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クリスマスの夜に……
ストーリー78
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月日が経つのは早いもので、季節は変わりもう十二月だ。
街中や店内は十二月のメインイベント『クリスマス』一色で装飾され、突如現れた巨大クリスマスツリーのイルミネーションも始まった。
「寒くなったよねー」
「まさしく冬って感じですね」
今日は会社近くで取引先との打ち合わせがあり、私と貴島さんは会話しながら街中を歩いていた。
秋の慰安旅行で貴島さんに告白された私だけど、実はあの後『好きな人がいる』と告白をお断りしてしまった。
貴島さんいい人だし、彼女になる人は幸せになれそうだなぁと思う。でも、そう思っても私の気持ちはまだ止まったままなのだ。
「クリスマスかぁ」
仕事が終わり、家でのんびりと雑誌を読む。どの雑誌も恋人と過ごすクリスマス特集ばかりだ。私には関係ない情報ばかりで軽くため息が出る。
「ただいま」
「お帰り、マイさん」
真彩さんは部屋で着替えて、私の前に座った。
「何、クリスマス特集?」
真彩さんは私が読んでいた雑誌を手に取り、パラパラっと見る。
「ねぇ明日香。クリスマスイヴの夜にさ、イルミネーションパークに行かない? 綺麗らしいよ」
イルミネーションパークでは、クリスマスイヴ限定で大きな公園全体がイルミネーションに包まれ、恋人同士はもちろん、友達同士や家族などにも楽しめる人気スポットだ。
ちなみに私は行った事がない。
「高瀬さんと行きなよ」
「でも明日香ってこういうの好きでしょ? 一緒に見ようよ」
「うーん。確かにイルミネーション見たいけど……」
「よし、決定」
真彩さんは雑誌を閉じてニッコリする。
そしてクリスマスイヴ ーー
今日は真彩さんとイルミネーションパークで待ち合わせをしている。仕事が終わり、私は一足先に待ち合わせ場所へ行く。
まだライトアップ前のイルミネーションの前で真彩さんを待っていた。
「残業かな」
スマートフォンを取り出し時間を確認する。外はすっかり暗くなっていてそろそろイルミネーションがライトアップされる時間だ。
3.2.1…
公園全体がイルミネーションで輝き始めた。まるで夢の国にでもいる気分だ。
「凄ーい」
あまりの綺麗さに私は感動していた。ポーッと見惚れていると、スマートフォンが鳴り始める。
「マイさんからだ。もしもし?」
「明日香ゴメン。高瀬さんが体調崩しちゃってそっちに行けそうにないの」
「それは大変だね。私のことは気にしないでいいから、高瀬さんの側についててあげて」
会話が終わり電話を切ると、またイルミネーションを眺めながら呟いた。
「高瀬さん大丈夫かな」
「アイツは大丈夫だ。仮病だからな」
「えっ?」
私の独り言に反応するなんて。しかもこの声……振り返ると、そこにはスーツの上にコートを着た進藤さんがいた。
「何で進藤さんが……仮病って?」
「さぁな。それにしてもこのイルミネーション、別世界にいるみたいだな」
真彩さんとイルミネーションを見る予定が何故か進藤さんがいて、高瀬さんが仮病で……何かよく分からない状況だ。私の頭の中にはハテナがいくつも出てきた。
「少し歩かないか?」
「は、はい」
光り輝く幻想的なイルミネーションの中を私と進藤さんはゆっくりと歩く。
光の中を走り回る子供達やピンクに彩られたハート型のイルミネーション前の撮影スポットには行列が出来ている。
みんな笑顔が溢れて楽しそうだ。
街中や店内は十二月のメインイベント『クリスマス』一色で装飾され、突如現れた巨大クリスマスツリーのイルミネーションも始まった。
「寒くなったよねー」
「まさしく冬って感じですね」
今日は会社近くで取引先との打ち合わせがあり、私と貴島さんは会話しながら街中を歩いていた。
秋の慰安旅行で貴島さんに告白された私だけど、実はあの後『好きな人がいる』と告白をお断りしてしまった。
貴島さんいい人だし、彼女になる人は幸せになれそうだなぁと思う。でも、そう思っても私の気持ちはまだ止まったままなのだ。
「クリスマスかぁ」
仕事が終わり、家でのんびりと雑誌を読む。どの雑誌も恋人と過ごすクリスマス特集ばかりだ。私には関係ない情報ばかりで軽くため息が出る。
「ただいま」
「お帰り、マイさん」
真彩さんは部屋で着替えて、私の前に座った。
「何、クリスマス特集?」
真彩さんは私が読んでいた雑誌を手に取り、パラパラっと見る。
「ねぇ明日香。クリスマスイヴの夜にさ、イルミネーションパークに行かない? 綺麗らしいよ」
イルミネーションパークでは、クリスマスイヴ限定で大きな公園全体がイルミネーションに包まれ、恋人同士はもちろん、友達同士や家族などにも楽しめる人気スポットだ。
ちなみに私は行った事がない。
「高瀬さんと行きなよ」
「でも明日香ってこういうの好きでしょ? 一緒に見ようよ」
「うーん。確かにイルミネーション見たいけど……」
「よし、決定」
真彩さんは雑誌を閉じてニッコリする。
そしてクリスマスイヴ ーー
今日は真彩さんとイルミネーションパークで待ち合わせをしている。仕事が終わり、私は一足先に待ち合わせ場所へ行く。
まだライトアップ前のイルミネーションの前で真彩さんを待っていた。
「残業かな」
スマートフォンを取り出し時間を確認する。外はすっかり暗くなっていてそろそろイルミネーションがライトアップされる時間だ。
3.2.1…
公園全体がイルミネーションで輝き始めた。まるで夢の国にでもいる気分だ。
「凄ーい」
あまりの綺麗さに私は感動していた。ポーッと見惚れていると、スマートフォンが鳴り始める。
「マイさんからだ。もしもし?」
「明日香ゴメン。高瀬さんが体調崩しちゃってそっちに行けそうにないの」
「それは大変だね。私のことは気にしないでいいから、高瀬さんの側についててあげて」
会話が終わり電話を切ると、またイルミネーションを眺めながら呟いた。
「高瀬さん大丈夫かな」
「アイツは大丈夫だ。仮病だからな」
「えっ?」
私の独り言に反応するなんて。しかもこの声……振り返ると、そこにはスーツの上にコートを着た進藤さんがいた。
「何で進藤さんが……仮病って?」
「さぁな。それにしてもこのイルミネーション、別世界にいるみたいだな」
真彩さんとイルミネーションを見る予定が何故か進藤さんがいて、高瀬さんが仮病で……何かよく分からない状況だ。私の頭の中にはハテナがいくつも出てきた。
「少し歩かないか?」
「は、はい」
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光の中を走り回る子供達やピンクに彩られたハート型のイルミネーション前の撮影スポットには行列が出来ている。
みんな笑顔が溢れて楽しそうだ。
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