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好きになれない2
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「あの、……大丈夫ですか?」
二十二時を過ぎたばかりの駅前は、まだまだ賑わっている。おまけに今日は、三連休の初日だ。ロータリーの石段に座り込んだ真木の足元にペットボトルの水を置いて、日和もその隣に腰を下ろした。足が遠のいていた駅横のコンビニエンスストアで購入したそれのキャップを軽く緩める。
――まぁ、ご無沙汰だったのも、この人の所為ではあるんだけど。
どうでもいいことを考えて気を逸らそうと試みている内に、応えがあった。俯いたままで表情は良く分からないが、声だけ聞いていれば至って普通だ。
「大丈夫。というか、家くらいまで帰れるから。二次会、行ってきたらいいよ」
「いや、あの、そういうの好きじゃないんで、俺」
「あぁ、そうだっけ。そういや」
「だから、はい。ちょうどよかったです」
「そう」
その言葉を最後に、また沈黙が流れる。手持無沙汰になって、日和は膝の上で組んだ指先を握りしめた。
こいつ、日本酒だけでちびちび吞んでたら酔わないんだけど、そこにビールとかワインとか混ぜ出すと、即アウトなんだよね。ちゃんぽんに向いてないんだろうね、体質的に。
勝手知ったるとばかりに羽山は大笑いしていたけれど。本音を聞き出す以前に、体調を悪くさせただけではないかとの疑念で心は一杯だ。
本音。
その言葉が、新年会の間、ずっと消えなかった。愛実たちのはしゃぐ声に相槌を打ちながら、日和はあの日のことを考えていた。
信じられない。そう、この人は言った。あのときはショックで、それ以上のなにをも考えられなかった。けれど。
――結局、好きも嫌いも、言われてないんだよな、俺。
あなたの答えを聞かせてほしい、と訴えて得た返答が「おまえの気持ちが信じられない」だったのだ。一方通行が過ぎる。
――つまり、はぐらかされていたってことで。そう思うと、本当に、適当に転がされてるよな、俺。
「いつも、こんなふうになるんですか」
世間話の調子で紡いだ声は、ちゃんと「普通」を保っていた。そのことに、少なからず安堵する。
二人で話す機会が舞い込んでくるとは想定していなかった。けれど、このタイミングを逃せば、あの瞬間を蒸し返すことはできないのかもしれない。
「いや」
わかり切っていたことだが、いつもどおりの声だった。なにが潰す、だ。なにが本音だ。半ば以上、八つ当たりだと承知の上で、愛実たちと二次会に消えた羽山の背中を呪う。今頃は店の中だろうけれど。
「酔わないようにはしてるよ。半分は仕事だし。今日は、あれだな。あいつが……酒もだけど。悪酔いしそうなことばっかり隣で言うから」
「はぁ」
その一端を担ったような罪悪感で応じる声のボリュームが下がる。
「楽しかった?」
ふっと調子の変わった声に、日和は自身の手元ばかり見つめていた視線を隣に向けた。顔色は、たいして変わっていない。けれど、どこか酔いに潤んだ瞳にどきりとした。
――駄目だ、俺。
そういう眼で見ているのだと再認する。だからと言って、感情に身を任せることが許されるはずがない。あの夜のように。
「楽しかったって、新年会ですか?」
なんともないような声で、当たり前の内容を確認する。成功しているかどうかは定かではなかったけれど。
「女の子に囲まれて。やっぱり嬉しいだろ」
「そりゃ、真木さんたちが二人で固まってたら、そうなるに決まってるじゃないですか」
「そうじゃなくても、そうなるだろ」
「真木さん」
絡まれて、日和は溜息と一緒に吐き出した。
「酔ってますよね、やっぱり」
前言撤回。気分が悪いだけで、頭はしっかりしているじゃないかと思っていたが、違う。酔っている。普段なら言わないだろう言葉が喉を吐く程度には。
「ほら、水でもなんでも飲んで。それで落ち着いたら、帰りましょ」
手付かずのペットボトルのキャップを外して握らせると、不承不承の顔で一瞥。言われたから仕方なしにと言わんばかりのおざなりさで口を付けている。そうしているところを見ていると、縮まるわけのない年の差がなくなったような感慨が走った。ただの願望だ。
この人にとっての自分は、はじめて会ったあの春からずっと、手のかかる年下の子どもでしかないのだと知っている。
「送りますから」
「……大丈夫」
「いや、普通に心配なんで。そこは送らせてください」
拗ねたようにも見える横顔は、絶対に酔っている。普通の顔色であることが、余計に性質が悪いと痛感したばかりだ。
「べつになにもしませんから」
とってつけた言葉に、はっとしたのは日和だけではなかったのだと思う。緩慢な動作でキャップを閉めて、真木がふらりと立ち上がった。慌てて日和も腰を上げたが、その足取りは思っていたよりもずっとしっかりしている。
「ちょ、真木さん」
「べつに」
隣に並んだ日和を、真木が見上げた。淡々とした、というよりは、どこか挑発するような声。
「誰もそんな心配してねぇよ」
あんたな、と。荒げそうになった声を日和は寸で呑み込んだ。なんだ、それ。告白してきた年下のガキなんて歯牙にもかけませんと。そういうことか。
――でも、だからって、放っておけないだろ。これ。
冬の夜道を酔っぱらい一人で歩いて帰らせるわけにはいかない。言い訳だったけれど、今の日和には理由が必要だった。これは親切だ。あるいは義務だ。気持ちを落ち着けるように吐いた息は、夜の闇に溶けていった。
この感情は、一向に溶ける気配はないのに。
「家、こっちなんですか」
その問いかけを無視するのはさすがに大人気ないと思うだけの理性は残っていたのか、黒い頭が小さく頷いた。
半歩先を行く黒髪が一月の夜風に揺れている。一見すると硬そうで、けれどそうではないと知ったのは、この人ばかりを意識するようになっていたからだった。この思いに気が付く前から、視線で追いかけ続けていたからだ。
酔っていようが、酔っていまいが。生徒たちがいようが、いまいが。どんなときでも、この人の背はまっすぐにしゃんと伸びている。
――きれいだな。
気を付けないと、すぐに猫背になる自分とは違う。けれど、そう感じるのは、自分とは違うから、という理由だけではない。日和はそっと頭を振った。
はじめて二人でこうして歩いたのは、半年前だった。まだ、夏にもなる前。無意識のうちに、この人の袖を引いた。あの夜から、自分はなにも変わっていないのかもしれない。
「もう、そこだけど」
その声に、足を止めて顔を上げる。真木の視線の先にあったのは、三階建ての鉄筋アパートだった。
「上がってく?」
つぼみにいるときと同じ調子だ。酔いはマシになったらしいとほっとするのと同時に、社交辞令だとも悟る。固辞するのがお互いにとって最善の選択だろうとも。
――そうでもしないと、あいつの本音なんて、死んでも聞けないよ。
ぎゅっと日和は唇を引き結んだ。そして、口を開く。
「じゃあ、少しだけ」
「そう?」
「お邪魔しても、いいですか」
「いいけど」
真意を図るように日和を見つめていた瞳が、ゆっくりと瞬く。それが、言葉を呑み込むときの癖らしいと気が付いたのは、本当に最近のことだ。何度も何度も。あの日のことを思い返す内に、そうではないかと思うようになった。
「本当に、お茶くらいしか出せないよ」
大丈夫です、と日和は小さく頷いた。自分の中に、こんな積極性があったことに驚いた。同時に、本当にこれで最後にしようとも思った。
だから、ちゃんと、終わらせたい。自分のために。はぐらかされたままで、終わりを迎えたくはなかった。
二十二時を過ぎたばかりの駅前は、まだまだ賑わっている。おまけに今日は、三連休の初日だ。ロータリーの石段に座り込んだ真木の足元にペットボトルの水を置いて、日和もその隣に腰を下ろした。足が遠のいていた駅横のコンビニエンスストアで購入したそれのキャップを軽く緩める。
――まぁ、ご無沙汰だったのも、この人の所為ではあるんだけど。
どうでもいいことを考えて気を逸らそうと試みている内に、応えがあった。俯いたままで表情は良く分からないが、声だけ聞いていれば至って普通だ。
「大丈夫。というか、家くらいまで帰れるから。二次会、行ってきたらいいよ」
「いや、あの、そういうの好きじゃないんで、俺」
「あぁ、そうだっけ。そういや」
「だから、はい。ちょうどよかったです」
「そう」
その言葉を最後に、また沈黙が流れる。手持無沙汰になって、日和は膝の上で組んだ指先を握りしめた。
こいつ、日本酒だけでちびちび吞んでたら酔わないんだけど、そこにビールとかワインとか混ぜ出すと、即アウトなんだよね。ちゃんぽんに向いてないんだろうね、体質的に。
勝手知ったるとばかりに羽山は大笑いしていたけれど。本音を聞き出す以前に、体調を悪くさせただけではないかとの疑念で心は一杯だ。
本音。
その言葉が、新年会の間、ずっと消えなかった。愛実たちのはしゃぐ声に相槌を打ちながら、日和はあの日のことを考えていた。
信じられない。そう、この人は言った。あのときはショックで、それ以上のなにをも考えられなかった。けれど。
――結局、好きも嫌いも、言われてないんだよな、俺。
あなたの答えを聞かせてほしい、と訴えて得た返答が「おまえの気持ちが信じられない」だったのだ。一方通行が過ぎる。
――つまり、はぐらかされていたってことで。そう思うと、本当に、適当に転がされてるよな、俺。
「いつも、こんなふうになるんですか」
世間話の調子で紡いだ声は、ちゃんと「普通」を保っていた。そのことに、少なからず安堵する。
二人で話す機会が舞い込んでくるとは想定していなかった。けれど、このタイミングを逃せば、あの瞬間を蒸し返すことはできないのかもしれない。
「いや」
わかり切っていたことだが、いつもどおりの声だった。なにが潰す、だ。なにが本音だ。半ば以上、八つ当たりだと承知の上で、愛実たちと二次会に消えた羽山の背中を呪う。今頃は店の中だろうけれど。
「酔わないようにはしてるよ。半分は仕事だし。今日は、あれだな。あいつが……酒もだけど。悪酔いしそうなことばっかり隣で言うから」
「はぁ」
その一端を担ったような罪悪感で応じる声のボリュームが下がる。
「楽しかった?」
ふっと調子の変わった声に、日和は自身の手元ばかり見つめていた視線を隣に向けた。顔色は、たいして変わっていない。けれど、どこか酔いに潤んだ瞳にどきりとした。
――駄目だ、俺。
そういう眼で見ているのだと再認する。だからと言って、感情に身を任せることが許されるはずがない。あの夜のように。
「楽しかったって、新年会ですか?」
なんともないような声で、当たり前の内容を確認する。成功しているかどうかは定かではなかったけれど。
「女の子に囲まれて。やっぱり嬉しいだろ」
「そりゃ、真木さんたちが二人で固まってたら、そうなるに決まってるじゃないですか」
「そうじゃなくても、そうなるだろ」
「真木さん」
絡まれて、日和は溜息と一緒に吐き出した。
「酔ってますよね、やっぱり」
前言撤回。気分が悪いだけで、頭はしっかりしているじゃないかと思っていたが、違う。酔っている。普段なら言わないだろう言葉が喉を吐く程度には。
「ほら、水でもなんでも飲んで。それで落ち着いたら、帰りましょ」
手付かずのペットボトルのキャップを外して握らせると、不承不承の顔で一瞥。言われたから仕方なしにと言わんばかりのおざなりさで口を付けている。そうしているところを見ていると、縮まるわけのない年の差がなくなったような感慨が走った。ただの願望だ。
この人にとっての自分は、はじめて会ったあの春からずっと、手のかかる年下の子どもでしかないのだと知っている。
「送りますから」
「……大丈夫」
「いや、普通に心配なんで。そこは送らせてください」
拗ねたようにも見える横顔は、絶対に酔っている。普通の顔色であることが、余計に性質が悪いと痛感したばかりだ。
「べつになにもしませんから」
とってつけた言葉に、はっとしたのは日和だけではなかったのだと思う。緩慢な動作でキャップを閉めて、真木がふらりと立ち上がった。慌てて日和も腰を上げたが、その足取りは思っていたよりもずっとしっかりしている。
「ちょ、真木さん」
「べつに」
隣に並んだ日和を、真木が見上げた。淡々とした、というよりは、どこか挑発するような声。
「誰もそんな心配してねぇよ」
あんたな、と。荒げそうになった声を日和は寸で呑み込んだ。なんだ、それ。告白してきた年下のガキなんて歯牙にもかけませんと。そういうことか。
――でも、だからって、放っておけないだろ。これ。
冬の夜道を酔っぱらい一人で歩いて帰らせるわけにはいかない。言い訳だったけれど、今の日和には理由が必要だった。これは親切だ。あるいは義務だ。気持ちを落ち着けるように吐いた息は、夜の闇に溶けていった。
この感情は、一向に溶ける気配はないのに。
「家、こっちなんですか」
その問いかけを無視するのはさすがに大人気ないと思うだけの理性は残っていたのか、黒い頭が小さく頷いた。
半歩先を行く黒髪が一月の夜風に揺れている。一見すると硬そうで、けれどそうではないと知ったのは、この人ばかりを意識するようになっていたからだった。この思いに気が付く前から、視線で追いかけ続けていたからだ。
酔っていようが、酔っていまいが。生徒たちがいようが、いまいが。どんなときでも、この人の背はまっすぐにしゃんと伸びている。
――きれいだな。
気を付けないと、すぐに猫背になる自分とは違う。けれど、そう感じるのは、自分とは違うから、という理由だけではない。日和はそっと頭を振った。
はじめて二人でこうして歩いたのは、半年前だった。まだ、夏にもなる前。無意識のうちに、この人の袖を引いた。あの夜から、自分はなにも変わっていないのかもしれない。
「もう、そこだけど」
その声に、足を止めて顔を上げる。真木の視線の先にあったのは、三階建ての鉄筋アパートだった。
「上がってく?」
つぼみにいるときと同じ調子だ。酔いはマシになったらしいとほっとするのと同時に、社交辞令だとも悟る。固辞するのがお互いにとって最善の選択だろうとも。
――そうでもしないと、あいつの本音なんて、死んでも聞けないよ。
ぎゅっと日和は唇を引き結んだ。そして、口を開く。
「じゃあ、少しだけ」
「そう?」
「お邪魔しても、いいですか」
「いいけど」
真意を図るように日和を見つめていた瞳が、ゆっくりと瞬く。それが、言葉を呑み込むときの癖らしいと気が付いたのは、本当に最近のことだ。何度も何度も。あの日のことを思い返す内に、そうではないかと思うようになった。
「本当に、お茶くらいしか出せないよ」
大丈夫です、と日和は小さく頷いた。自分の中に、こんな積極性があったことに驚いた。同時に、本当にこれで最後にしようとも思った。
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