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第170話 真理
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フェンリルバイコーンを召喚してから一ヶ月が経過した。
この期間でヴァルハラ帝国と要塞都市間の経済体制を安定化することに成功し、今では様々なものを輸出入している。
そして、俺はというと魔狼族の図書館にこもって古代魔法の、特に神代魔法の勉強をしてした。
『うーん…なかなかこれだ!ってものが見つからないなぁ…』
魔狼族の中でも古代文字を読める人が少ないからだろうか。
中には日記やレシピ本、手紙なども混ざっていた。
俺はそれらが実は暗号で、文字を繋げたり縦読みしたら魔法書になってるかもしれないと考えた。
そして一ヶ月間試行錯誤したが、何の成果も得られなかった。
『もしかして本当にただの日記とレシピ本なのか…?』
グレイやグリム、チェイス達とも協力して解こうと努めたが、それでも暗号らしきものは見つからない。
やはり深く考え過ぎていただけだったようだ。
『この一ヶ月の努力を返してほしい…』
後悔してくよくよしていても仕方ないので、気分転換にアンデッド軍の訓練に参加しよう。
俺はグリムの元は“転移“した。
「おぉ、ダグラス殿か。あの暗号はどうだったのじゃ?」
「俺の考え過ぎだったみたいだ…」
「そうじゃったか…何か手がかりがあるとしたら、ダンジョンじゃな。魔法書は歴史のある集落にも残っておるが、たいていはダンジョンで得たものだからのぅ。」
「確かに本にそう記載されていたな…ダンジョンにある理由は知ってるか?」
「うむ!ダンジョンは古の時代、悪魔族が神達の攻撃から身を守るために召喚した、巨大な魔物なんじゃよ。」
「なっ…!」
王都に着き、初めてダンジョンに来た時の違和感はそれが原因だったようだ。
やはりあのただならぬ気配は魔物のものだったか…
「…ならダンジョンは危険なんじゃないか?」
「それが、そうではないんじゃ。ダンジョン型の魔物は自身を動かすことができないんじゃよ。」
「じゃあ生きていくための糧はどうやって…あっ、そうか。」
ダンジョンで死んだ冒険者達の死体はその場に残ることがなく、ダンジョンに吸収される。
それがダンジョン型魔物の生存方法なのだろう。
『…なるほどな。色々合点がいったよ。』
例えばどうしてダンジョンの規模に差があるのか…
侵入する冒険者の数が多いほど大規模で、少ないほど小規模であることから、食事量の差によるものだろう。
ダンジョン変動などでダンジョンの規模が変化するのもこれが原因だ。
例えばどうしてスタンピードが起こるのか…
スタンピードで殺した人間をダンジョンに引きずり込む点から、おそらく自身の規模に対して食事量が足りず、食事を欲するからだ。
『まじか…これ人族側では永遠の研究課題として扱われてるのにな…』
やはり種族間で差別せず、手を取り合えば色々な真理を探究でき、そしてより良い生活が手に入るだろう。
「ダグラス殿、ダンジョン攻略をしたらどうかの?」
「それは有りだな…」
ダンジョンの最深部には何があるのか?
どのような宝を入手できるのか?
どれほど攻略が難しいのか?
ダンジョンは未知なことばかりなので、ロマンで溢れている。
死神と神々に叛逆するためにも、ちょうど良いレベリング場だろうし、当面は世界中のダンジョン攻略を目標に活動しよう。
そうと決まれば早速行動だ。
俺は図書館でダンジョンに関する書物を集めて読むと同時に、ヴァルハラ帝国の統治体制の引き継ぎを行った。
ちなみに俺は国王代理はグレイ、国王代理補佐にリリスとルカ、チェイスを任命した。
二週間後
見送られるのはあまり得意ではないので、こっそり国を出ようと早朝に玉座から離れるとそこにはグレイとグリムが立っていた。
「ダグラス様の性格ですから抜けるならこの時間だと思いましたよ…」
「儂でも気付いたわ!!」
「ばれてたか…」
日頃から俺を見てくれている証拠だ。
本当にいい配下を持った。
「ヴァルハラ帝国のことは我々にお任せください。このグレイ、ダグラス様の代理として死ぬ気で務めます!」
「死なない程度にしてくれ…だが、頼りにしてるぞ。」
「はっ!ありがたき幸せ…」
「グリム、守護は任せたぞ。要塞都市から要請が来たときは手助けしてやってくれ。」
「うむ!任せるのじゃ!」
「…じゃあ行ってくる。」
「ええ!行ってらっしゃいませ。」
「気をつけるんじゃぞー!!」
俺は風属性魔法で空高く飛翔し、移動を始めた。
『さて…こう言っちゃなんだが肩の荷が降りたから自由に動き回れるな。』
図書館で見つけたダンジョンに関する書物は、司書から持ち出しの許可を得たので持ってきた。
特に“ダンジョンの場所と歴史“という本を持ち出せたのは非常に助かる。
この本はタイトル通り世界中のダンジョンの場所とそのダンジョン型魔物が召喚された歴史について記載されているため、ダンジョンを探す手間が省けた。
