悲しい恋 【完結】

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悲しい恋 〜if もしもの物語〜

⑻ 私の『運命の人』

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私の名前は、レミリア-オースティン。
オースティン公爵家の令嬢として、生を受けた。

5才の時、父に連れられて、兄様達とヴィトゲンシュタイン家の次男レオナルド様の誕生パーティーに行った。

そこにいたのは、青味がかった銀の髪に、薄い水色の瞳をした、とても美しい少年だった。

まるで、絵本に出てくる王子様のよう···

そして、レオナルド様の首にあるアザを見た途端、私は恋に落ちた。

そうとしか表現出来ない。
まるで、雷にでも撃たれたように、動けなくなった。

彼の右の首に、赤いバラが咲いたような 手のひらサイズのアザがあったのだ。

それを見た瞬間の私の気持ちを何て言えば良いのだろう。

「私の『運命の人』見つけた!!」

心の底から 愛しい気持ちが溢れてきて、止まらない。

胸がギュッと締め付けられる。

初めて会ったのに、
「レミィと呼んで欲しい」と、ねだり。
彼に「レオで良いよ」
と、愛称呼びの許可を貰った。
嬉しすぎる!

恥ずかしいけど、自分から レオの手を取り、屋敷を案内して欲しいと言って、2人で遊んだ。

それからは良く、両家を行き来して、交流を深めていった。

レオは、とっても優しくて、頭が良くて、私はレオに夢中になった。

レオに会うたび、
「大好き!レオ!」
と、気持ちを伝えた。

アザのせいで、レオは今一歩、遠慮がちだったけれど、私はそんなのお構い無しに、レオの事が好きだと言い続けた。

10才になって、私はレオの婚約者になった。
レオが私と結婚したいと思ってくれた事が嬉しかった。

私はレオに、出会った時の気持ちを告白した。

「レオ、私と婚約してくれてありがとう。私ね、レオのアザを見た時、神様が私の『運命の人』に印を付けてくれたんだと思ったの。初めてレオを見た時から 自分でもおかしいなと思うくらい、レオの事が好きなの。」

そう言うと、レオも 私の事を『運命の人』だと言ってくれた。

その言葉が嬉しくて、嬉しくて、レオのアザに触れる事が出来る女の子は、私だけ、そう思うと、嬉しくて 天にも登りそうだった。



15才になって、学園に通うようになって、私達は増々 仲良くなった。
屋敷にいる時以外の、ほとんど全ての時間を、レオと過ごした。

16才のデビュタント
春の大舞踏会
陛下の誕生を祝う会
建国記念祭

いつも、私の隣には、レオがいた。

レオの色を纏い、2人でダンスを踊ると、周りの皆が、私達を見ている気がした。
中には、嫌な事を言う人もいたけれど、そんなの私達2人には、全く気にならなかった。

私はレオだけを見つめていたし、レオも私だけを見つめていてくれたから·····



ヴァレンティア王女殿下が、16才になられ、誕生を祝う夜会で、デビュタントをする事になった。

そんな祝の場で、レオは、王女殿下に随分 酷い事を言われてしまった。

私は、震える程、腹がたったけれど、まさか王族に逆らえるわけもなく、まして、こんな祝の席で、反抗的な態度を取るわけにもいかない。

私とレオは、ただ ただ うつ向いて我慢していた。

陛下が取り成してくれたけれど、王女殿下はしつこかった。

そこへ、王女殿下の婚約者候補である オルランド帝国のノアール殿下が、いらっしゃって、王女殿下をダンスに連れ出して下さった。

ようやく、王女殿下から開放されて、私達2人は、ほっと息をついた。

ダンスの後、私達は改めて、ノアール殿下に挨拶させて頂いた。

王女殿下の態度に思う所があったのか、王女殿下をチラリと見て、気の毒そうな視線を送られた。

クロノス国民として、恥ずかしく、いたたまれない想いを抱く。

王女殿下は、ノアール殿下を気に入ったみたいだけれど、きっと、婚約にはならないだろう。そう思った。

帰りの馬車で、レオがシュンとして、私に誤った。

「レミィ、ごめん、僕のせいで又、君に嫌な思いをさせてしまった。」

私は、うつ向くレオの顔を両手で挟み、強引に自分に向けて、レオの目をじっと見つめる。

「レオは何も悪くないわ。祝の席で、あんな事を言う王女殿下の教育が、なってないのよ。」

「レミィ、さすがにそれは不敬だよ。」

困ったように、レオが言う。

「今は2人きりだもの、構わないわ。それよりも、私にとってこのアザは、神様の贈り物なの。このアザは神様が私の為に付けてくれた『運命の人』の印だもの、呪いなんかじゃ無いわ。私にとっては、神様が私に贈ってくれた祝福よ!」

