言葉の後、まー君は階段を下りて行った。
結局私は、すずちゃんにもまー君にも。
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