171 / 186
第171話 蟲のダンジョン 下層①
しおりを挟む
本によると、名前通り虫型魔物で構成されたダンジョンらしい。
その歴史は神達が穢らわしいと考えている虫に守護させることで、侵入を阻もうとしたという。
『虫は正直嫌だなぁ…前世でも無理だったし…』
これは異世界における関門の一つだと思う。
この世界の虫は全て原型を留めたまま巨大化して魔物化しているため、余計気持ち悪くなっているのだ。
『想像するだけで鳥肌が止まらないけど…頑張って我慢しよう。』
直接触らなければまだマシだろう。
常に自身の周りに結界を展開し、武器は使わずに魔法で倒そう…
そんなことを考えながら移動していると、目的地に到着した。
やはり虫は嫌われているからか、小規模ダンジョンだった。
『…と言っても外観は前世の高層ビルくらいあるけどな。』
そもそも大規模ダンジョンがおかしいのだ。
雲を突き抜けて天高くそびえ立ち、その頂上が見えない。
古の時代の地上は、これほど巨大な生物で溢れていたのだろうか…?
『…っと。誰か来たな。』
どうやら冒険者のパーティがレイドを組んで蟲のダンジョンに入るようだ。
荷物持ちや軽装の者が多いことから、おそらく素材採取だろうか?
『うーん…問題になるのも面倒くさいし、出来れば鉢合わせたくないな…』
「今回は3階層の素材を取りに行くぞ!!気を引き締めろ!!!」
「おおおおおおおおおおお!!!!!」
レイドパーティが士気を高めるべく、演説を始めた。
彼らの後ろをついていってもいいのだが、進度が遅いので先に進んでしまおう。
『…今のうちに入るか。』
俺は自身に“隠蔽“を付与し、不可視化した。
そして背後をこっそり通り、ダンジョンに入った。
『よし…!魔物を一掃してもいいけど彼らに怪しまれるだろうからな…このままハイドして進むか。』
少し歩いて十字路に繋がる広場に出たとき、ソレは現れた。
カサカサと音を立てながら移動する、黒光りしている楕円形の虫…
そう、忌々しきGだ…
『うわまじか…しかも兎くらいの大きさあるし何匹もいるし…最悪だな。』
ハイドしているとはいえ、できれば近くを通りたくないが…
後ろからレイドパーティの声が聞こえ始めてきた。
このまま進むのを躊躇していたら、追いつかれてしまう。
『やむを得ないか…』
一番スペースが開いていた左の通路の方へ、Gと距離を取りつつ全速力で移動した。
『ふぅ…虫はどうしても無理だな…』
”レーダー”で彼らの行動を窺うと、彼らはGを撃退した後迷わず中央の道を進んでいった。
ということは、中央の道が次の階層へ向かう正規ルートということだ。
目的地に向かって一直線に向かっているので、他の場所には来ないだろう。
したがって、”マッピング”するのなら今の内だ。
『よし…もう彼らの音も聞こえないし、魔物は倒して進むか。』
そのまま左の道を進んでいると、再び広場に出た。
今度は行き止まりだが、その最奥に宝箱があるようだ。
しかし宝箱を守るように、先ほど見たものより一回り大きいGが居座っていた。
この世界のGもしぶとく生きるのだろうか…?
『…地味に耐えられて近づかれたくないし、遠距離一撃で確実に仕留めるか。』
俺はスナイパーライフルを想像しながら死魔法”デスバレット”を行使した。
その弾丸はGの頭へとまっすぐ進んでいき、見事ヘッドショットを決めた。
『…死んでるよな?』
その場に倒れてピクリとも動かないが、死んだふりだったら嫌だ。
念には念を入れて火属性魔法”ファイヤーボール”で燃やして灰にした。
『よし…”レーダー”の反応も無いし進むか。』
宝箱に近づき、”罠探知”を行使すると、まだ一層だというのに厳重な罠が張られていた。
『このダンジョンの性質か…?それとも貴重な宝が眠っているのか…?』
後者であることを期待しながら”罠解除”で難なく無効化し、蓋を開けた。
驚くことに、中身はなんと”毒魔法”という未習得のスクロールだった。
『おぉ…!!当たりだな!!』
その名の通り、毒を使う魔法のようだ。
状態異常魔法と被っているが、効果はこちらの方が強いようだ。
とりあえずSPを消費してSランクまで習得した。
そして、ふとあることに気づいた。
『待てよ…これを上手く利用したら殺虫剤になるんじゃないか…?』
もし殺虫剤になるのなら、蟲のダンジョンは余裕で踏破できるだろう。
…それに、近づかずに倒せる。
『強力な遠距離範囲攻撃は…毒魔法S”デッドリーポイズンエリア”か。』
浅い階層のうちに効果や持続時間を試しておきたい。
俺は十字路に戻り、今度は右通路の方に進んだ。
こちらも行き止まりで宝箱があった。
唯一違う点は、宝箱の守護者がGの魔物五匹だったということだ。
『ちょうどいいな…”デッドリーポイズンエリア”』
ステータスを”鑑定”して様子を見ると、なんと一秒あたりHPが20000減り、HP量が多かったGをものの三秒で倒した。
『これは凄いな…!!それに無色無臭なのは視界も遮られないし都合がいい…!!』
これで蟲のダンジョン踏破の可能性がぐんと上がった。
その歴史は神達が穢らわしいと考えている虫に守護させることで、侵入を阻もうとしたという。
『虫は正直嫌だなぁ…前世でも無理だったし…』
これは異世界における関門の一つだと思う。
この世界の虫は全て原型を留めたまま巨大化して魔物化しているため、余計気持ち悪くなっているのだ。
『想像するだけで鳥肌が止まらないけど…頑張って我慢しよう。』
直接触らなければまだマシだろう。
常に自身の周りに結界を展開し、武器は使わずに魔法で倒そう…
そんなことを考えながら移動していると、目的地に到着した。
やはり虫は嫌われているからか、小規模ダンジョンだった。
『…と言っても外観は前世の高層ビルくらいあるけどな。』
そもそも大規模ダンジョンがおかしいのだ。
雲を突き抜けて天高くそびえ立ち、その頂上が見えない。
古の時代の地上は、これほど巨大な生物で溢れていたのだろうか…?