『まずは蟲のダンジョン…行くか!!』
この期間でヴァルハラ帝国と要塞都市間の経済体制を安定化することに成功し、今では様々なものを輸出入している。
そして、俺はというと魔狼族の図書館にこもって古代魔法の、特に神代魔法の勉強をしてした。
『うーん…なかなかこれだ!ってものが見つからないなぁ…』
魔狼族の中でも古代文字を読める人が少ないからだろうか。
中には日記やレシピ本、手紙なども混ざっていた。
俺はそれらが実は暗号で、文字を繋げたり縦読みしたら魔法書になってるかもしれないと考えた。
そして一ヶ月間試行錯誤したが、何の成果も得られなかった。
『もしかして本当にただの日記とレシピ本なのか…?』
グレイやグリム、チェイス達とも協力して解こうと努めたが、それでも暗号らしきものは見つからない。
やはり深く考え過ぎていただけだったようだ。
『この一ヶ月の努力を返してほしい…』
後悔してくよくよしていても仕方ないので、気分転換にアンデッド軍の訓練に参加しよう。
俺はグリムの元は“転移“した。
「おぉ、ダグラス殿か。あの暗号はどうだったのじゃ?」
「俺の考え過ぎだったみたいだ…」
「そうじゃったか…何か手がかりがあるとしたら、ダンジョンじゃな。魔法書は歴史のある集落にも残っておるが、たいていはダンジョンで得たものだからのぅ。」
「確かに本にそう記載されていたな…ダンジョンにある理由は知ってるか?」
「うむ!ダンジョンは古の時代、悪魔族が神達の攻撃から身を守るために召喚した、巨大な魔物なんじゃよ。」
「なっ…!」
王都に着き、初めてダンジョンに来た時の違和感はそれが原因だったようだ。
やはりあのただならぬ気配は魔物のものだったか…
「…ならダンジョンは危険なんじゃないか?」
「それが、そうではないんじゃ。ダンジョン型の魔物は自身を動かすことができないんじゃよ。」
「じゃあ生きていくための糧はどうやって…あっ、そうか。」
ダンジョンで死んだ冒険者達の死体はその場に残ることがなく、ダンジョンに吸収される。
それがダンジョン型魔物の生存方法なのだろう。
『…なるほどな。色々合点がいったよ。』
例えばどうしてダンジョンの規模に差があるのか…
侵入する冒険者の数が多いほど大規模で、少ないほど小規模であることから、食事量の差によるものだろう。
ダンジョン変動などでダンジョンの規模が変化するのもこれが原因だ。
例えばどうしてスタンピードが起こるのか…
スタンピードで殺した人間をダンジョンに引きずり込む点から、おそらく自身の規模に対して食事量が足りず、食事を欲するからだ。
『まじか…これ人族側では永遠の研究課題として扱われてるのにな…』
やはり種族間で差別せず、手を取り合えば色々な真理を探究でき、そしてより良い生活が手に入るだろう。
「ダグラス殿、ダンジョン攻略をしたらどうかの?」
「それは有りだな…」
ダンジョンの最深部には何があるのか?
どのような宝を入手できるのか?
どれほど攻略が難しいのか?
ダンジョンは未知なことばかりなので、ロマンで溢れている。
死神と神々に叛逆するためにも、ちょうど良いレベリング場だろうし、当面は世界中のダンジョン攻略を目標に活動しよう。
そうと決まれば早速行動だ。
俺は図書館でダンジョンに関する書物を集めて読むと同時に、ヴァルハラ帝国の統治体制の引き継ぎを行った。
ちなみに俺は国王代理はグレイ、国王代理補佐にリリスとルカ、チェイスを任命した。
二週間後
見送られるのはあまり得意ではないので、こっそり国を出ようと早朝に玉座から離れるとそこにはグレイとグリムが立っていた。
「ダグラス様の性格ですから抜けるならこの時間だと思いましたよ…」
「儂でも気付いたわ!!」
「ばれてたか…」
日頃から俺を見てくれている証拠だ。
本当にいい配下を持った。
「ヴァルハラ帝国のことは我々にお任せください。このグレイ、ダグラス様の代理として死ぬ気で務めます!」
「死なない程度にしてくれ…だが、頼りにしてるぞ。」
「はっ!ありがたき幸せ…」
「グリム、守護は任せたぞ。要塞都市から要請が来たときは手助けしてやってくれ。」
「うむ!任せるのじゃ!」
「…じゃあ行ってくる。」
「ええ!行ってらっしゃいませ。」
「気をつけるんじゃぞー!!」
俺は風属性魔法で空高く飛翔し、移動を始めた。
『さて…こう言っちゃなんだが肩の荷が降りたから自由に動き回れるな。』
図書館で見つけたダンジョンに関する書物は、司書から持ち出しの許可を得たので持ってきた。
特に“ダンジョンの場所と歴史“という本を持ち出せたのは非常に助かる。
この本はタイトル通り世界中のダンジョンの場所とそのダンジョン型魔物が召喚された歴史について記載されているため、ダンジョンを探す手間が省けた。
『まずは蟲のダンジョン…行くか!!』
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