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シュルドー廃教会
4.「――俺、バリタチだから。ここは譲る気ないよ」
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ちょっと失礼どころではすまない場所に侵入してくる。
尻の間って、自分で触ったことがないから気づかなかったけれど意外と敏感で、エルドの指先がごつごつしていてかたくて、骨と筋肉のおうとつが隆起しているのをここで知ってしまった。
「ま、待て待て待て」
「次の、HはHarmonyで性交に至る行為をするだけでいい」
「つまり?」
「ちょっとお尻の穴触らせて」
出来るか!!!!!!!!!
という言葉がエルドからのキスで飲み込まれる。キスでほだされてやるほど俺のケツは安くはないと抵抗したいのだが、悲しいかな、圧倒的なレベル差やパラメーターの筋力差により虚しくも俺がじたばた藻掻いてもビクともしなかった。
さて、尻の間の皮膚も敏感であれば、どうやら尻の中心、つまりは孔をきゅぅっと守る皺の部分も、相当敏感らしい。
エルドの大剣をふるうためだけに使われてきたような深爪の指が、孔の周りを引っ掻いて、ソコに辿り着いてしまったことを知らせる。
指がどういう動きをしているかとか、勿論見える訳がないのに、でも、どんな目的で、どんな感情で、何処を動いているのかが分かってしまう。リップ音と共に離れたエルドの唇からここは感覚の密集地帯なんだ、という豆知識が出たことで、自分の感覚が正解を引いてしまっていたことに俺は眩暈がした。
凄い知りたくなかった。
かりかりさりさり。
俺の知らない部分で、俺の見えない部分で、他人の指が動いている。
正直、性的な快楽は全く感じない。くすぐったいとか、むず痒いとか、なんなら気色悪いとかそういうネガティブな感情だ。
というか、訳も分からず尻の孔を指で突かれて気持ちいいと思うだろうか。
正直、これから、俺の尻がエルドの諸々を受け入れてくれるのか、全くもって想像がつかない。
ん?
なんで俺が、ふつーにケツ触られているんだ?
Harmony -交合- 詠唱攻撃の詠唱時間短縮
「つっよ……」
疑問が一瞬、忘れられるほどのバフがステータス画面に表示された。
「お得だろ?」
「俺の尊厳はだいぶやられたけどな……」
エルドは楽しそうに隣に寝転ぶ。あ、終わったのか、今日は。
「なあ、確認しておきたいんだけど」
「ん?」
エルドが猫のようにきゅぅと瞳を細め、黒髪を揺らしながらこちらを見つめてくる。
「その、あー……えーと……なんか、なし崩しに、俺が、し、た? 下? みたいな感じになっているんだけど」
さも当たり前のように尻を弄られてしまいましたが。
俺は念のため確認しておく。俺の為に、俺の尻穴のために、そしてちんちんのために。
「あーさんは、上がいいの?」
急に絶頂後のピロートークみたいな、ふわふわした緩い口調で問いかけてきたエルドに、俺は答えに口ごもる。エルドが今、出している妖艶、と表現すべき色気にもあてられている気がする。有無を言わせない力があった。すごく強い力だ。ゲームや漫画で言う、覇気が、女性の身も心も蕩けさせる甘やかな口調に詰まっている。
「そういう訳じゃ、ないけれど。こういうことする前に教えてほしかったと言うかなんというか……」
「んー……」
駄々をこねるような、喉奥からぐるぐると鳴る甘い唸り声と共に、ずるずると腕の中に引き込まれて、汗ばんだエルドの首筋に俺の鼻先があたる。抱きしめられている。
ぎゅぅっと密着する身体への抵抗や羞恥よりも、いつもと雰囲気の違うエルドに戸惑う。
言い方が悪いが、完全に俺を"女の子"扱いしている。
優しく尻たぶを撫でられた後、広げた掌でむぎゅっと肉を揉まれた。
「わ゛ッ!」
