悪虐氷姫の幸せな結婚

nao

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悪虐氷姫-1

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私の名前はシルビアリリィ=ノースウッド(15歳)
ノースウッド王国の第二王女として生を受けました。

大陸の北の最果てにある小国ノースウッド王国は、1年の3分の1を雪に閉ざされる自然豊かな国です。

季節は3つ。
雪に閉ざされる白の季節。
花が咲き緑が芽吹く碧の季節。
作物が実り木々が赤く色付く紅の季節。

とても小さな国だけれど、王国民はとても勤勉で、真面目で心優しく純粋で、毎日を一生懸命生きています。
そんな王国民を私は愛しています。

そんな私も今年で15歳。
現在貴族魔法学園の4年生で魔法騎士科に在席しています。
婚約者はまだいません。
王族たるもの小さな頃から婚約者がいるのは当たり前なのに私の持つ魔力が大きすぎて相手が見つからないのです。

私は水と氷の属性持ちで、その魔力は一国を滅ぼせるほど大きいらしいのです。

生まれてすぐに魔力暴走を起こし、王宮中を氷漬けにしてしまい、沢山の宮殿内の人間を危険な目に合わせてしまったそうです。
幸い、当時の魔導師団長が、私の魔力を相殺してくれたお陰で大事には至らなかったと聞いています。

でも、そのせいでお母様の身体はすっかり弱ってしまい、お母様は私を生んで1年も経たずに死んでしまいました。
私はお母様の顔も、お母様の温もりも何も覚えていません。

そんな私に、お父様が送ってくれたお母様の肖像画は、私とお母様を繋いでくれる大切な宝物です。
肖像画のお母様は、私と同じ青味がかったクセのあるフワフワした銀髪で、私よりも濃い銀色の混じる藍色の瞳をした、とても美しい人でした。私とそっくりの面立ちに、血の繋がりを強く感じる事が出来て、胸の真ん中が温かくなります。

肖像画のお母様はいつでも優しく微笑みながら私を見つめて下さいます。
悲しい時、辛い時、私はいつもお母様の
優しい微笑みに慰められていました。

お父様には現在、正妃ダイアナ様、第二妃ユリアーナ様、側妃リリル様の3人の妃がいらっしゃいます。

お父様は昔、若気の至りで学園時代に知り合った男爵令嬢のダイアナ様に夢中になり、当時、お父様の婚約者だった公爵令嬢を蔑ろにして、まわりの反対を押し切り、ダイアナ様を正妃に迎えました。

見事に正妃の座を射止めたダイアナ様は、フォース男爵と平民のメイドとの間に出来た子供で、メイドだった母が死に、仕方なく父であるフォース男爵が引き取った子供でした。

幸い男爵家には女の子がいなかった為、政略の駒に使えると思ったのでしょう。
扱いはそう酷いものでは無かったそうです。ただ市政育ちだった為か、平民の振る舞いがいつまでも抜けず、学園では高位貴族どころか、王族であるお父様にも馴れ馴れしくまとわりついて、その愛らしい外見で次々と男性を虜にしていったそうです。

そんな自由奔放な彼女が新鮮に映ったのでしょう。
最初は困った顔をしていたお父様も、やがて彼女に傾倒するようになり、いつの間にか恋仲になっていたそうです。

側近の言う事も、婚約者の言う事も、お父様の耳には届きません。
それどころかお父様に注意喚起する者は段々お父様から遠ざけられ、あろうことか卒業パーティーの時、学園生徒、関係者一同の前で、婚約者である公爵令嬢との婚約を勝手に破棄し、手を回してダイアナ様を伯爵家の養女とし、無理を通して正妃として迎えたのでした。

当時、王国民には世紀のラブロマンス、身分を超えた真実の愛と持て囃され、2人の間には第1王子であるキースお兄様も生まれ、お世継ぎの誕生と国中か浮かれていたそうです。

でも、そんな幸せも長くは続かなかったようです。

お父様の愛が冷めたのです。

市政育ちだったダイアナ様は王妃教育をしても、覚えが悪く、マナーも最低ランク、外国語も覚えられない、外交に連れて行くことはおろか、国内でも賓客の相手はさせられない。
その為公務にも差し障りが出ていたそうです。

それどころか次々と高額なドレスを作り、宝飾品を購入し、国の予算を使い潰していく始末。
国民からの評判はあっと言う間に地に落ちました。

まともな公務1つこなせない下品な正妃。
国家予算を使い潰す正妃。

問題ばかり起こすダイアナ様の相手にお父様はすっかり疲れ果て、臣下の進めもあって、公務をこなせる第二妃を迎える事になりました。
それが当時、3家ある内の1つフォルトナート公爵家のマリエルヴィオラ=フォルトナート公爵令嬢。
私達のお母様だったのです。

お母様はお父様との婚姻後すぐに第一王女である姉アリシアローズを産み、その2年後、王太子である兄アリステアカークを産みました。

公私にわたり、お父様を支えたお母様をお父様はとても大切にしていました。ダイアナ様とお母様を従えて夜会をこなし、外国への視察には、ダイアナ様の病弱を理由(立て前)にしてお母様を連れて外交をこなしていました。

お父様とお母様は仲睦まじく、お父様は目が覚めたかのように、良き国王、良き夫、良き父となっていきました。

でも、そんなお母様が私を生んで1年も経たない内に26歳と言う若さでこの世を去ってしまったのです。

姉は6歳、兄は4歳、私はもうすぐ1歳というときでした。







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