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第104話 宝探し
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カルキノス討伐後の帰り道
「ダグラス、そういえば討伐大会の報酬は何だったの?」
「宝の地図だ。」
「えぇ!?一緒に探しに行きましょうよ!!!」
リヴェリアが目を輝かせてこちらを見てくる。
そんなに宝探しがしたいのだろうか。
「いいよ。でもなんでそんなに執着するんだ?」
「実はね!宝の地図が示す場所は古の時代のものが多いの!だから神話生物の情報が眠ってるかもしれないのよ!!」
「なるほど…それで、いつ行く?」
「今から!!」
「…え?」
「今からよ!!!」
「…分かった。じゃあ行こうか。」
「ええ!」
リヴェリアの新たな一面が見られたので満足だ。
それに、まだ正午も回っていないので時間は十分ある。
”アイテムボックス”から宝の地図を取り出し、リヴェリアに手渡した。
「これがあの…!!…それにしても全然わからないわね。」
「そうだな…」
本来ならばギルドに頼み、1年ほどかけて解析する品物なのだ。
それを解析初心者2人でやるのは無理があるだろう。
「確か地図と照合させるのよね?」
「ああ。…あ!!」
「何か思いついたの?」
「ああ!!」
俺は”レーダー”を展開してそれに宝の地図を重ね、その情報を取り込んだ。
すると、宝の地図と照合する”レーダー”の場所が光った。
「ここみたいだ。」
「ここは…廃墟ね。」
「そうみたいだな…」
「まあ行ってみましょう!!」
そう言うと、リヴェリアが手を差し伸べてきた。
「…ん?」
「私ごと”転移”してよ。」
「了解。」
座標が地中だった場合即死するので、一応目的地の500m上空に”領域転移”した。
そこは底が見えないほど地割れしており、その淵に巨大な城が建っていた。
「転移って便利ねぇ…」
「だろ?」
「目的地はこの城周辺っぽいわね。」
「ああ。」
”レーダー”で周辺を探知してみると、城の中に途轍もなく大きな魔力反応が1つあった。
また、その城を取り巻くように廃墟全体に魔物がうようよと徘徊している。
「リヴェリア、ちょっと待って!!!」
「…どうしたの?」
「城の中に強い魔力反応が1つある!」
「…一旦帰還しましょう。」
「分かった。」
俺は武闘国家の屋敷に”領域転移”した。
その間際、大きな魔力反応を”鑑定”したところヴァンパイア(真祖)と出てきた。
「”鑑定”によるとヴァンパイアだった。それも真祖だ。」
「なっ!?そんな…」
リヴェリアの表情が一気に暗くなり、顔色が悪くなった。
「そんなに強いのか?」
「…ええ。ヴァンパイアはその血の濃さで階級分けされててね。公爵級>侯爵級>伯爵級>子爵級>男爵級の順で、それぞれ真祖の血が1/2>1/4>1/8>1/16>1/32に薄まっているわ。」
「公爵級でどのくらいの強さなんだ?」
「…過去にSランクパーティが公爵級に挑んで、半分失いつつもなんとか撃退したわ。」
「なっ!?」
「真祖となるとおそらくSランクパーティが挑んでも全滅ね。」
「…そうか。」
以前ヴァ―リ領に進軍してきたヴァンパイア程度の強さだと踏んでいたが、それよりずっとヴァンパイアは強いようだ。
おそらくあの時のヴァンパイアは最高でも伯爵級だったのだろう。
「どうするの?」
「…俺たちだけで勝てると思うか?」
「ダグラスの全力がどのくらいかわからないけど、私の5倍強いと仮定して勝算は4割よ。
お互い死なずにってなると2割くらいかしら。」
「そうか…」
「援軍を頼むのはどうかしら?」
「というと?」
「武闘大会の影響で強い人が結構集まってるわ。
援軍に周辺のヴァンパイア眷属たちを何とか倒してもらって、私たちは真祖だけと対峙するの。」
「そうした場合の勝算は?」
「そうね…相手が真祖だけなら7割ってところかしら。」
「随分確率が上がったな。」
「ええ。ヴァンパイアの強みは眷属の量と質、連携にあるの。」
「なるほど…」
「とりあえず援軍の要請をしましょう。私はギルドに申請してくるわ。」
「俺は武闘国家にいる強い人たちをスカウトしてくる。」
「分かったわ。正午にまた屋敷で集合ね。」
「ああ。」
ただの宝探しのつもりが、とんだ大事になってしまった。
「ダグラス、そういえば討伐大会の報酬は何だったの?」
「宝の地図だ。」
「えぇ!?一緒に探しに行きましょうよ!!!」
リヴェリアが目を輝かせてこちらを見てくる。
そんなに宝探しがしたいのだろうか。
「いいよ。でもなんでそんなに執着するんだ?」
「実はね!宝の地図が示す場所は古の時代のものが多いの!だから神話生物の情報が眠ってるかもしれないのよ!!」
「なるほど…それで、いつ行く?」
「今から!!」
「…え?」
「今からよ!!!」
「…分かった。じゃあ行こうか。」
「ええ!」
リヴェリアの新たな一面が見られたので満足だ。
それに、まだ正午も回っていないので時間は十分ある。
”アイテムボックス”から宝の地図を取り出し、リヴェリアに手渡した。
「これがあの…!!…それにしても全然わからないわね。」
「そうだな…」
本来ならばギルドに頼み、1年ほどかけて解析する品物なのだ。
それを解析初心者2人でやるのは無理があるだろう。
「確か地図と照合させるのよね?」
「ああ。…あ!!」
「何か思いついたの?」
「ああ!!」
俺は”レーダー”を展開してそれに宝の地図を重ね、その情報を取り込んだ。
すると、宝の地図と照合する”レーダー”の場所が光った。
「ここみたいだ。」
「ここは…廃墟ね。」
「そうみたいだな…」
「まあ行ってみましょう!!」
そう言うと、リヴェリアが手を差し伸べてきた。
「…ん?」
「私ごと”転移”してよ。」
「了解。」
座標が地中だった場合即死するので、一応目的地の500m上空に”領域転移”した。
そこは底が見えないほど地割れしており、その淵に巨大な城が建っていた。
「転移って便利ねぇ…」
「だろ?」
「目的地はこの城周辺っぽいわね。」
「ああ。」
”レーダー”で周辺を探知してみると、城の中に途轍もなく大きな魔力反応が1つあった。
また、その城を取り巻くように廃墟全体に魔物がうようよと徘徊している。
「リヴェリア、ちょっと待って!!!」
「…どうしたの?」
「城の中に強い魔力反応が1つある!」
「…一旦帰還しましょう。」
「分かった。」
俺は武闘国家の屋敷に”領域転移”した。
その間際、大きな魔力反応を”鑑定”したところヴァンパイア(真祖)と出てきた。
「”鑑定”によるとヴァンパイアだった。それも真祖だ。」
「なっ!?そんな…」
リヴェリアの表情が一気に暗くなり、顔色が悪くなった。
「そんなに強いのか?」
「…ええ。ヴァンパイアはその血の濃さで階級分けされててね。公爵級>侯爵級>伯爵級>子爵級>男爵級の順で、それぞれ真祖の血が1/2>1/4>1/8>1/16>1/32に薄まっているわ。」
「公爵級でどのくらいの強さなんだ?」
「…過去にSランクパーティが公爵級に挑んで、半分失いつつもなんとか撃退したわ。」
「なっ!?」
「真祖となるとおそらくSランクパーティが挑んでも全滅ね。」
「…そうか。」
以前ヴァ―リ領に進軍してきたヴァンパイア程度の強さだと踏んでいたが、それよりずっとヴァンパイアは強いようだ。
おそらくあの時のヴァンパイアは最高でも伯爵級だったのだろう。
「どうするの?」
「…俺たちだけで勝てると思うか?」
「ダグラスの全力がどのくらいかわからないけど、私の5倍強いと仮定して勝算は4割よ。
お互い死なずにってなると2割くらいかしら。」
「そうか…」
「援軍を頼むのはどうかしら?」
「というと?」
「武闘大会の影響で強い人が結構集まってるわ。
援軍に周辺のヴァンパイア眷属たちを何とか倒してもらって、私たちは真祖だけと対峙するの。」
「そうした場合の勝算は?」
「そうね…相手が真祖だけなら7割ってところかしら。」
「随分確率が上がったな。」
「ええ。ヴァンパイアの強みは眷属の量と質、連携にあるの。」
「なるほど…」
「とりあえず援軍の要請をしましょう。私はギルドに申請してくるわ。」
「俺は武闘国家にいる強い人たちをスカウトしてくる。」
「分かったわ。正午にまた屋敷で集合ね。」
「ああ。」
ただの宝探しのつもりが、とんだ大事になってしまった。
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