170 / 186
第170話 真理
しおりを挟む
フェンリルバイコーンを召喚してから一ヶ月が経過した。
この期間でヴァルハラ帝国と要塞都市間の経済体制を安定化することに成功し、今では様々なものを輸出入している。
そして、俺はというと魔狼族の図書館にこもって古代魔法の、特に神代魔法の勉強をしてした。
『うーん…なかなかこれだ!ってものが見つからないなぁ…』
魔狼族の中でも古代文字を読める人が少ないからだろうか。
中には日記やレシピ本、手紙なども混ざっていた。
俺はそれらが実は暗号で、文字を繋げたり縦読みしたら魔法書になってるかもしれないと考えた。
そして一ヶ月間試行錯誤したが、何の成果も得られなかった。
『もしかして本当にただの日記とレシピ本なのか…?』
グレイやグリム、チェイス達とも協力して解こうと努めたが、それでも暗号らしきものは見つからない。
やはり深く考え過ぎていただけだったようだ。
『この一ヶ月の努力を返してほしい…』
後悔してくよくよしていても仕方ないので、気分転換にアンデッド軍の訓練に参加しよう。
俺はグリムの元は“転移“した。
「おぉ、ダグラス殿か。あの暗号はどうだったのじゃ?」
「俺の考え過ぎだったみたいだ…」
「そうじゃったか…何か手がかりがあるとしたら、ダンジョンじゃな。魔法書は歴史のある集落にも残っておるが、たいていはダンジョンで得たものだからのぅ。」
「確かに本にそう記載されていたな…ダンジョンにある理由は知ってるか?」
「うむ!ダンジョンは古の時代、悪魔族が神達の攻撃から身を守るために召喚した、巨大な魔物なんじゃよ。」
「なっ…!」
王都に着き、初めてダンジョンに来た時の違和感はそれが原因だったようだ。
やはりあのただならぬ気配は魔物のものだったか…
「…ならダンジョンは危険なんじゃないか?」
「それが、そうではないんじゃ。ダンジョン型の魔物は自身を動かすことができないんじゃよ。」
「じゃあ生きていくための糧はどうやって…あっ、そうか。」
ダンジョンで死んだ冒険者達の死体はその場に残ることがなく、ダンジョンに吸収される。
それがダンジョン型魔物の生存方法なのだろう。
『…なるほどな。色々合点がいったよ。』
例えばどうしてダンジョンの規模に差があるのか…
侵入する冒険者の数が多いほど大規模で、少ないほど小規模であることから、食事量の差によるものだろう。
ダンジョン変動などでダンジョンの規模が変化するのもこれが原因だ。
例えばどうしてスタンピードが起こるのか…
スタンピードで殺した人間をダンジョンに引きずり込む点から、おそらく自身の規模に対して食事量が足りず、食事を欲するからだ。
『まじか…これ人族側では永遠の研究課題として扱われてるのにな…』
やはり種族間で差別せず、手を取り合えば色々な真理を探究でき、そしてより良い生活が手に入るだろう。
「ダグラス殿、ダンジョン攻略をしたらどうかの?」
「それは有りだな…」
ダンジョンの最深部には何があるのか?
どのような宝を入手できるのか?
どれほど攻略が難しいのか?
ダンジョンは未知なことばかりなので、ロマンで溢れている。
死神と神々に叛逆するためにも、ちょうど良いレベリング場だろうし、当面は世界中のダンジョン攻略を目標に活動しよう。
そうと決まれば早速行動だ。
俺は図書館でダンジョンに関する書物を集めて読むと同時に、ヴァルハラ帝国の統治体制の引き継ぎを行った。
ちなみに俺は国王代理はグレイ、国王代理補佐にリリスとルカ、チェイスを任命した。
二週間後
見送られるのはあまり得意ではないので、こっそり国を出ようと早朝に玉座から離れるとそこにはグレイとグリムが立っていた。
「ダグラス様の性格ですから抜けるならこの時間だと思いましたよ…」
「儂でも気付いたわ!!」
「ばれてたか…」
日頃から俺を見てくれている証拠だ。
本当にいい配下を持った。
「ヴァルハラ帝国のことは我々にお任せください。このグレイ、ダグラス様の代理として死ぬ気で務めます!」
「死なない程度にしてくれ…だが、頼りにしてるぞ。」
「はっ!ありがたき幸せ…」
「グリム、守護は任せたぞ。要塞都市から要請が来たときは手助けしてやってくれ。」
「うむ!任せるのじゃ!」
「…じゃあ行ってくる。」
「ええ!行ってらっしゃいませ。」
「気をつけるんじゃぞー!!」
俺は風属性魔法で空高く飛翔し、移動を始めた。
『さて…こう言っちゃなんだが肩の荷が降りたから自由に動き回れるな。』
図書館で見つけたダンジョンに関する書物は、司書から持ち出しの許可を得たので持ってきた。
特に“ダンジョンの場所と歴史“という本を持ち出せたのは非常に助かる。
この本はタイトル通り世界中のダンジョンの場所とそのダンジョン型魔物が召喚された歴史について記載されているため、ダンジョンを探す手間が省けた。
『まずは蟲のダンジョン…行くか!!』