でかい声が出てしまう。でも、それがやっぱり、男子の戯れとかそういう領域じゃなくて、セックスの一環の揉み方みたいで。
「あ、ちょ、もう……終わりじゃ……」
「うん、終わり」
ぱっと掌が離された後、エルドは俺にキスをして言った。
「――俺、バリタチだから。ここは譲る気ないよ」
そう宣言した。
なんというか、それがこれからに対する嫌悪感とか、恐怖とか、抵抗とか、そういうのではなくて、リードの仕方とか、快感の渡し方とかでまず、納得がいった。俺のことを女の子扱いしたのだって、これを解らせるためだ。
「う゛……お、おれのしりでよければ……?」
すっかり気圧されて俺が言ってしまえば、流石にエルドは口を開けて失礼にもほどがあるほど笑った。
「ふは、あはは……! ――やった、あーさんとエロいこと出来る言質取れた」
「しなきゃ駄目なんだろ! そこはもう覚悟してるって!」
「うん。だから、はやくあーさんのナカ、挿入れたいな」
最後にそう囁かれて、俺はもう、脳のキャパシティがオーバーしてベッドにぶっ倒れたし、実際にゲーミングチェアーから転げ落ちた。
「うっわ……え? あーさんくん大丈夫? なに? エルに無理矢理襲われちゃった?」
つやつやの肌の三人。俺は、ミーナに心配されるほどのげっそり肌、のようで。
じっとりと責めるような目でカインがエルドを見ているのが割と心の救いだ。こう、心が晴れる。端的に言うと、ざまあってやつだ。
俺は敢えてそれを否定しない。
各々"準備"を終えた後、再び交流広場で合流した。
落ち合ったミーナは、武器を新調していて宝石のアクセサリーがついた箒を装備している。しっかりとそういった"準備"も終えてきたらしい。
カインは俺とエルドのステータスを見て、
「やることやってきたようでなにより」
微笑まれた。
「羞恥プレイにも程があるぞこのシステム……」
「だから、本来ならそういったことも全て踏まえて許容した人がプレイするゲームなんだって」
兎も角も、俺はようやく、中級者用ダンジョンの『シュルドー廃教会』に行けるようになった。
それにしても、代償は、未来も含めて物凄く多い気がするけれど。
尻の間って、自分で触ったことがないから気づかなかったけれど意外と敏感で、エルドの指先がごつごつしていてかたくて、骨と筋肉のおうとつが隆起しているのをここで知ってしまった。
「ま、待て待て待て」
「次の、HはHarmonyで性交に至る行為をするだけでいい」
「つまり?」
「ちょっとお尻の穴触らせて」
出来るか!!!!!!!!!
という言葉がエルドからのキスで飲み込まれる。キスでほだされてやるほど俺のケツは安くはないと抵抗したいのだが、悲しいかな、圧倒的なレベル差やパラメーターの筋力差により虚しくも俺がじたばた藻掻いてもビクともしなかった。
さて、尻の間の皮膚も敏感であれば、どうやら尻の中心、つまりは孔をきゅぅっと守る皺の部分も、相当敏感らしい。
エルドの大剣をふるうためだけに使われてきたような深爪の指が、孔の周りを引っ掻いて、ソコに辿り着いてしまったことを知らせる。
指がどういう動きをしているかとか、勿論見える訳がないのに、でも、どんな目的で、どんな感情で、何処を動いているのかが分かってしまう。リップ音と共に離れたエルドの唇からここは感覚の密集地帯なんだ、という豆知識が出たことで、自分の感覚が正解を引いてしまっていたことに俺は眩暈がした。
凄い知りたくなかった。
かりかりさりさり。
俺の知らない部分で、俺の見えない部分で、他人の指が動いている。
正直、性的な快楽は全く感じない。くすぐったいとか、むず痒いとか、なんなら気色悪いとかそういうネガティブな感情だ。
というか、訳も分からず尻の孔を指で突かれて気持ちいいと思うだろうか。
正直、これから、俺の尻がエルドの諸々を受け入れてくれるのか、全くもって想像がつかない。
ん?
なんで俺が、ふつーにケツ触られているんだ?
