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27] 罪と罰 〜ナディア〜
しおりを挟む嘘でしょう!
返して!ネックレスを返してよ!
どんなに鳴いても、小さな小鳥に変えられてしまった私にはリディアからネックレスを取り返す事は出来なかった。
小鳥に変えられた私は塔を飛び出し、一目散にアラン様の元へ向かった。
『アラン様に会いたい。一目で良いからアラン様に会いたい。』
私はマルコシアス帝国の王城を目指して真っ直ぐに飛んだ。
休む事なく飛び続け、日が暮れる前に王城に着いた。
アラン様の部屋を覗いたけれど、姿が見えない。
『どこ?アラン様、何処にいるの?』
私は城中を飛び回り、アラン様の姿を探した。
様子を伺っていると、何だか城の中が慌ただしく人が走り回っている。
「フォレスト公爵令嬢が!」
ティアーナ=フォレストに何かあったようだ。
『あの女が死んだのかしら?』
私はもっと良く話を聞こうと、窓辺に近づいた。
「奇跡が起きた!」
「怪我が治った!」
「アラン殿下はフォレスト嬢が治療を受けている大神殿へ向かった!」
城の喧騒が漏れ聞こえてくる。
『ティアーナ=フォレストが回復した?嘘でしょう?!意識不明の重体だって言ってたじゃない!』
どういう事か確かめる為私はマルコシアス帝国大神殿に向かって飛んだ。
大神殿では人々が慌ただしく出入りしていて、馬車止めに王家の紋章が入った馬車を見つけた。
『アラン様だわ!』
私は大神殿の部屋を外から一つ一つ確認してティアーナ=フォレストが治療を受けている部屋を探した。
そして3階の南の窓にアラン様を見つけた。
窓から中を覗くと、アラン様が、寝台に身体を起こして微笑んでいるティアーナ=フォレストの手を取り、笑っているのが見えた。
『どうして?!』
まさか、リディア?!
大神殿でも治らなかった大怪我がこれ程キレイに治るなんてリディアの治癒魔法しか考えられない。
どこまで私の邪魔をする気?!
私は嫉妬と怒りで、目の前が真っ赤に染まった。
気が付いたら、私は風魔法を使って窓を破り、ティアーナに飛び掛かっていた。
彼女に向かって力一杯 嘴で彼女を突ついて襲いかかった。
バシン!!!
『キャア!!』
誰かに殴られ、私は壁に叩き付けられた。
息が出来なくなる程の衝撃を受けて、私は今にも気絶しそうになった。
「ティアーナ!大丈夫か?」
私を殴ったのはアラン様だった。
「何なんだ、この鳥は!!誰か!早くこれを始末してくれ!」
アラン様の命を受けて、側にいた騎士が私をつまみ上げ、そのまま壊れた窓から私を捨てようとした。
私は慌てて、騎士の手に噛みついて、その手から逃れると、アラン様の方へ飛んだ。
『アラン様…私です、ナディアです!』
私は必死でアラン様に訴えた。
「ウォーターボール!」
『エッ?』
私の周りをアラン様の打ち出した水の幕が張っていく。
私は水の中に囚われ、息が出来ない。
『アラン様!アラン様!アラン様!』
私は、もがいても、もがいても出る事が出来ない水の中でそのまま溺れてしまった。
『ア ラ…ン… さ… ま…』
「ティアーナ、ケガはないか?」
「はい、アラン様が庇って下さったので大丈夫です。」
「良かった、それにしても人間に襲いかかってくるなんて、小さなクセになんて凶暴な鳥なんだ、早くそれを始末してくれ。ティアーナに見せたくない。」
「かしこまりました。」
私の身体は騎士に摘み上げられ、部屋の外へとゴミの様に捨てられてしまったーーー
どうして?
アラン様を愛しただけなのに…
どうして私はこんな風に死ななければならないの?
私の心がアラン様に届くことは無かった。
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