117 / 186
第117話 噂
しおりを挟む
「ダグラス様、この森に残ってくださいませんか…?」
フェンリルが仲間になり、帰ろうとしていた頃エイミが涙目で訴えかけてきた。
「…どうしてだ?」
「あと少しでいいんです…一緒に居たいです…!!」
屋敷に戻ったところでやることは魔物の生態研究くらいしかない。
それなら精霊の森内部でもできるので、残ってもデメリットは無いだろう。
「分かった。ただ、外に用ができたら出ていくがいいか?」
「はい…ありがとうございます…!!」
しかし”ピン立て”した魔物の研究は既に終わってしまったので、新たに被験者を探す必要がある。
「森に籠る前にやっておきたいことがあるから先に行ってきていいか?」
「はい!じゃあ先に中で待ってますね。」
「ああ。」
正直快適さは森の方が断然いいので、ずっと森の中に籠っていたい。
何か問題が起こらない限り森を拠点にしてもいいかもしれない。
「じゃあ私とフィンは神話生物の情報を集めながら武者修行の旅に出てくるわ。」
「ああ。討伐は俺も参加するからその時はここに来てくれ。」
「分かったわ。じゃあまたね。」
「ああ。また。」
リヴェリア達を見送ったあと、俺も早速行動を起こした。
『とりあえず今まで確認した魔物すべてに”ピン立て”するか。』
ヴァ―リ領、王都、海上都市、鉱山都市、山岳都市、武闘国家と今まで拠点にしたところを回った。
そして、合計56種の魔物にピンを立てた。
『思ってたより多かったな。まぁその方が多くの結果を得られるからいいか。』
これで外の世界に用はなくなったので精霊の森内部に”転移”した。
今度は何かに阻まれずに転移できた。
やっぱりあの時はリヴェリアがいたからできなかったようだ。
「おかえりなさい!!」
「ただいま。それで、今日からお世話になるわけだがどこに住めばいいんだ?」
「そうですね…あの、ダグラス様さえよければわたしの家に泊まりませんか?」
エイミの家は集会所を兼ねているためとても広い。
よって、研究する際に少し物が散らばるので都合がいい。
「そうだな。じゃあ邪魔するよ。」
「はいっ!!」
それから50日ほどが過ぎた。
最初は文化の違いから食事や睡眠など、色々苦労した。
しかし、今となってはまるで老夫婦のように息があった行動ができるようになった。
魔物の研究結果をまとめると、
1.Aランク以上の魔物は基本的に意識を持っているが、それに感情は伴っていない
例:)ハイオークAの狩りは仲間を利用し合っており、死んだ仲間がいても悲しまず食料にしていた
2.獣系の魔物は比較的賢い
例:)ウェアウルフはBランク魔物だが意識を持っており、狩りに戦術を使っていた
3.魔物はSSランク以上のみ、魔族は全員感情を持つ
例:)四神や海龍、真祖やインプ
3の結果により、俺は今まで感情を持つ者を虐殺していなかったことが分かって安心した。
まだ罪は犯していなかったみたいだ。
「ダグラス様、今お茶を用意したので一緒に飲みませんか?」
「そうしようか。」
お茶を飲んでると、何やらエイミがもじもじとしていた。
「エイミ、どうかしたのか?」
「あ、あの…研究が終わったってことはここから出て行ってしまうのですか?」
「…考えてなかったな。」
「ダグラス様は魔物の研究をなさっていますよね?」
「ああ。」
「実は外のことなんですけど、聞いてほしい噂話があるんです。」
そういえば研究に没頭していて外のことを完全に忘れていた。
「実は…聖王国で勇者召喚の儀式が行われたらしいんです。」
「勇者…!?本当か!?」
勇者が現れたということは、近い将来に魔王が現れるということだ。
御伽噺や歴史書によるとこの世界がは絶望に見舞われる、即ち魔王が世界を淘汰すると必ず勇者や英雄が現れる仕組みになっているらしい。
「詳細は分かりません…ただ、夜に巨大な魔法陣が描かれたと思ったら光の柱が現れたらしいです。」
「それは…本当に御伽噺の勇者が現れたときと同じ描写じゃないか!!」
「はい…そして過激派の魔族たちが魔王因子を持つ者を血眼になって探しているそうなんです。」
「なっ…!?」
魔王因子とは、魔王になる素質の持ち主のことだ。
ちなみに他にも勇者因子や英雄因子などがある。
「もしその魔王因子を持つ方が過激派と同じ思想の持ち主だったら…」
「…厄介なことになるな。」
魔王の誕生は魔王因子の持ち主が何らかの条件を達成した時で、過激派が協力したら勇者が成長する前に魔王が君臨してしまうのだ。
そして勇者が倒されたら、世界が恐怖に包まれるのは時間の問題だ。
『世界規模の大戦に発展しなきゃいいがな…』
フェンリルが仲間になり、帰ろうとしていた頃エイミが涙目で訴えかけてきた。
「…どうしてだ?」
「あと少しでいいんです…一緒に居たいです…!!」
屋敷に戻ったところでやることは魔物の生態研究くらいしかない。
それなら精霊の森内部でもできるので、残ってもデメリットは無いだろう。
「分かった。ただ、外に用ができたら出ていくがいいか?」
「はい…ありがとうございます…!!」
しかし”ピン立て”した魔物の研究は既に終わってしまったので、新たに被験者を探す必要がある。
「森に籠る前にやっておきたいことがあるから先に行ってきていいか?」
「はい!じゃあ先に中で待ってますね。」
「ああ。」
正直快適さは森の方が断然いいので、ずっと森の中に籠っていたい。
何か問題が起こらない限り森を拠点にしてもいいかもしれない。
「じゃあ私とフィンは神話生物の情報を集めながら武者修行の旅に出てくるわ。」
「ああ。討伐は俺も参加するからその時はここに来てくれ。」
「分かったわ。じゃあまたね。」
「ああ。また。」
リヴェリア達を見送ったあと、俺も早速行動を起こした。
『とりあえず今まで確認した魔物すべてに”ピン立て”するか。』
ヴァ―リ領、王都、海上都市、鉱山都市、山岳都市、武闘国家と今まで拠点にしたところを回った。
そして、合計56種の魔物にピンを立てた。
『思ってたより多かったな。まぁその方が多くの結果を得られるからいいか。』
これで外の世界に用はなくなったので精霊の森内部に”転移”した。
今度は何かに阻まれずに転移できた。
やっぱりあの時はリヴェリアがいたからできなかったようだ。
「おかえりなさい!!」
「ただいま。それで、今日からお世話になるわけだがどこに住めばいいんだ?」
「そうですね…あの、ダグラス様さえよければわたしの家に泊まりませんか?」
エイミの家は集会所を兼ねているためとても広い。
よって、研究する際に少し物が散らばるので都合がいい。
「そうだな。じゃあ邪魔するよ。」
「はいっ!!」
それから50日ほどが過ぎた。
最初は文化の違いから食事や睡眠など、色々苦労した。
しかし、今となってはまるで老夫婦のように息があった行動ができるようになった。
魔物の研究結果をまとめると、
1.Aランク以上の魔物は基本的に意識を持っているが、それに感情は伴っていない
例:)ハイオークAの狩りは仲間を利用し合っており、死んだ仲間がいても悲しまず食料にしていた
2.獣系の魔物は比較的賢い
例:)ウェアウルフはBランク魔物だが意識を持っており、狩りに戦術を使っていた
3.魔物はSSランク以上のみ、魔族は全員感情を持つ
例:)四神や海龍、真祖やインプ
3の結果により、俺は今まで感情を持つ者を虐殺していなかったことが分かって安心した。
まだ罪は犯していなかったみたいだ。
「ダグラス様、今お茶を用意したので一緒に飲みませんか?」
「そうしようか。」
お茶を飲んでると、何やらエイミがもじもじとしていた。
「エイミ、どうかしたのか?」
「あ、あの…研究が終わったってことはここから出て行ってしまうのですか?」
「…考えてなかったな。」
「ダグラス様は魔物の研究をなさっていますよね?」
「ああ。」
「実は外のことなんですけど、聞いてほしい噂話があるんです。」
そういえば研究に没頭していて外のことを完全に忘れていた。
「実は…聖王国で勇者召喚の儀式が行われたらしいんです。」
「勇者…!?本当か!?」
勇者が現れたということは、近い将来に魔王が現れるということだ。
御伽噺や歴史書によるとこの世界がは絶望に見舞われる、即ち魔王が世界を淘汰すると必ず勇者や英雄が現れる仕組みになっているらしい。
「詳細は分かりません…ただ、夜に巨大な魔法陣が描かれたと思ったら光の柱が現れたらしいです。」
「それは…本当に御伽噺の勇者が現れたときと同じ描写じゃないか!!」
「はい…そして過激派の魔族たちが魔王因子を持つ者を血眼になって探しているそうなんです。」
「なっ…!?」
魔王因子とは、魔王になる素質の持ち主のことだ。
ちなみに他にも勇者因子や英雄因子などがある。
「もしその魔王因子を持つ方が過激派と同じ思想の持ち主だったら…」
「…厄介なことになるな。」
魔王の誕生は魔王因子の持ち主が何らかの条件を達成した時で、過激派が協力したら勇者が成長する前に魔王が君臨してしまうのだ。
そして勇者が倒されたら、世界が恐怖に包まれるのは時間の問題だ。
『世界規模の大戦に発展しなきゃいいがな…』
0
あなたにおすすめの小説
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる