悪虐氷姫の幸せな結婚

nao

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加護を持つ王太子-2

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神殿から妃候補を見つけたと連絡があってから2カ月がたった。 

「殿下、新しい妃候補について御報告が届いたようです。至急 執務室に来るようにと陛下が仰せです。」

「そうか、わかった、すぐに向かう。」

アンドレの言葉に私は立ち上がった。

妃候補が見つかったと神殿から連絡が来て2カ月、私は取るものもとりあえずアンドレに伴われて父上の執務室に向かった。

「父上、リオネル お呼びにより参りました。」

「入れ。」

父上の返事を待ってアンドレが執務室の扉を開ける。

中には父上と宰相、外務大臣と神殿長が待っていた。
4人とも何とも難しい顔をしている。
あまり良い話ではなさそうだ。

「帝国の太陽にご挨拶申し上げます。」

「あぁ 堅苦しい挨拶はよい、リオネル かけてくれ。」

私は執務室の中央に設えられた応接セットの上座に座る父上の向かいに腰掛けた。

「父上、妃候補について報告が来たと聞きましたが、どうかされましたか?その顔ですとあまり良い報告では無さそうですね。」

私は先に来ていた3人に目をやる。
前回も集まっていたメンバーだ。皆、苦虫を噛みつぶしたような顔をしている。

「殿下、こちらに目を通していただけますか?今朝ノースウッド王国より届いた第二王女に関する報告書です。」

そう言って外務大臣が報告書の束をこちらによこした。

何だ?何か問題でも?

私は報告書をうけとり、目を通してゆく。

王宮を氷漬けにして母親を殺そうとした?
姉妹喧嘩で癇癪を起こして姉の腕を凍らせてもう少しで腕が片腕になる所だった?
魔物の住む森を永久凍土に変えた?
街に流行り病を蔓延させた?

「あのー 父上、これは本当に妃候補の報告書でしょうか?」

これではまるで凶悪な犯罪者の報告書ではないか。

「王国に送った影からの報告だ。」

「父上、さすがに人殺しを妃に迎えるのはマズイでしょう。」

「やはりお前もそう思うか…」

父上と2人頭を抱える…

「ですが陛下、これはあくまでも噂でございます。ノースウッド王国の神殿からは、魔力が大きいせいで表に出せないと、小さな頃から離宮で過ごして居られるそうですが、とてもそんな理不尽な事をなさる様な姫君ではないと言っております。」

神殿長が額に浮かぶ汗を拭きながら頭を下げてそう言った。

「確かにあくまでも噂です。しっかりと確認は取れていませんが、とにかく悪い噂の多い王女である事は間違いありません。他にも男好き、我儘、自分勝手、傲慢、癇癪持ちなど、良くない噂ばかりでして…」

外務大臣が歯切れ悪く言葉を紡ぐ。

「確かに問題だな…どうする?リオネル。やめておくか?」

「ですが、この魔力は魅力的です。」

私は顎に手を当て思案する。
魔物の森を凍土に変えるなんてどれ程の魔力量なんだ?
しかも報告によると、この時まだ5歳?
信じられない…

「取りあえず一度会ってみたいのですが、父上 ノースウッド王国に行ってきても構いませんか?」

「いやいやいや、殿下、北の果てですよ?公式な訪問となりますと、何か月かかることやら…何か月も留守にするとなれば準備もありますし、執務もある程度は片付けておいていただかないと…」

私の言葉を聞いて、不安を募らせた外務大臣がこめかみに浮かぶ汗を拭きながら言う。

「いや、いっそ公式訪問も良いかもしれません。この際ノースウッド王国までの旅程を妃候補探しとしてはいかがでしょうか?そうすれば堂々と他国を探る事も出来ます。」

思案顔の宰相が考えを巡らせながら言った。

「そうだな、お前も自分の一生を左右する大事な問題だ。本人を見て決めるのが良いだろう。お前の妃となる娘だ心ゆくまで確認してくると良い。」

「ありがとうございます父上。」

父上の言葉でノースウッド王国行きが決まった。

「では殿下、各国訪問の理由はそのまま妃候補探しでよろしいですね。ノースウッド王国迄は間に3カ国を挟みます。友好国であるベリアル王国、交易等の取り引きがあるドース国、そして今だ交流の無いメルク公国、そしてお目当てのノースウッド王国となります。早速訪問のむね、各国に連絡をいたしましょう。出国前に殿下には、詰めて公務をこなしていただきます。訪問期間は2、3か月といったところでしょうか?」

宰相がスラスラと計画を立てていく。

「ではその様に、長く国を留守にするのだ準備はしっかりとして行くように。日取りが調整出来次第連絡する。」

「わかりました父上。それでは御前失礼致します。」

そうして3か月に及ぶ妃候補探しの旅が決まったのだった。




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