『…っと。誰か来たな。』
どうやら冒険者のパーティがレイドを組んで蟲のダンジョンに入るようだ。
荷物持ちや軽装の者が多いことから、おそらく素材採取だろうか?
『うーん…問題になるのも面倒くさいし、出来れば鉢合わせたくないな…』
「今回は3階層の素材を取りに行くぞ!!気を引き締めろ!!!」
「おおおおおおおおおおお!!!!!」
レイドパーティが士気を高めるべく、演説を始めた。
彼らの後ろをついていってもいいのだが、進度が遅いので先に進んでしまおう。
『…今のうちに入るか。』
俺は自身に“隠蔽“を付与し、不可視化した。
そして背後をこっそり通り、ダンジョンに入った。
『よし…!魔物を一掃してもいいけど彼らに怪しまれるだろうからな…このままハイドして進むか。』
少し歩いて十字路に繋がる広場に出たとき、ソレは現れた。
カサカサと音を立てながら移動する、黒光りしている楕円形の虫…
そう、忌々しきGだ…
『うわまじか…しかも兎くらいの大きさあるし何匹もいるし…最悪だな。』
ハイドしているとはいえ、できれば近くを通りたくないが…
後ろからレイドパーティの声が聞こえ始めてきた。
このまま進むのを躊躇していたら、追いつかれてしまう。
『やむを得ないか…』
一番スペースが開いていた左の通路の方へ、Gと距離を取りつつ全速力で移動した。
『ふぅ…虫はどうしても無理だな…』
”レーダー”で彼らの行動を窺うと、彼らはGを撃退した後迷わず中央の道を進んでいった。
ということは、中央の道が次の階層へ向かう正規ルートということだ。
目的地に向かって一直線に向かっているので、他の場所には来ないだろう。
したがって、”マッピング”するのなら今の内だ。
『よし…もう彼らの音も聞こえないし、魔物は倒して進むか。』
そのまま左の道を進んでいると、再び広場に出た。
今度は行き止まりだが、その最奥に宝箱があるようだ。
しかし宝箱を守るように、先ほど見たものより一回り大きいGが居座っていた。
この世界のGもしぶとく生きるのだろうか…?
『…地味に耐えられて近づかれたくないし、遠距離一撃で確実に仕留めるか。』
俺はスナイパーライフルを想像しながら死魔法”デスバレット”を行使した。
その弾丸はGの頭へとまっすぐ進んでいき、見事ヘッドショットを決めた。
『…死んでるよな?』
その場に倒れてピクリとも動かないが、死んだふりだったら嫌だ。
念には念を入れて火属性魔法”ファイヤーボール”で燃やして灰にした。
『よし…”レーダー”の反応も無いし進むか。』
宝箱に近づき、”罠探知”を行使すると、まだ一層だというのに厳重な罠が張られていた。
『このダンジョンの性質か…?それとも貴重な宝が眠っているのか…?』
後者であることを期待しながら”罠解除”で難なく無効化し、蓋を開けた。
驚くことに、中身はなんと”毒魔法”という未習得のスクロールだった。
『おぉ…!!当たりだな!!』
その名の通り、毒を使う魔法のようだ。
状態異常魔法と被っているが、効果はこちらの方が強いようだ。
とりあえずSPを消費してSランクまで習得した。
そして、ふとあることに気づいた。
『待てよ…これを上手く利用したら殺虫剤になるんじゃないか…?』
もし殺虫剤になるのなら、蟲のダンジョンは余裕で踏破できるだろう。
…それに、近づかずに倒せる。
『強力な遠距離範囲攻撃は…毒魔法S”デッドリーポイズンエリア”か。』
浅い階層のうちに効果や持続時間を試しておきたい。
俺は十字路に戻り、今度は右通路の方に進んだ。
こちらも行き止まりで宝箱があった。
唯一違う点は、宝箱の守護者がGの魔物五匹だったということだ。
『ちょうどいいな…”デッドリーポイズンエリア”』
ステータスを”鑑定”して様子を見ると、なんと一秒あたりHPが20000減り、HP量が多かったGをものの三秒で倒した。
『これは凄いな…!!それに無色無臭なのは視界も遮られないし都合がいい…!!』
これで蟲のダンジョン踏破の可能性がぐんと上がった。
0
あなたにおすすめの小説
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる