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光の聖女編
2.ある光の聖女の失墜(後編)
光の聖女メイジー・ベルは、裏庭の片隅にぽつんと立ち尽くしていた。寄り添う淡い光に視線を向けることもせず、落ち込んだ風情でうつむいている。
その姿を見とめ、サイラスは内心で呟いた。
――余計なことはしなくていい、か。
一昨日。運命であるはずのメイジーを切り捨てたハロルドが、直後にサイラスに告げた台詞だ。
サイラスにとって、主君であるハロルドの命令は絶対だ。どのようなことでも遵守する心づもりでいる。だが、彼の幸福に繋がると確信する事象についての話は別だ。
驚かせない程度に足音を立て、サイラスは足を踏み出した。はっとして振り向いたメイジーに、控えめに声をかける。
「どうかされましたか」
「あ、……その」
「すみません。歩いている途中であなたの話が聞こえたもので」
誰が、とは言わず、サイラスはそっとほほえんだ。
黒い髪と黒い瞳。不吉と評される色彩を有していても、それなり以上に自分の顔が整っていることも、どうすれば優しげに見えるのかということもよくよく承知している。
急かすことなく反応を待つこと、数秒。羞恥に染まった顔で「すみません」と頭を下げたメイジーが、そろりと視線を持ち上げる。
「サイラスさまですよね。ノット伯爵家の。気にかけていただいて、ありがとうございます。メイジー・ベルと申します」
存じています、と応じる代わりに、もう一度ほほえむ。一昨日の件があったあとでは、嫌味に響きかねないと思ったからだ。
「余計なことかと思いましたが、落ち込んでいるように見えたので。彼女たちとなにか?」
「いえ。どちらかと言いますと、一昨日までの浮かれていた自分の言動に」
「はぁ」
予想しなかった方面の答えに、サイラスは曖昧に頷いた。鬱々とした雰囲気のまま、メイジーが続ける。半ば懺悔のような調子だった。
「サイラスさまもご存じですよね。田舎から出てきて浮かれていたということも言い訳でしかありませんが、堂々と殿下を追いかけ回すなんて。それだけでもとんでもないことですが、おまけに、殿下にはオリヴィアさまという婚約者が」
と言ったところで、メイジーの言葉が途切れた。油の切れた人形のごとき動作で見上げられ、苦笑ひとつで首を横に振る。
それなりの家であれば婚約者がいることは当然でも、例外はある。
「私に婚約者はおりませんので。ご安心を」
「あ、……そうなのですね。申し訳ありません。この学園に入るまで社交界とはまったく縁がなかったものですから。……これも言い訳ですね、すみません」
見るからに気落ちした態度で肩を落とすメイジーに、サイラスはやんわりとした笑みを向けた。上流階級の教育を受けて育った澄まし顔の令嬢としか接点のない人間には、彼女の喜怒哀楽の素直さは魅力に映ったのかもしれない。
「かまいません。私も社交界にさした縁はありませんから」
まったくの嘘ではなかったのだが、メイジーは自分を慰める方便と捉えたようだった。
「そんな……。ですが、ありがとうございます」
申し訳のなさと感謝が綯い交ぜになった笑顔に、軽く目元を笑ませる。
彼女の知る自分は、第一王子であるハロルドと一番親しい人間なのだろう。社交界と縁がないなどとは想像もしない相手。
本当に幼かったころであればいざ知らず、今の彼と自分が一番近しいことはないと思うのだが。あえて否定をすることでもない。
それだけのことだったのだが、精霊は嘘を嗅ぎ取ったらしい。彼女を守るように浮かんでいた光のひとつが、サイラスにふわりと近づく。遠ざけようと視線を向けたサイラスを、メイジーは押し止めた。
「お待ちください、サイラスさま。少し拗ねているだけですわ」
柔らかくほほえみ、華奢な指先を光に伸ばす。過たずメイジーの指先に止まった光に、サイラスは小さく息を呑んだ。
「あなたは本当に精霊と意志を通じ合わせることができるのですね」
「はい。私の唯一の特技です」
刺繍の腕前を披露するような調子に、知らず苦笑いになる。だが、メイジーは気がつかなかったようだった。点滅する光を見つめたまま、ふふっと楽しそうな笑みをこぼす。
「サイラスさまが視えることがうれしかったみたいです。この学園は気配を感じ取る方は多いですが、はっきりと認知する方はあまりいらっしゃいませんので」
メイジーがそう言ったタイミングで、指先から光が離れていく。青い空に消えたそれを見送り、メイジーはほんのわずか寂しそうに目を伏せた。
「だからこそ、小さきもののいたずらを止めたいのですが」
悪気がなかったとしても、いたずらが続けば気味を悪くする方もいるでしょう。
続いた告白に、なるほどとサイラスは内心で頷いた。憂いごとのもうひとつはこれであったらしい。
光の聖女の入学以来、学内にいた小さきものの動きが活発になったことは承知している。もっとも、いたずらの程度が悪化をしたのは一昨日からだろうが。
「実は先ほども、エイミーさまのお話を聞いている最中に小さきものがリボンを解いてしまったのです。それを、その……私がしたことと誤解をされて」
「ああ、それで」
お怒りだったわけだとの苦笑は呑み込んだものの、メイジーは沈痛な表情を崩さなかった。
精霊の気配を感知することのできない令嬢は、光の聖女に馬鹿にされたと憤慨したに違いない。上流階級を自負する人間が、精霊の気配を感じ取る能力を有しないことは、大きなコンプレックスになるのだ。
「なにかできることがあればと考えているのですが。誤解をされることになろうとも、誠実に説明を続けるしかないのでしょうね。信頼は行動で積み上げることしかできませんもの」
ほとんどひとりごとの様相だったが、メイジーはその解決策で納得したようだった。やはり、変わっている。
だが、光の聖女に対する自分の信頼度を上げる良い機会だ。その算段で、サイラスは控えめに提案をした。
「私でよければ、手伝いますが」
「え……?」
驚いたように緑の瞳がこちらを捉える。優しく響くよう意識して、サイラスは言葉を重ねた。
「我が家にも精霊はおりますから」
彼女と親しくすることを好む「善き隣人」とはほど遠い存在であるだろうが。精霊という言葉にメイジーの表情がほころぶ。
「かわいい精霊」
サイラスの制服のジャケット、内ポケットのあるあたりを見つめ、メイジーは目元をゆるめた。
「サイラスさまのことが大好きなんですね」
「光の聖女にそう言っていただけると光栄です」
「だって、本当ですもの。精霊の加護を持つ家の方は多かれ少なかれ精霊の気配を纏っていらっしゃいますが、精霊そのものと行動をともにする方はおりませんから」
ごく当然と告げたメイジーが、ですから、とはにかむ。
「精霊に愛されているサイラスさまが、精霊を大切に思ってくださっていることが、すごくうれしいです」
ぜひ、また、相談をさせてください、と。素直な反応を残して立ち去ったメイジーを見送ると、サイラスはジャケットを軽く撫ぜた。
光の聖女を守るようだった精霊たちの気配が気に食わなかったのか、随分と機嫌が悪い。
――かわいい精霊、ねぇ。
光の聖女とやらの感性は、まったくもって理解不能だ。だが、それも当然のことと思い直す。なにせ、相手は光の聖女なのだ。自分と同じはずがない。
「いいのか、サイラス」
聞き慣れた声が頭の中で問う。メイジーの言うところの「かわいい精霊」で、「当主でも嫡男でもない自分と行動をともにする、珍しい家つき」だ。ノット家が契約する闇の精霊。
なにの波長が合うのかは知らないが、気が向くとこうして顔を出すのだ。溜息まじりに「なにがだ」と問い返す。
こちらが話しかけても気分によっては無視をするくせに、自分の問いには答えないと拗ねるのだから性質が悪い。精霊のいたずらでは済まない拗ね方をするのだから、なおさらだ。
「なにがだもなにも、わかっているだろうに。それとも俺にすべてを言わせたいのか?」
いかにも楽しげにくつくつと闇の精霊が笑う。
「おまえの大好きな殿下の命に背いているではないか。言われただろう? 余計なことをするなと。これは余計なことではないのか?」
「殿下のためであれば、命にも背く」
精霊に、あるいは、自分自身に言い聞かすように、サイラスは小さく断言をした。
