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悲しい恋 〜if こぼれ話〜
④ ノアール【面白い婚約者】
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妹、アリスの親友、アンジェリカ-カーティス。
彼女はカーティス辺境伯の末の娘で、この度 私の婚約者となった。
彼女に初めて会ったのは、王家が主催する騎士剣術大会の闘技場だった。
私は、優勝者に褒賞を授与する為、王族席で試合を見ていた。
そして、アンジェリカ嬢は兄を応援する為、妹のアリスと共に、カーティス家の家族席で試合を観戦していた。
試合は白熱したまま進んで行き、残り3試合という所で事故が起きた。
1人の騎士が剣を相手に弾き飛ばされ、その剣がアリスに向かって飛んで行ったのだ。
「アリス!!」
私は、王族席から立ち上がり、アリスに向かって、
「危ない!!」と叫んだ!
その時、アリスの隣に座っていたアンジェリカ嬢が、ドレスの裾をたくし上げ、飛んで来た剣を、見事に蹴り返したのだ。
蹴り返された剣は、そのままクルクルと回転しながら、持ち主である騎士の目の前の地面に突き刺さった。
あまりの出来事に、会場中が静まり返り、次の瞬間、あたりが、騒然とざわめいた。
皆、彼女の行動に呆気に取られていた。
もちろん私も。
しばらく、呆然としてしまった。
我に返った私は、すぐさまアリスの様子を王族席からうかがった。
幸い、アリスに怪我は無いようだ。
私は、側近のジョエルに医者の手配を指示して、アリスの元へ向かわせ、何事も無かったかのように、試合の続きを観戦していた。
私の指示でアリスの元へ向かったジョエルは「大丈夫」だと言い張るアンジェリカ嬢を「殿下の命令です。」と言って、医務室に連れて行った。
診察の結果は右足の甲の打撲。
剣を、蹴り上げた右足の甲が赤く腫れていたらしい。
しっかり治療を受けさせて、彼女の家族にも、御礼と謝罪をしてきてくれた。
全ての試合か終わり、優勝者に褒美を与え、全ての行事を見届けて、急いでアリスの元へ向かった。
「アリス、大丈夫か?怪我は?」
「お兄様 私は大丈夫です。アンジェが守ってくれましたから。」
アリスの無事を確認し、私はカーティス伯に頭を下げた。
「カーティス辺境伯すまない。大事な御令嬢にケガをさせてしまった。」
そして、アンジェリカ嬢に向き合った。
「アンジェリカ嬢、足の具合はどうだろうか?ケガをさせてしまって申し訳ない。アリスを助けてくれてありがとう。感謝する。」
「頭を上げて下さい、ノアール殿下。恐れ多い事です。アリス殿下を守る事が出来て良かったですわ。こんなのケガのうちに入りません。どうかお気遣い無く。」
そう言って、何でも無い事のようにニッコリと笑う彼女を面白いとおもった。
どこにでもいるような普通の令嬢だ。
この国ではありふれた明るい栗色の髪と、こげ茶の瞳。
女性にしては少し高めの背は姿勢が良く、立ち姿が美しいと思った。
とても、あのような蹴りを繰り出せるようには見えなかった。
私はジョエルに彼女の事を調べるように命令した。
彼女は、辺境伯の末っ子で、学園に入るまでは、領地で父や兄と共に剣を習い、森に入って魔獣の討伐等もしていたそうだ。
今でも身体の鍛錬を欠かさないらしい。
性格はおおらかで、正義感が強い。
あの日から、アンジェリカ嬢の事を色々調べた。
アリスのお茶会にも乱入して、アンジェリカ嬢と交流もしてみた。
気さくで、女性特有の媚びた所が1つも無い。
化粧も、香水も控えめで、好ましい。
学園時代の成績も、Aクラスの中ほどを常にキープ。
淑女教育も行き届いている。
時々、失敗しているが、そのおっちょこちょいな仕草も可愛らしいと思う。
「決めたぞ、ジョエル。今夜、父の所へ行く。」
「アンジェリカ様の件ですか?」
「我が幼馴染はいつもながら察しがいいな。」
「まぁ、今回に限っては、殿下の行動は非常にわかりやすいものでしたからねェ、女性の姿を目で追う殿下を初めて見ましたよ。」
「ふん!父に先触れを出しておいてくれ。夕食後、執務室に行く。」
「かしこまりました。」
クスクス笑うジョエルが腹立たしい。
その夜、父の元へ向かい、アンジェリカ嬢を妃にしたいと父に告げた。
「アンジェリカ-カーティス?カーティス辺境伯の末っ子か?アリスの友達の?」
「はい。承認いただけますか?」
「まぁ、お前が決めたのなら私に依存は無いが···アンジェリカ嬢にはもう伝えたのか?」
「いえ、これからです。」
「ふむ、近いうちに、辺境伯とアンジェリカ嬢を呼ぼう。」
「ありがとうございます。」
3ヶ月後、私達の婚約が国中に知らされた。
やっと私がその気になったと言うことで、父は急いでカーティス辺境伯を呼び出し、アンジェリカ嬢を王太子妃にしたいと告げた。
始めは渋っていた辺境伯も私の熱意(脅したとも言う)に負け、最後は王命まで発して、了承を得た。
婚約発表の夜会にて、緊張で赤い顔をした彼女は、ガチガチで、私と目を会わせる事もむずかしそうだ。
「これからよろしく頼む。」
彼女の目の前に立ち、彼女の右手の甲にキスをして、彼女の視線を捉え、そう告げた。
彼女の顔が増々赤くなるのを見て、笑みがこぼれる。
そのまま、彼女の手を取り、ダンスホールの中央へ向かった。
2人で始めのダンスを踊り、会場を埋める人々に彼女をお披露目した。
一曲踊って落ち着いたのか、彼女の客人対応は素晴らしいものだった。
外国の賓客にも、堂々と対応している。
そんな彼女が私の前でだけ見せる、真っ赤になって、あわてる様子や、楽しげに大笑いする様子が可愛らしい。
彼女となら、これからの長い人生、退屈せずに楽しめそうだ。
私の視線に気付いた彼女の顔が少し赤くなっているのがわかる。
「殿下、ニヤけてますよ。お客様の前です。気を引き締めて下さい。」
ジョエルにからかわれて、「コホン!」と1つ咳をして誤魔化す。
嫌なヤツだ。
「可愛らしい方に来ていただいて良かったですね。」
急に真面目な顔をして、ジョエルが姿勢を正し、私に向かい合う。
「ノアール王太子殿下、ご婚約つつが無く成りました事、まことにおめでとうございます。」
「ああ、ありがとうジョエル。これからも、彼女共々、よろしく頼む。」
「もったいないお言葉です。誠心誠意 努めさせていただきます。」
彼女の元へ向かい、その手を取り、「もう一曲。」と、ダンスに誘う。
顔を赤く染めて、私の手を取り、微笑むアンジェリカ。
会場中の暖かい視線の中で、ダンスを踊る。
いずれ、父の跡を継ぎ、彼女と2人、王と王妃としてこの国を治めて行く。
彼女となら、きっと、どんな困難も、蹴り飛ばして乗り越えて行けるだろう。
初めて会ったときの彼女の蹴りを思い出し、ニヤリと笑う。
これから、楽しくなりそうだ。
~ fin ~
******************
ここまで読んでいただきありがとうございます!
これにて、一旦完結とさせていただきます。
しおりを挟んで下さった方。
お気に入りにして下さった方。
応援して下さった方。
本当にありがとうございました。🥹
たくさんの方に読んでもらえて、感想をいただいて、本当に嬉しかったです。
レオとレミィを愛していただいて本当にありがとうございました。
nao
彼女はカーティス辺境伯の末の娘で、この度 私の婚約者となった。
彼女に初めて会ったのは、王家が主催する騎士剣術大会の闘技場だった。
私は、優勝者に褒賞を授与する為、王族席で試合を見ていた。
そして、アンジェリカ嬢は兄を応援する為、妹のアリスと共に、カーティス家の家族席で試合を観戦していた。
試合は白熱したまま進んで行き、残り3試合という所で事故が起きた。
1人の騎士が剣を相手に弾き飛ばされ、その剣がアリスに向かって飛んで行ったのだ。
「アリス!!」
私は、王族席から立ち上がり、アリスに向かって、
「危ない!!」と叫んだ!
その時、アリスの隣に座っていたアンジェリカ嬢が、ドレスの裾をたくし上げ、飛んで来た剣を、見事に蹴り返したのだ。
蹴り返された剣は、そのままクルクルと回転しながら、持ち主である騎士の目の前の地面に突き刺さった。
あまりの出来事に、会場中が静まり返り、次の瞬間、あたりが、騒然とざわめいた。
皆、彼女の行動に呆気に取られていた。
もちろん私も。
しばらく、呆然としてしまった。
我に返った私は、すぐさまアリスの様子を王族席からうかがった。
幸い、アリスに怪我は無いようだ。
私は、側近のジョエルに医者の手配を指示して、アリスの元へ向かわせ、何事も無かったかのように、試合の続きを観戦していた。
私の指示でアリスの元へ向かったジョエルは「大丈夫」だと言い張るアンジェリカ嬢を「殿下の命令です。」と言って、医務室に連れて行った。
診察の結果は右足の甲の打撲。
剣を、蹴り上げた右足の甲が赤く腫れていたらしい。
しっかり治療を受けさせて、彼女の家族にも、御礼と謝罪をしてきてくれた。
全ての試合か終わり、優勝者に褒美を与え、全ての行事を見届けて、急いでアリスの元へ向かった。
「アリス、大丈夫か?怪我は?」
「お兄様 私は大丈夫です。アンジェが守ってくれましたから。」
アリスの無事を確認し、私はカーティス伯に頭を下げた。