「そんな事を言ってくれるのは、レミィだけだよ。」

「そうよ、だから私は、大好きなレオを1人じめ出来るのよ!」

「レミィ、ありがとう、僕も君が大好きだよ。」

レオはそう言って、私を抱き締めてくれた。
私もレオを抱き締め返した。

あれから、学園で王女殿下に時々会う事もあったけれど、特に絡まれる事も無く、私とレオは、毎日 穏やかで、幸せな学園生活を過ごした。



18才になり、学園を無事に卒業して、1ヶ月後、私はレオの妻になった。

結婚後は、ヴィトゲンシュタイン家の領地へ戻って、ライ兄様の手伝いをする事が決まっている。

お義父様は、宰相として、王宮の仕事が忙しく、お義母様は、王都の屋敷の切り盛りで忙しい。

領地は、嫡男であるライ兄様が治めている。
領地の屋敷はライ兄様の妻、エカテリーナ様が、切り盛りしている。

エカテリーナ様は現在、妊娠中で、色々大変そうで、しばらくは私が、お義姉様のお手伝いをする事になっている。
がんばらなくちゃ!

レオは、ヴィトゲンシュタイン家がやっている商会を主に任されるらしい。

私の実家も商会をやっていて、レオは家でも私と2人で、商会の勉強をしていた。
きっと、レオなら領地でも上手くやれるわ!大丈夫!
私も手伝うからね!

王都で、社交に力を入れるより、ここでレオと2人、ライ兄様のお手伝いをして、毎日 幸せに暮していきたい。
強く、そう思う。

レオと、一緒にいられれば、どんな所でも構わない。

レオと2人で、ずっと一緒に生きてゆく。

結婚式の祭壇で、強く、強く、神様に誓った。

一生をかけて、レオを愛します!




あれから、私は、3人の男の子を産んだ。

上から、ユウリ、カイリ、アンリ。

3人とも、びっくりするくらい、レオとそっくりで、あまりの可愛らしさに、毎日悶えています。

愛しい、愛しい家族と共に過ごせて、愛が溢れるばかりです。

夜、子供達を寝かしつけ、自室に戻ると、レオが仕事から戻っていました。

「おかえりなさい レオ、お疲れ様。会食は上手くいった?」

レオの頰にキスを1つ、そして、右の首のアザにもキスをして、レオを迎える。
レオも、私の頰に、額に、唇にキスをしてくれる。

「ああ、ほとんど こちらの条件を飲んで貰えたよ。」

「それは良かったわ。疲れたでしょう?湯浴みの準備が出来ているから、早く入って疲れを取って頂戴。」

「レミィは?もう入ったのかい?」

「今、子供達を寝かし付けて来た所だったの。私は、レオの後でいいわ。」

「じゃあ、一緒に入ろう!」

「キャア!」

あっと言う間に、レオに抱き上げられて、浴室に連れて行かれてしまった。

温かいお湯に2人で浸かりながら、向かい合って、長い長いキスをする。
いつだって、レオは私を、トロトロに溶かしてしまう。

「こんな事ばっかりしてたら、又、子供が出来ちゃうわ。」

きっと今、私の顔は、真っ赤に染まっているのに違いないわ。

「じゃあ次は、レミィと そっくりの女の子が欲しいな。」

「もう!」

そんな色っぽい声と顔でねだられたら、恥ずかしくてたまらないわ。

「僕の奥さんは、何年たっても、いつまでもとっても可愛い。」

とろけるような笑顔を、私に向けてくれる。

「レオだって、いつまでも私には、とびきり甘いよね。」

「たしかに。」

そう言って、2人で笑い合う。

私はいつものように、レオの首のアザにキスをする。

私の愛しい旦那様。

ずっと、ずっと、あなただけを愛するわ。

それが、私の一番の幸せだから······









             -fin-





**************



ここまで、読んでいただきありがとうございます。
なんとか、2人を幸せにしてあげる事が出来ました。
本編のレミィは意に染まない結婚だったので、受け身でしたが、大好きなレオには、とても積極的です。
逆に、レオはアザのせいで、少し消極的な感じです。
まだ、もう少し、書き足りない事があるので、このあとはこぼれ話として、書きたいと思います。
もうちょっと、レオとレミィをイチャイチャさせたいので·····
もうちょっとだけ、お付き合いいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。🙇 





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