異世界転生録if~死と隣り合わせのこの世界で死なないため、力を付けます!!~

島津穂高

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第161話 大軍

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“ウェポンマスター“の練習を始めてから2週間と少しが経った。

魔狼族の家もちょうど建築を終え、既に移住を終えた。



『これで当分は安定だな…』



ずっと練習し続け、ついに全武器を同時に操りスキルを行使できるようになった。

しかし、実際の戦闘では同時に色々なことを考えなくてはいけないため、まだ実戦には使えないだろう。



『とりあえず“並列思考“は習得したから…あとは反復練習を続けて慣れるしかないな。』



早速ヴァルハラ帝国を出て、練習場所である荒野に移動した。

いつも通り周囲の危険度を把握しようと“レーダー“を行使すると、なんと正大陸の要塞都市の方から武装集団が行進してきていた。



『なっ、なんだ!?!?もしかしてヴァルハラ帝国に侵攻しに来ているのか…?』



最近ヴァルハラ帝国の規模が大きくなったため要塞都市の外壁から見えたのだろうか…?



『…あっ。』



もしかしたらコルムを消した“業火球“と“止水球“の爆発で発生した爆音と光の調査に来たのかもしれない。



「やらかしたな…グレイ、居るか?」



「はっ!いかがなさいましたか?」



「要塞都市の方から武装集団が近づいてきている。俺は監視をしているからグレイはこのことをグリムに伝え、防戦体制を取らせておいてくれ。」



「なんと…!承知いたしました。」



さて…

ヴァルハラ帝国に到着されるまでに相手の戦力を把握しておきたい。



俺は自身に“偽装“と“気配遮断“を行使し、風属性魔法で空を飛んで接近した。

鎧のエンブレムから察するに、この武装集団は要塞都市の騎士団だ。



『“レーダー“によると人数は…300人以上!?!?ステータスは…全員雑魚か。安心した。』



部隊の隊長と思われる六人はAランク冒険者並のステータス値を誇っている。

しかし、それはヴァルハラ帝国における一般国民の平均戦闘能力と同等以下なので、何も心配すら必要はないだろう。



『…ヴァルハラ帝国って人族の視点から見たら恐怖の対象としか映らないな。』



改めて魔族の戦闘能力の高さを人族基準に確認することができた。



『戦闘になっても単独で勝てるが…出来れば平和に解決したいな。』



…ダグラスの名前がバレるのは何としてでも避けたい。

さもなければ魔族を率いる人族の裏切り者として、正大陸中から指名手配されてしまうだろう。



『…それに、もしそうなったら家族の身が危ないからな。』



騎士団の進軍速度はそこまで速くないので、ヴァルハラ帝国に着くまであと一時間は猶予があるだろう。



『それまでに何か対策を考えないとな…』



俺は“偽装“と“気配遮断“を解除し、玉座に戻った。



「ダグラス様、防戦体制整いました。既にあちらが攻撃するまでこちらも攻撃してはいけないと言い聞かせております。」



「ありがとう。何か平和にやり過ごすための対策はあるか?」



「そうですね…ヴァルハラ帝国の結界に“隠蔽“の効果を付与し、国の存在を隠すのはどうでしょう?」



「俺も考えた…がそれだと騎士団が進み続けて結界にぶつかるのがオチだ。」



「…では国の存在を隠し、別方向で騒ぎを起こすのはどうでしょうか?」



「確かにそれで進行方向は変えられるな…」



騒ぎを起こすと言っても、せいぜい大規模な魔法を行使して注意を引く他ない。

そして、もし魔法を行使しているのが魔族だと知った騎士団は、討伐しようと戦闘を始めるに違いない。



『俺がやるしかない…か。』



名前を偽り、流浪の魔法師と認識されなくてはこの作戦の意味がない。

設定を考えなくては…



数分後

結界に”隠蔽”の効果を付与し終え、同時に設定も考え付いた。



「よし…じゃあ行ってくる。」



「お気をつけて。」



「ああ。」



俺は騎士団の進行方向の右側に移動した。

こちらはただ荒野が広がっているだけなので、魔法を行使しても被害が少なくて済む。



『もしコルム戦で使った魔法を調査しに来ていた場合を考えて…』



右手に“業火球“を、左手に“止水球“をストックし、“魔力念操作“で前方に飛ばした。

そして、爆音と眩い光を伴う大爆発を発生させた。



『釣れたか…?』



その場で”千里眼”を行使して騎士団の様子を窺うと、今の爆発に驚いたためか周囲を警戒していた。

そして周囲に危険が無いことを知ると、騎馬兵六人を先遣隊としてこちらに送って来た。

本陣はその騎馬兵の後を追うようにして、こちらに進軍してきた。



『よし…これでヴァルハラ帝国のことは誤魔化せそうだ。』



さて…

あとは俺が何とか誤魔化すことができれば作戦成功だ。

早速魔法の練習をする流浪の魔法師という設定の演技を始めた。



”レーダー”で監視しながら演じていると、騎馬兵の一人が俺の姿を捕らえたようだ。

そして六人で何かを話し込んだ後、一人でこちらに近づいてきた。



「…君、そこで何をしているんだい?」
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