「カーティス辺境伯すまない。大事な御令嬢にケガをさせてしまった。」
そして、アンジェリカ嬢に向き合った。
「アンジェリカ嬢、足の具合はどうだろうか?ケガをさせてしまって申し訳ない。アリスを助けてくれてありがとう。感謝する。」
「頭を上げて下さい、ノアール殿下。恐れ多い事です。アリス殿下を守る事が出来て良かったですわ。こんなのケガのうちに入りません。どうかお気遣い無く。」
そう言って、何でも無い事のようにニッコリと笑う彼女を面白いとおもった。
どこにでもいるような普通の令嬢だ。
この国ではありふれた明るい栗色の髪と、こげ茶の瞳。
女性にしては少し高めの背は姿勢が良く、立ち姿が美しいと思った。
とても、あのような蹴りを繰り出せるようには見えなかった。
私はジョエルに彼女の事を調べるように命令した。
彼女は、辺境伯の末っ子で、学園に入るまでは、領地で父や兄と共に剣を習い、森に入って魔獣の討伐等もしていたそうだ。
今でも身体の鍛錬を欠かさないらしい。
性格はおおらかで、正義感が強い。
あの日から、アンジェリカ嬢の事を色々調べた。
アリスのお茶会にも乱入して、アンジェリカ嬢と交流もしてみた。
気さくで、女性特有の媚びた所が1つも無い。
化粧も、香水も控えめで、好ましい。
学園時代の成績も、Aクラスの中ほどを常にキープ。
淑女教育も行き届いている。
時々、失敗しているが、そのおっちょこちょいな仕草も可愛らしいと思う。
「決めたぞ、ジョエル。今夜、父の所へ行く。」
「アンジェリカ様の件ですか?」
「我が幼馴染はいつもながら察しがいいな。」
「まぁ、今回に限っては、殿下の行動は非常にわかりやすいものでしたからねェ、女性の姿を目で追う殿下を初めて見ましたよ。」
「ふん!父に先触れを出しておいてくれ。夕食後、執務室に行く。」
「かしこまりました。」
クスクス笑うジョエルが腹立たしい。
その夜、父の元へ向かい、アンジェリカ嬢を妃にしたいと父に告げた。
「アンジェリカ-カーティス?カーティス辺境伯の末っ子か?アリスの友達の?」
「はい。承認いただけますか?」
「まぁ、お前が決めたのなら私に依存は無いが···アンジェリカ嬢にはもう伝えたのか?」
「いえ、これからです。」
「ふむ、近いうちに、辺境伯とアンジェリカ嬢を呼ぼう。」
「ありがとうございます。」
3ヶ月後、私達の婚約が国中に知らされた。
やっと私がその気になったと言うことで、父は急いでカーティス辺境伯を呼び出し、アンジェリカ嬢を王太子妃にしたいと告げた。
始めは渋っていた辺境伯も私の熱意(脅したとも言う)に負け、最後は王命まで発して、了承を得た。
婚約発表の夜会にて、緊張で赤い顔をした彼女は、ガチガチで、私と目を会わせる事もむずかしそうだ。
「これからよろしく頼む。」
彼女の目の前に立ち、彼女の右手の甲にキスをして、彼女の視線を捉え、そう告げた。
彼女の顔が増々赤くなるのを見て、笑みがこぼれる。
そのまま、彼女の手を取り、ダンスホールの中央へ向かった。
2人で始めのダンスを踊り、会場を埋める人々に彼女をお披露目した。
一曲踊って落ち着いたのか、彼女の客人対応は素晴らしいものだった。
外国の賓客にも、堂々と対応している。
そんな彼女が私の前でだけ見せる、真っ赤になって、あわてる様子や、楽しげに大笑いする様子が可愛らしい。
彼女となら、これからの長い人生、退屈せずに楽しめそうだ。
私の視線に気付いた彼女の顔が少し赤くなっているのがわかる。
「殿下、ニヤけてますよ。お客様の前です。気を引き締めて下さい。」
ジョエルにからかわれて、「コホン!」と1つ咳をして誤魔化す。
嫌なヤツだ。
「可愛らしい方に来ていただいて良かったですね。」
急に真面目な顔をして、ジョエルが姿勢を正し、私に向かい合う。
「ノアール王太子殿下、ご婚約つつが無く成りました事、まことにおめでとうございます。」
「ああ、ありがとうジョエル。これからも、彼女共々、よろしく頼む。」
「もったいないお言葉です。誠心誠意 努めさせていただきます。」
彼女の元へ向かい、その手を取り、「もう一曲。」と、ダンスに誘う。
顔を赤く染めて、私の手を取り、微笑むアンジェリカ。
会場中の暖かい視線の中で、ダンスを踊る。
いずれ、父の跡を継ぎ、彼女と2人、王と王妃としてこの国を治めて行く。
彼女となら、きっと、どんな困難も、蹴り飛ばして乗り越えて行けるだろう。
初めて会ったときの彼女の蹴りを思い出し、ニヤリと笑う。
これから、楽しくなりそうだ。
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