「二度は間違わない」
自分は、彼のために動く生き物なのだから。
そうしてサイラスは一昨日の講堂のできごとを回想する。
その姿を見とめ、サイラスは内心で呟いた。
――余計なことはしなくていい、か。
一昨日。運命であるはずのメイジーを切り捨てたハロルドが、直後にサイラスに告げた台詞だ。
サイラスにとって、主君であるハロルドの命令は絶対だ。どのようなことでも遵守する心づもりでいる。だが、彼の幸福に繋がると確信する事象についての話は別だ。
驚かせない程度に足音を立て、サイラスは足を踏み出した。はっとして振り向いたメイジーに、控えめに声をかける。
「どうかされましたか」
「あ、……その」
「すみません。歩いている途中であなたの話が聞こえたもので」
誰が、とは言わず、サイラスはそっとほほえんだ。
黒い髪と黒い瞳。不吉と評される色彩を有していても、それなり以上に自分の顔が整っていることも、どうすれば優しげに見えるのかということもよくよく承知している。
急かすことなく反応を待つこと、数秒。羞恥に染まった顔で「すみません」と頭を下げたメイジーが、そろりと視線を持ち上げる。
「サイラスさまですよね。ノット伯爵家の。気にかけていただいて、ありがとうございます。メイジー・ベルと申します」
存じています、と応じる代わりに、もう一度ほほえむ。一昨日の件があったあとでは、嫌味に響きかねないと思ったからだ。
「余計なことかと思いましたが、落ち込んでいるように見えたので。彼女たちとなにか?」
「いえ。どちらかと言いますと、一昨日までの浮かれていた自分の言動に」
「はぁ」
予想しなかった方面の答えに、サイラスは曖昧に頷いた。鬱々とした雰囲気のまま、メイジーが続ける。半ば懺悔のような調子だった。
「サイラスさまもご存じですよね。田舎から出てきて浮かれていたということも言い訳でしかありませんが、堂々と殿下を追いかけ回すなんて。それだけでもとんでもないことですが、おまけに、殿下にはオリヴィアさまという婚約者が」
と言ったところで、メイジーの言葉が途切れた。油の切れた人形のごとき動作で見上げられ、苦笑ひとつで首を横に振る。
それなりの家であれば婚約者がいることは当然でも、例外はある。
「私に婚約者はおりませんので。ご安心を」
「あ、……そうなのですね。申し訳ありません。この学園に入るまで社交界とはまったく縁がなかったものですから。……これも言い訳ですね、すみません」
見るからに気落ちした態度で肩を落とすメイジーに、サイラスはやんわりとした笑みを向けた。上流階級の教育を受けて育った澄まし顔の令嬢としか接点のない人間には、彼女の喜怒哀楽の素直さは魅力に映ったのかもしれない。
「かまいません。私も社交界にさした縁はありませんから」
まったくの嘘ではなかったのだが、メイジーは自分を慰める方便と捉えたようだった。
「そんな……。ですが、ありがとうございます」
申し訳のなさと感謝が綯い交ぜになった笑顔に、軽く目元を笑ませる。
彼女の知る自分は、第一王子であるハロルドと一番親しい人間なのだろう。社交界と縁がないなどとは想像もしない相手。
本当に幼かったころであればいざ知らず、今の彼と自分が一番近しいことはないと思うのだが。あえて否定をすることでもない。
それだけのことだったのだが、精霊は嘘を嗅ぎ取ったらしい。彼女を守るように浮かんでいた光のひとつが、サイラスにふわりと近づく。遠ざけようと視線を向けたサイラスを、メイジーは押し止めた。
「お待ちください、サイラスさま。少し拗ねているだけですわ」
柔らかくほほえみ、華奢な指先を光に伸ばす。過たずメイジーの指先に止まった光に、サイラスは小さく息を呑んだ。
「あなたは本当に精霊と意志を通じ合わせることができるのですね」
「はい。私の唯一の特技です」
刺繍の腕前を披露するような調子に、知らず苦笑いになる。だが、メイジーは気がつかなかったようだった。点滅する光を見つめたまま、ふふっと楽しそうな笑みをこぼす。
「サイラスさまが視えることがうれしかったみたいです。この学園は気配を感じ取る方は多いですが、はっきりと認知する方はあまりいらっしゃいませんので」
メイジーがそう言ったタイミングで、指先から光が離れていく。青い空に消えたそれを見送り、メイジーはほんのわずか寂しそうに目を伏せた。
「だからこそ、小さきもののいたずらを止めたいのですが」
悪気がなかったとしても、いたずらが続けば気味を悪くする方もいるでしょう。
続いた告白に、なるほどとサイラスは内心で頷いた。憂いごとのもうひとつはこれであったらしい。
光の聖女の入学以来、学内にいた小さきものの動きが活発になったことは承知している。もっとも、いたずらの程度が悪化をしたのは一昨日からだろうが。
「実は先ほども、エイミーさまのお話を聞いている最中に小さきものがリボンを解いてしまったのです。それを、その……私がしたことと誤解をされて」
「ああ、それで」
お怒りだったわけだとの苦笑は呑み込んだものの、メイジーは沈痛な表情を崩さなかった。
精霊の気配を感知することのできない令嬢は、光の聖女に馬鹿にされたと憤慨したに違いない。上流階級を自負する人間が、精霊の気配を感じ取る能力を有しないことは、大きなコンプレックスになるのだ。
「なにかできることがあればと考えているのですが。誤解をされることになろうとも、誠実に説明を続けるしかないのでしょうね。信頼は行動で積み上げることしかできませんもの」
ほとんどひとりごとの様相だったが、メイジーはその解決策で納得したようだった。やはり、変わっている。
だが、光の聖女に対する自分の信頼度を上げる良い機会だ。その算段で、サイラスは控えめに提案をした。
「私でよければ、手伝いますが」
「え……?」
驚いたように緑の瞳がこちらを捉える。優しく響くよう意識して、サイラスは言葉を重ねた。
「我が家にも精霊はおりますから」
彼女と親しくすることを好む「善き隣人」とはほど遠い存在であるだろうが。精霊という言葉にメイジーの表情がほころぶ。
「かわいい精霊」
サイラスの制服のジャケット、内ポケットのあるあたりを見つめ、メイジーは目元をゆるめた。
「サイラスさまのことが大好きなんですね」
「光の聖女にそう言っていただけると光栄です」
「だって、本当ですもの。精霊の加護を持つ家の方は多かれ少なかれ精霊の気配を纏っていらっしゃいますが、精霊そのものと行動をともにする方はおりませんから」
ごく当然と告げたメイジーが、ですから、とはにかむ。
「精霊に愛されているサイラスさまが、精霊を大切に思ってくださっていることが、すごくうれしいです」
ぜひ、また、相談をさせてください、と。素直な反応を残して立ち去ったメイジーを見送ると、サイラスはジャケットを軽く撫ぜた。
光の聖女を守るようだった精霊たちの気配が気に食わなかったのか、随分と機嫌が悪い。
――かわいい精霊、ねぇ。
光の聖女とやらの感性は、まったくもって理解不能だ。だが、それも当然のことと思い直す。なにせ、相手は光の聖女なのだ。自分と同じはずがない。
「いいのか、サイラス」
聞き慣れた声が頭の中で問う。メイジーの言うところの「かわいい精霊」で、「当主でも嫡男でもない自分と行動をともにする、珍しい家つき」だ。ノット家が契約する闇の精霊。
なにの波長が合うのかは知らないが、気が向くとこうして顔を出すのだ。溜息まじりに「なにがだ」と問い返す。
こちらが話しかけても気分によっては無視をするくせに、自分の問いには答えないと拗ねるのだから性質が悪い。精霊のいたずらでは済まない拗ね方をするのだから、なおさらだ。
「なにがだもなにも、わかっているだろうに。それとも俺にすべてを言わせたいのか?」
いかにも楽しげにくつくつと闇の精霊が笑う。
「おまえの大好きな殿下の命に背いているではないか。言われただろう? 余計なことをするなと。これは余計なことではないのか?」
「殿下のためであれば、命にも背く」
精霊に、あるいは、自分自身に言い聞かすように、サイラスは小さく断言をした。
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