この期間でヴァルハラ帝国と要塞都市間の経済体制を安定化することに成功し、今では様々なものを輸出入している。
そして、俺はというと魔狼族の図書館にこもって古代魔法の、特に神代魔法の勉強をしてした。
『うーん…なかなかこれだ!ってものが見つからないなぁ…』
魔狼族の中でも古代文字を読める人が少ないからだろうか。
中には日記やレシピ本、手紙なども混ざっていた。
俺はそれらが実は暗号で、文字を繋げたり縦読みしたら魔法書になってるかもしれないと考えた。
そして一ヶ月間試行錯誤したが、何の成果も得られなかった。
『もしかして本当にただの日記とレシピ本なのか…?』
グレイやグリム、チェイス達とも協力して解こうと努めたが、それでも暗号らしきものは見つからない。
やはり深く考え過ぎていただけだったようだ。
『この一ヶ月の努力を返してほしい…』
後悔してくよくよしていても仕方ないので、気分転換にアンデッド軍の訓練に参加しよう。
俺はグリムの元は“転移“した。
「おぉ、ダグラス殿か。あの暗号はどうだったのじゃ?」
「俺の考え過ぎだったみたいだ…」
「そうじゃったか…何か手がかりがあるとしたら、ダンジョンじゃな。魔法書は歴史のある集落にも残っておるが、たいていはダンジョンで得たものだからのぅ。」
「確かに本にそう記載されていたな…ダンジョンにある理由は知ってるか?」
「うむ!ダンジョンは古の時代、悪魔族が神達の攻撃から身を守るために召喚した、巨大な魔物なんじゃよ。」
「なっ…!」
王都に着き、初めてダンジョンに来た時の違和感はそれが原因だったようだ。
やはりあのただならぬ気配は魔物のものだったか…
「…ならダンジョンは危険なんじゃないか?」
「それが、そうではないんじゃ。ダンジョン型の魔物は自身を動かすことができないんじゃよ。」
「じゃあ生きていくための糧はどうやって…あっ、そうか。」
ダンジョンで死んだ冒険者達の死体はその場に残ることがなく、ダンジョンに吸収される。
それがダンジョン型魔物の生存方法なのだろう。
『…なるほどな。色々合点がいったよ。』
例えばどうしてダンジョンの規模に差があるのか…
侵入する冒険者の数が多いほど大規模で、少ないほど小規模であることから、食事量の差によるものだろう。
ダンジョン変動などでダンジョンの規模が変化するのもこれが原因だ。
例えばどうしてスタンピードが起こるのか…
スタンピードで殺した人間をダンジョンに引きずり込む点から、おそらく自身の規模に対して食事量が足りず、食事を欲するからだ。
『まじか…これ人族側では永遠の研究課題として扱われてるのにな…』
やはり種族間で差別せず、手を取り合えば色々な真理を探究でき、そしてより良い生活が手に入るだろう。
「ダグラス殿、ダンジョン攻略をしたらどうかの?」
「それは有りだな…」
ダンジョンの最深部には何があるのか?
どのような宝を入手できるのか?
どれほど攻略が難しいのか?
ダンジョンは未知なことばかりなので、ロマンで溢れている。
死神と神々に叛逆するためにも、ちょうど良いレベリング場だろうし、当面は世界中のダンジョン攻略を目標に活動しよう。
そうと決まれば早速行動だ。
俺は図書館でダンジョンに関する書物を集めて読むと同時に、ヴァルハラ帝国の統治体制の引き継ぎを行った。
ちなみに俺は国王代理はグレイ、国王代理補佐にリリスとルカ、チェイスを任命した。
二週間後
見送られるのはあまり得意ではないので、こっそり国を出ようと早朝に玉座から離れるとそこにはグレイとグリムが立っていた。
「ダグラス様の性格ですから抜けるならこの時間だと思いましたよ…」
「儂でも気付いたわ!!」
「ばれてたか…」
日頃から俺を見てくれている証拠だ。
本当にいい配下を持った。
「ヴァルハラ帝国のことは我々にお任せください。このグレイ、ダグラス様の代理として死ぬ気で務めます!」
「死なない程度にしてくれ…だが、頼りにしてるぞ。」
「はっ!ありがたき幸せ…」
「グリム、守護は任せたぞ。要塞都市から要請が来たときは手助けしてやってくれ。」
「うむ!任せるのじゃ!」
「…じゃあ行ってくる。」
「ええ!行ってらっしゃいませ。」
「気をつけるんじゃぞー!!」
俺は風属性魔法で空高く飛翔し、移動を始めた。
『さて…こう言っちゃなんだが肩の荷が降りたから自由に動き回れるな。』
図書館で見つけたダンジョンに関する書物は、司書から持ち出しの許可を得たので持ってきた。
特に“ダンジョンの場所と歴史“という本を持ち出せたのは非常に助かる。
この本はタイトル通り世界中のダンジョンの場所とそのダンジョン型魔物が召喚された歴史について記載されているため、ダンジョンを探す手間が省けた。
『まずは蟲のダンジョン…行くか!!』
0
あなたにおすすめの小説
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる