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気持ちの変化ー智章sideー
ストーリー11
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『今日、詩織を家に招いても良いですか?』
仕事中、恋ちゃんからメッセージが届いた。俺は『もちろんOK』と返事する。
その後息抜きにコーヒーでもと思い、社内にある自販機へ向かう。すると、自販機前で話をしている編集長と笹倉さんを見つけた。
何となく俺は見えないように壁に隠れて、二人が居なくなるのを待つ。しかし、まだまだ話の途中みたいで立ち去る気配はない。
二人の会話が聞こえてくる。
「恋さん、結婚されるんですね。おめでとうございます」
「本当に驚いたわ。未だにドッキリなんじゃないかって疑ってる」
「はは。相沢君はともかく、恋さんは冗談言うタイプじゃないでしょう?」
「まぁそうなんだけど、いまいちピンと来てないというか……別に相沢に不満がある訳じゃないんだけどさ」
「急な話だからまだ実感がないって感じですか?」
笹倉さんの問いかけに編集長は少し考えて答える。
「それもあるけど……正直、恋が結婚するなら相手は笹倉君だと思ってたわ」
「はは。僕と恋さんが? じゃあもし僕が恋さんと結婚したいと言ったら……結婚認めてもらえましたか?」
「そうね。恋を幸せにしてくれるなら、相手は誰でもいいわ。さっ仕事に戻りましょ」
編集長と笹倉さんが立ち去り、自販機前には誰も居なくなった。俺は自販機の前に立ち、コーヒーのボタンを手で叩くように押す。
二人の会話を聞いてしまった俺は、何だか分からない苛立ちを覚え、ムシャクシャしている。
「恋ちゃんと……笹倉さん、か」
確かに笹倉さんの前では、恋ちゃんの態度はいつもと違う気はする。初めて二人を見た時には俺も付き合っているのかと思ったし。
もしかして恋ちゃん、笹倉さんの事? いやいや、恋ちゃんは恋愛に興味ないって言ってたし。
結局恋ちゃんと笹倉さんの事が頭から離れず、仕事に集中できなかった。気がつけば結構な時間が経っていて、フロアに残っているのは俺一人だ。
「帰ろうかな」
このまま残って仕事しても集中できないし、今日はもう帰ることにした。
「ただいま」
家に帰ると楽しそうな声が聞こえてきた。そういえば今日は詩織さんが来るって言ってたな。
リビングには恋ちゃんと詩織さんがお酒を飲みながら何かを見て盛り上がっている。
「あっ相沢さん、お帰りなさい。ご無沙汰してまぁす」
俺に気づいた詩織さんが陽気に挨拶してきた。これは結構飲んでいるな。
「久しぶりだね、詩織さん」
「はい。その節はお世話になりまして。そしてご結婚おめでとうございます」
「ありがとう。詩織さんのおかげで恋ちゃんとご縁がありました」
「えへへ。もう本当に恋ちゃんが羨ましいなぁ。こんな素敵な極上の旦那様ゲットしちゃってさ」
「極上って、俺そんなにいい男じゃないよ」
「恋ちゃんがそう言うんだから、間違えなく極上の旦那様ですよ」
「恋ちゃんが?」
本当に恋ちゃんが俺の事を極上の旦那様なんて言ったのかを確認するためにチラッと恋ちゃんを見る。
すると俺の視線に気づいたみたいだけど、恋ちゃんはとくに表情を変える事はなかった。
「じゃあ、私はそろそろ帰るね」
「詩織、大丈夫? ちゃんと帰れる?」
恋ちゃんは心配そうにしている。まぁ酔っている詩織さんは確かに危ない。
「じゃあ俺、車で詩織さん送るよ」
「大丈夫ですよ~」
「いや、詩織さんは危ないから。恋ちゃん、送ってきてもいいかな?」
「はい、お願いします。詩織がご迷惑をおかけしてすみません」
こうして詩織さんを送って行くことにした。
仕事中、恋ちゃんからメッセージが届いた。俺は『もちろんOK』と返事する。
その後息抜きにコーヒーでもと思い、社内にある自販機へ向かう。すると、自販機前で話をしている編集長と笹倉さんを見つけた。
何となく俺は見えないように壁に隠れて、二人が居なくなるのを待つ。しかし、まだまだ話の途中みたいで立ち去る気配はない。
二人の会話が聞こえてくる。
「恋さん、結婚されるんですね。おめでとうございます」
「本当に驚いたわ。未だにドッキリなんじゃないかって疑ってる」
「はは。相沢君はともかく、恋さんは冗談言うタイプじゃないでしょう?」
「まぁそうなんだけど、いまいちピンと来てないというか……別に相沢に不満がある訳じゃないんだけどさ」
「急な話だからまだ実感がないって感じですか?」
笹倉さんの問いかけに編集長は少し考えて答える。
「それもあるけど……正直、恋が結婚するなら相手は笹倉君だと思ってたわ」
「はは。僕と恋さんが? じゃあもし僕が恋さんと結婚したいと言ったら……結婚認めてもらえましたか?」
「そうね。恋を幸せにしてくれるなら、相手は誰でもいいわ。さっ仕事に戻りましょ」
編集長と笹倉さんが立ち去り、自販機前には誰も居なくなった。俺は自販機の前に立ち、コーヒーのボタンを手で叩くように押す。
二人の会話を聞いてしまった俺は、何だか分からない苛立ちを覚え、ムシャクシャしている。
「恋ちゃんと……笹倉さん、か」
確かに笹倉さんの前では、恋ちゃんの態度はいつもと違う気はする。初めて二人を見た時には俺も付き合っているのかと思ったし。
もしかして恋ちゃん、笹倉さんの事? いやいや、恋ちゃんは恋愛に興味ないって言ってたし。
結局恋ちゃんと笹倉さんの事が頭から離れず、仕事に集中できなかった。気がつけば結構な時間が経っていて、フロアに残っているのは俺一人だ。
「帰ろうかな」
このまま残って仕事しても集中できないし、今日はもう帰ることにした。
「ただいま」
家に帰ると楽しそうな声が聞こえてきた。そういえば今日は詩織さんが来るって言ってたな。
リビングには恋ちゃんと詩織さんがお酒を飲みながら何かを見て盛り上がっている。
「あっ相沢さん、お帰りなさい。ご無沙汰してまぁす」
俺に気づいた詩織さんが陽気に挨拶してきた。これは結構飲んでいるな。
「久しぶりだね、詩織さん」
「はい。その節はお世話になりまして。そしてご結婚おめでとうございます」
「ありがとう。詩織さんのおかげで恋ちゃんとご縁がありました」
「えへへ。もう本当に恋ちゃんが羨ましいなぁ。こんな素敵な極上の旦那様ゲットしちゃってさ」
「極上って、俺そんなにいい男じゃないよ」
「恋ちゃんがそう言うんだから、間違えなく極上の旦那様ですよ」
「恋ちゃんが?」
本当に恋ちゃんが俺の事を極上の旦那様なんて言ったのかを確認するためにチラッと恋ちゃんを見る。
すると俺の視線に気づいたみたいだけど、恋ちゃんはとくに表情を変える事はなかった。
「じゃあ、私はそろそろ帰るね」
「詩織、大丈夫? ちゃんと帰れる?」
恋ちゃんは心配そうにしている。まぁ酔っている詩織さんは確かに危ない。
「じゃあ俺、車で詩織さん送るよ」
「大丈夫ですよ~」
「いや、詩織さんは危ないから。恋ちゃん、送ってきてもいいかな?」
「はい、お願いします。詩織がご迷惑をおかけしてすみません」
こうして詩織さんを送って行くことにした。
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