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第十一話
66.
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「そう言えば、今ってインターン杯の時期でしたっけ。勝ったんですか? 深山」
パソコンの画面の中で、すっかり見慣れた折原の顔が笑っている。日本とドイツの時差は八時間だ。サマータイムの今は、七時間。
こちらはもう夜の十一時だが、向こうはまだ四時だ。時間が合うときを見計らって、スカイプで連絡を取るようにし出して、一か月は経つ。スカイプに使う道具なんて持っていないと言った俺に、向こうに戻る前に知って良かったとばかりに購入して設置までしていったのは折原だ。そこまでされて、使わないのはどうかと思う。顔が見える通話と言うツールが苦手だと尻込みしたくなるのを言い包めて、使い出して、やっと少し慣れてきた。肩ひじ張らずに使用できるようになるくらいには。
メールだけならばラインでやり取りもできるのだから、便利な世の中になったなぁと思う。距離は遠いけれど。
「ベスト16」
「それは妥当なんですか、それとも予想外だったんですか」
「順当って言ったら申し訳ないけど、まぁ、でも」
大きなくくりで言えば予想の範囲内だ。監督は、渋い顔をしていたし、生徒たちも気落ちしてはいたけれど。まだ大会は残っているから、調整の効く段階だ。
「おまえは負けたことほとんどないだろ、深山にいた頃」
「そんなことないですよ? たぶん。いや、三年の時はそうだったかな。でも、時代も違いますから」
黄金時代と言われていた当時。三冠を達成したのは折原が最高学年の年だった。どの試合も見に行ってもいないし、テレビでも見ていない。結果だけ、風の便りで知っただけだったが、いかにも折原らしいと思ったことを覚えている。
「今でも、写真、飾ってある。部室にも」
「写真? あぁ、俺が三年の時のですか?」
たぶん実家でも探したらあると思うんですけどね、と。相変わらず捉え様にとっては嫌味なことこの上ないのだが、折原だから、と言う理由で、まぁ良いかと思えてしまう。
――本当に、ただの過去の栄光と言うか、記録なんだろうな。折原にとってみれば。
「今の奴らも、見て、目標にしてる」
ここ数年、全国の舞台に立っていない生徒からすれば、憧れで目標だろう。勿論、その当事者も。
「俺、そんなに変わってないでしょう。体格は変わったかもしれませんけど」
「まぁ、……そうか」
あの夜、なぞった肌の記憶が呼び起こされそうになって、話を変える。
「変な感じはするけどな。この年になって、深山に居て、おまえの痕跡を見てるって言うのも」
「――なんか」
思わずと言った風に折原が笑った。
「先輩とあの頃の話をこうやってできるとは思わなかったな」
「そうか」
「はい。でも、嬉しいです」
こう言うところは変わらないな、と思った。なんだかんだと言っても、素直なところ。裏表のない明るさに救われていたのは俺だけではなかったはずだ。それがどの程度、天然のものだったかは今となっては知る由もないが。
「折原はそう言う話をしたいのか?」
お互いにとって、話したからどうなると言うこともない過去の話だ。けれど、そう言った話をタブーにしていた雰囲気があって、気を使わせていたと言うのなら。間違いなく原因は俺で、心当たりも腐るほどある。
――確かに再会したばかりの頃は、思うところはあったか、まだ。
そう考えると、俺も多少は丸くなって成長したんだろう。本当に多少は、かもしれないが。
「先輩」
探るような沈黙の後、折原が口を開いた。
「絶対、富原さんに何か言われたでしょ。そうじゃなきゃ、先輩がそんなこと言うはずない」
「あのな」
おまえの中の俺は一体どうなってるんだと言おうとして、止めた。ろくでもない人間として認定されていたとしても、文句は言えない。
「大体、先輩は昔から俺が何を言っても聞かないけど、富原さんが言ったら、割と何でも聞くじゃないですか」
以前にもそんなようなことを言われた記憶があるから、きっと折原の中での俺はそうなんだろう。自分ではよく分からないが。
「おまえの言うことだって、そうだと思えば聞くに決まってんだろ」
「そうですか? まぁ、そうだと思ってもらえるのかどうかと言うところが問題な気もしますが」
苦笑としか言いようのないトーンに、「折原」と呼びかけて、けれど、何をどう言うべきなのかの自信がなかった。
俺がそんな風に思うと思っていないのか。自分がそんな風に思われると考えていないのか。
「よっぽど富原さんにきつく絞られたんですか」
「……いや」
おまえが俺のことを嫌いにならなかった理由が分からないと言っていたと。口にすることはさすがに憚られた。「そんなことないですよ」とまるで俺が慰めてもらいたいと願っているように響きそうで。
「でも、そうだな。ちゃんと考えた方が良いとは言われた、かな」
「考える?」
「うん。これから先を続けるなら、おまえがしっかりしてなくてどうするんだ、って」
「良いですよ、べつに。そんなに無理して気を使って貰わなくても」
少しの間の後、折原はそう言った。気を使って、と言うよりかは心の底からそう思っている風に。
「今のままで、本当に十分なんです」
最後は頑なと言って差しさわりのない声音だった。その言葉に勝てるような何かは見当たらなくて、これも一つなのかもしれないと今になって思った。
富原の言う、「対等じゃない」と言うそれ。
当たり障りのない会話を終えて、通話を切る。意識するより前にこぼれた溜息には気が付かない振りで、腰を伸ばす。
――あぁ、でも、そう言えば。
引っかかっていた感情を宥めるように、記憶の蓋が開いた。そう言えば、折原は昔からあまり過分を求めなかった。あの頃は、持っているからだろうと思っていた。
天才だからだ。基本的に誰かが欲しがるようなものはすべて持ち合わせていて、だから、誰かを羨むようなこともなければ、必要以上を求めることもない。
競技人生においてはそうではないだろうけれど、それ以外の生活で言えば、足るを知っているタイプなのだろう、とも思う。
それは間違った考え方ではないし、どちらかと言えば褒められて然るべき態度だとも、思う。ただ、あれは少し違うような気もして。
そこまで考えて、馬鹿らしいと俺は浮かんだ疑念を一蹴した。いや、正確に言えば、しようと無駄な抵抗を試みて、失敗した。
それで十分だ、と言うのは、それ以上を望みたくないと言っているのと同じだ。
それ以上は、過分だとでも言うように。折原は、俺が自分のことを好きだと思っていないのかもしれない。それは言い過ぎだとしても、自分と同じくらいの「好き」を向けられることはないと信じているのかもしれない。
……もし仮にそうだとしても、本当に俺の所為以外の何物でもないんだろう、けど。
おまえがそんな調子だから、折原は弱音を吐こうにも吐けないだけなんじゃないか。
それこそ本当に、昔から。自分たちを見てきている旧友に呈された苦言が、呆れ切った音声とともに脳内で再生される。
結局、そう言うことでしかない。富原はよくその調子で嫌われなかったものだとも言っていたが、嫌われはしなかったが、信用されているかどうかは別問題なのだろうではないか、と。
一人で抱え込んで終わりにしないで欲しいとも折原は言った。
それは、三年前も、もっと昔。深山を離れた時も、俺がやったことに他ならなかった。
パソコンの画面の中で、すっかり見慣れた折原の顔が笑っている。日本とドイツの時差は八時間だ。サマータイムの今は、七時間。
こちらはもう夜の十一時だが、向こうはまだ四時だ。時間が合うときを見計らって、スカイプで連絡を取るようにし出して、一か月は経つ。スカイプに使う道具なんて持っていないと言った俺に、向こうに戻る前に知って良かったとばかりに購入して設置までしていったのは折原だ。そこまでされて、使わないのはどうかと思う。顔が見える通話と言うツールが苦手だと尻込みしたくなるのを言い包めて、使い出して、やっと少し慣れてきた。肩ひじ張らずに使用できるようになるくらいには。
メールだけならばラインでやり取りもできるのだから、便利な世の中になったなぁと思う。距離は遠いけれど。
「ベスト16」
「それは妥当なんですか、それとも予想外だったんですか」
「順当って言ったら申し訳ないけど、まぁ、でも」
大きなくくりで言えば予想の範囲内だ。監督は、渋い顔をしていたし、生徒たちも気落ちしてはいたけれど。まだ大会は残っているから、調整の効く段階だ。
「おまえは負けたことほとんどないだろ、深山にいた頃」
「そんなことないですよ? たぶん。いや、三年の時はそうだったかな。でも、時代も違いますから」
黄金時代と言われていた当時。三冠を達成したのは折原が最高学年の年だった。どの試合も見に行ってもいないし、テレビでも見ていない。結果だけ、風の便りで知っただけだったが、いかにも折原らしいと思ったことを覚えている。
「今でも、写真、飾ってある。部室にも」
「写真? あぁ、俺が三年の時のですか?」
たぶん実家でも探したらあると思うんですけどね、と。相変わらず捉え様にとっては嫌味なことこの上ないのだが、折原だから、と言う理由で、まぁ良いかと思えてしまう。
――本当に、ただの過去の栄光と言うか、記録なんだろうな。折原にとってみれば。
「今の奴らも、見て、目標にしてる」
ここ数年、全国の舞台に立っていない生徒からすれば、憧れで目標だろう。勿論、その当事者も。
「俺、そんなに変わってないでしょう。体格は変わったかもしれませんけど」
「まぁ、……そうか」
あの夜、なぞった肌の記憶が呼び起こされそうになって、話を変える。
「変な感じはするけどな。この年になって、深山に居て、おまえの痕跡を見てるって言うのも」
「――なんか」
思わずと言った風に折原が笑った。
「先輩とあの頃の話をこうやってできるとは思わなかったな」
「そうか」
「はい。でも、嬉しいです」
こう言うところは変わらないな、と思った。なんだかんだと言っても、素直なところ。裏表のない明るさに救われていたのは俺だけではなかったはずだ。それがどの程度、天然のものだったかは今となっては知る由もないが。
「折原はそう言う話をしたいのか?」
お互いにとって、話したからどうなると言うこともない過去の話だ。けれど、そう言った話をタブーにしていた雰囲気があって、気を使わせていたと言うのなら。間違いなく原因は俺で、心当たりも腐るほどある。
――確かに再会したばかりの頃は、思うところはあったか、まだ。
そう考えると、俺も多少は丸くなって成長したんだろう。本当に多少は、かもしれないが。
「先輩」
探るような沈黙の後、折原が口を開いた。
「絶対、富原さんに何か言われたでしょ。そうじゃなきゃ、先輩がそんなこと言うはずない」
「あのな」
おまえの中の俺は一体どうなってるんだと言おうとして、止めた。ろくでもない人間として認定されていたとしても、文句は言えない。
「大体、先輩は昔から俺が何を言っても聞かないけど、富原さんが言ったら、割と何でも聞くじゃないですか」
以前にもそんなようなことを言われた記憶があるから、きっと折原の中での俺はそうなんだろう。自分ではよく分からないが。
「おまえの言うことだって、そうだと思えば聞くに決まってんだろ」
「そうですか? まぁ、そうだと思ってもらえるのかどうかと言うところが問題な気もしますが」
苦笑としか言いようのないトーンに、「折原」と呼びかけて、けれど、何をどう言うべきなのかの自信がなかった。
俺がそんな風に思うと思っていないのか。自分がそんな風に思われると考えていないのか。
「よっぽど富原さんにきつく絞られたんですか」
「……いや」
おまえが俺のことを嫌いにならなかった理由が分からないと言っていたと。口にすることはさすがに憚られた。「そんなことないですよ」とまるで俺が慰めてもらいたいと願っているように響きそうで。
「でも、そうだな。ちゃんと考えた方が良いとは言われた、かな」
「考える?」
「うん。これから先を続けるなら、おまえがしっかりしてなくてどうするんだ、って」
「良いですよ、べつに。そんなに無理して気を使って貰わなくても」
少しの間の後、折原はそう言った。気を使って、と言うよりかは心の底からそう思っている風に。
「今のままで、本当に十分なんです」
最後は頑なと言って差しさわりのない声音だった。その言葉に勝てるような何かは見当たらなくて、これも一つなのかもしれないと今になって思った。
富原の言う、「対等じゃない」と言うそれ。
当たり障りのない会話を終えて、通話を切る。意識するより前にこぼれた溜息には気が付かない振りで、腰を伸ばす。
――あぁ、でも、そう言えば。
引っかかっていた感情を宥めるように、記憶の蓋が開いた。そう言えば、折原は昔からあまり過分を求めなかった。あの頃は、持っているからだろうと思っていた。
天才だからだ。基本的に誰かが欲しがるようなものはすべて持ち合わせていて、だから、誰かを羨むようなこともなければ、必要以上を求めることもない。
競技人生においてはそうではないだろうけれど、それ以外の生活で言えば、足るを知っているタイプなのだろう、とも思う。
それは間違った考え方ではないし、どちらかと言えば褒められて然るべき態度だとも、思う。ただ、あれは少し違うような気もして。
そこまで考えて、馬鹿らしいと俺は浮かんだ疑念を一蹴した。いや、正確に言えば、しようと無駄な抵抗を試みて、失敗した。
それで十分だ、と言うのは、それ以上を望みたくないと言っているのと同じだ。
それ以上は、過分だとでも言うように。折原は、俺が自分のことを好きだと思っていないのかもしれない。それは言い過ぎだとしても、自分と同じくらいの「好き」を向けられることはないと信じているのかもしれない。
……もし仮にそうだとしても、本当に俺の所為以外の何物でもないんだろう、けど。
おまえがそんな調子だから、折原は弱音を吐こうにも吐けないだけなんじゃないか。
それこそ本当に、昔から。自分たちを見てきている旧友に呈された苦言が、呆れ切った音声とともに脳内で再生される。
結局、そう言うことでしかない。富原はよくその調子で嫌われなかったものだとも言っていたが、嫌われはしなかったが、信用されているかどうかは別問題なのだろうではないか、と。
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