Harmony -交合- 詠唱攻撃の詠唱時間短縮
「つっよ……」
疑問が一瞬、忘れられるほどのバフがステータス画面に表示された。
「お得だろ?」
「俺の尊厳はだいぶやられたけどな……」
エルドは楽しそうに隣に寝転ぶ。あ、終わったのか、今日は。
「なあ、確認しておきたいんだけど」
「ん?」
エルドが猫のようにきゅぅと瞳を細め、黒髪を揺らしながらこちらを見つめてくる。
「その、あー……えーと……なんか、なし崩しに、俺が、し、た? 下? みたいな感じになっているんだけど」
さも当たり前のように尻を弄られてしまいましたが。
俺は念のため確認しておく。俺の為に、俺の尻穴のために、そしてちんちんのために。
「あーさんは、上がいいの?」
急に絶頂後のピロートークみたいな、ふわふわした緩い口調で問いかけてきたエルドに、俺は答えに口ごもる。エルドが今、出している妖艶、と表現すべき色気にもあてられている気がする。有無を言わせない力があった。すごく強い力だ。ゲームや漫画で言う、覇気が、女性の身も心も蕩けさせる甘やかな口調に詰まっている。
「そういう訳じゃ、ないけれど。こういうことする前に教えてほしかったと言うかなんというか……」
「んー……」
駄々をこねるような、喉奥からぐるぐると鳴る甘い唸り声と共に、ずるずると腕の中に引き込まれて、汗ばんだエルドの首筋に俺の鼻先があたる。抱きしめられている。
ぎゅぅっと密着する身体への抵抗や羞恥よりも、いつもと雰囲気の違うエルドに戸惑う。
言い方が悪いが、完全に俺を"女の子"扱いしている。
優しく尻たぶを撫でられた後、広げた掌でむぎゅっと肉を揉まれた。
「わ゛ッ!」
でかい声が出てしまう。でも、それがやっぱり、男子の戯れとかそういう領域じゃなくて、セックスの一環の揉み方みたいで。
「あ、ちょ、もう……終わりじゃ……」
「うん、終わり」
ぱっと掌が離された後、エルドは俺にキスをして言った。
「――俺、バリタチだから。ここは譲る気ないよ」
そう宣言した。
なんというか、それがこれからに対する嫌悪感とか、恐怖とか、抵抗とか、そういうのではなくて、リードの仕方とか、快感の渡し方とかでまず、納得がいった。俺のことを女の子扱いしたのだって、これを解らせるためだ。
「う゛……お、おれのしりでよければ……?」
すっかり気圧されて俺が言ってしまえば、流石にエルドは口を開けて失礼にもほどがあるほど笑った。
「ふは、あはは……! ――やった、あーさんとエロいこと出来る言質取れた」
「しなきゃ駄目なんだろ! そこはもう覚悟してるって!」
「うん。だから、はやくあーさんのナカ、挿入れたいな」
最後にそう囁かれて、俺はもう、脳のキャパシティがオーバーしてベッドにぶっ倒れたし、実際にゲーミングチェアーから転げ落ちた。
「うっわ……え? あーさんくん大丈夫? なに? エルに無理矢理襲われちゃった?」
つやつやの肌の三人。俺は、ミーナに心配されるほどのげっそり肌、のようで。
じっとりと責めるような目でカインがエルドを見ているのが割と心の救いだ。こう、心が晴れる。端的に言うと、ざまあってやつだ。
俺は敢えてそれを否定しない。
各々"準備"を終えた後、再び交流広場で合流した。
落ち合ったミーナは、武器を新調していて宝石のアクセサリーがついた箒を装備している。しっかりとそういった"準備"も終えてきたらしい。
カインは俺とエルドのステータスを見て、
「やることやってきたようでなにより」
微笑まれた。
「羞恥プレイにも程があるぞこのシステム……」
「だから、本来ならそういったことも全て踏まえて許容した人がプレイするゲームなんだって」
兎も角も、俺はようやく、中級者用ダンジョンの『シュルドー廃教会』に行けるようになった。
それにしても、代償は、未来も含めて物凄く多い気がするけれど。
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